集い 散らける

人は同じ場所にはとどまらない。そうであるならば、皆が同じ動き方をしない限り出会いはあるし別れもある。

共に過ごす時間が有限ならば、それを大切にしたいと思うのが人情というもので、出会いと別れの局面では笑いあり涙ありの感動が渦巻いている。

人は集い、何事かを成し遂げ、

人は散らけ、何ものかに向かう。

そこを離れるときの自分は、そこに辿り着いた時の自分にさらに一つの積み荷を抱え、大切に抱え旅立っていくのだ。

貿易商のように各地を転々とし、その生を生きる。ただ、不思議とこの商いはいくら売っても積み荷が無くなることはないみたい。

それともう一つ、我々はときどき積み荷のトランシーバーでかつての仲間を呼び寄せたりする。往時を偲び、品質点検を終えたらばまた、それぞれの歩みを始めていく。

どうか、この止まることのない人の流れが、無限大に続いていきますように。

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