町田そのこ(2020)『52ヘルツのクジラたち』中央公論新社

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ただひたすらに愛を注がれるべき子どもの時期に、ある種の異常な状態におかれた人々の、"普通"ではない人生を描く物語。親と子、その間の愛着というものは人間の成長に計り知れない影響を及ぼす。愛着障害という語を引くまでもなく実感として余りにもあり溢れている。

人を一人育てると言うことは確かに全く簡単なことではない。その重圧に親のほうが押し潰されてしまうことは果たしてどうすれば避けられるのだろうか。社会が総体として重圧に耐える力を失っていっていることが、昨今の問題を引き起こしている。児童養護は、時代を紐解く鍵であろう。

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