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【整備記録】 オロネ25-901(夢空間デラックススリーパー / JR東日本)

こちらの種車は、TOMIXの「92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット」から捻出しています。

1989年に開催された横浜博覧会(YES'89)の開催に合わせて公開され、「北斗星トマムスキー」として他2両の夢空間車両と一緒に組み込まれて1991年3月から運行を開始しました。
夢空間は、この寝台車デラックススリーパーのオロネ25-901と、ラウンジカーのオハフ25-901、ダイニングカーのオシ25-901の3両で構成されていました。

施工前

内装はベッドだけでなく、ソファやテレビ、浴室のバスタブや洗面台、トイレまでモールドで表現されています。ずいぶん前に購入してからずっと積んでいて触っていなかったので気づいていませんでしたが、結構内装が凝っていてオロネ25-551を彷彿とさせました。私が購入したのは2017年ロットですが、夢空間セット自体はだいぶ前の2007年発売だったと思うので、その割には結構内装がしっかりと再現されていてびっくりしました。特定車番かつ1形式1両の車両だと結構しっかり再現してくれる感じなんでしょうか。
せっかくここまで内装が再現されているので、しっかりと作りこんでいきたいと思います。

ほとんどモールドで再現されている。再現されていないのはエクセレントスイートの寝室テレビとベッドサイドテーブルぐらい

施工後

エクセレントスイート

全体的にピンク系統の配色になっていたようなのですが、居室についてはあまりきつくならないように色味をほんのりピンクっぽくなるよう薄めに調整しました。

エクセレントスイート室内全景

スーペリアツインと違い、寝室のテレビはモールド表現が無いので印刷で再現しています。プラ棒でも買ってきてそこにテレビを貼り付けた方が統一感出るかなとも思ったのですが、ベッドルームはカーテンを閉じてしまうのでいったん気にしないことにします。ベッドとベッドの間にあるサイドテーブル的なものも、再現してもいいのですが今回は省略しました。

ベッドルームのテレビはモーダル表現がなかったので印刷再現。ベッドサイドテーブルは省略

リビングのテレビとクローゼットなどは印刷で再現しています。

リビングにはテレビなどが収まったAV機器類と、その隣にはクローゼットがあった。通路には内線と公衆電話が設置されている

また、リビングとベッドルームの間には扉がついていたようなので、それを開けるという感じにして室内灯の足を見えにくくしようと試みてみました。どうせカーテンを閉めるので意味はないのですが…ただ、副産物として、寸法がちょうどよかったのか寝室へのトビラを開閉できるようになりました。部屋っぽくなってすごく良い感じです。電話機と内線?の受話器も、その通路に書き込んでみました。

居室内のドアは開閉可能(写真は閉じた状態)

ユニットバスはスーペリアツインと同じ仕様らしいのですが、壁も何もかもピンク色だったようなので、ピンクっぽくしてみました。こんなにピンクだったのかは謎ですが、確かに写真を見る限りはピンクだったように見えます。外壁がピンクのロイヤルハワイアンホテルもびっくりですね。床はサーモンピンクのマスキングテープを貼りました。

バスルームはかなりピンクっぽかったようだ

廊下への扉については資料不足によりスーペリアツインと同じデザインにしています。

スーペリアツイン

2部屋が左右対称に配置されているので、1部屋を作った後に反転・調整して2部屋目を作りました。

スーペリアツイン室内全景。ユニットバスを境に左右対称になっている

ベッドの背中側にあるバックボードは、時期によって色が違うみたいだったのですが、とりあえずはランプの傘と同じ青緑系の色で再現しています。ベッドの色と合っていて統一感が良いなと思ってそうしましたが、気になったら写真で多く見かけた茶系に変更して貼り替えます。また、このベッドの背中側の壁紙は他の壁紙よりも黄色が強かったようなので、そこも再現しました。
ベッドとベッドの間にある内線の受話器やオーディオ機器と思われる操作スイッチパネル、折り畳みテーブルは格納状態で再現しています。

ベッドのバックボードと照明、絵画を再現。ベッド間には受話器や操作パネル、その下には折りたたみ式のテーブルがあった

バスルーム内もできる範囲で書き込んでみました。エクセレントスイートとは違ってスーペリアツインは白ベースにしています。ドライヤーは、古いタイプは棒のようなもの、新しいタイプはドライヤーの形をしたモノっぽかったのですが、とりあえず古いタイプで再現しました。

客車の個室内にユニットバスがあるのがすごく不思議

テレビ上にあったカード式電話もちょっと位置が下気味になりましたが、位置を含めていい感じに再現できたと思います。
床のカーペットはいつも通りマスキングテープで再現しました。

テレビの後ろに公衆電話が設置されていた

廊下

廊下も思いのほか資料が少なく、編成写真の方もあまり解像度が高くなくて詳細な情報を得ることができず、ネットに上がっている写真と最後にはYoutubeの動画から解析しました。

個室へのドアはスーペリアツインの1部屋が通路から見て左開きの引き戸、残り二部屋が右開きの引き戸だったようです。

廊下側の全景。通路突き当りのドアが斜めになっているのはご愛嬌

突き当りのドアについても、特に押したり引いたりするノブっぽいものは見当たらないので、恐らく自動ドアだったと思われます。いずれにせよ、そこまで作りこんでもあまり見えないので、どちらでも大丈夫と言えば大丈夫ですが…

行き止まりには自動ドアと思われる扉がついていた

あとはメンテナンスハッチのような扉が、スーペリアツインの間に1つ、スーペリアツインとエクセレントスイートの間の機械室に両開きで1つ、片開で1つあったようなのでそれも再現しました。

中央の機械室に両開きのメンテナンスハッチが、ユニットバス付近にも片扉のメンテナンスハッチがあった

今回、形状も単純だったこともあって廊下の床もデザインで再現しています。居室に入るところはグレーの床になっていて、それ以外の壁際は濃いグレーになっている様子を再現しています。模様も入れてみましたが印刷ではほぼつぶれていたのでマスキングテープでも良かったかもしれません…

居室入り口は壁際の黒っぽい色が途切れている

窓には手すりが設置されていたようなので、それも0.5㎜の真鍮線で再現しています。実際は、持ち手の直線部分がシルバー、壁に据え付けるための曲げの部分がゴールドだったようなのですが、とりあえず無塗装でそのまま取り付けてみました。それっぽく見えるのでこのまま行きたいと思います。

通路の手摺は0.5mmの真鍮線で再現

デッキ

デッキ部の写真が見つからなかったので、ホームでドアが開いている写真からわずかに見えるデッキ部から類推したり、Youtubeの動画から解析して作りました。
床も通路と同じく2色に色分けされていたっぽいのですが、形状というか模様を特定できなかったのでグレー一色にしています。
配電盤の色がアイボリー?で他の壁の色より明るい感じを出すようにし、乗降口側の配電盤は壁と同色で手すりがついているようなのでそれも再現してみました。

配電盤はアイボリーのような感じで他と色が異なっていたようだ

あとは形式図から配電盤の奥行きの目安を確認して、オロネ25-500で作った配電盤と同じものをベースに、幅や奥行きを調整して作ってみました。高さだけ修正し忘れたので、8㎜のところ10㎜になって少し高くなってしまい、室内灯と干渉してしまうようになりました…あまり見えないとはいえ潰されて歪むのも悲しいので、どこかのタイミングで作り直したいと思います。
デザイン的には、恐らくこんな感じだったんじゃないかなと思います。

配電盤が2mm高すぎて室内灯に押されて歪んでしまうので近々修正したい

室内灯

通路は窓上が蛍光灯で柱部分に暖色の間接照明が設置されていたようなので電球色とし、居室側も電球色にしました。
ただ、デッキはいくつか資料を見た感じ蛍光灯色っぽかったので黄白色にしています。行先表示のところは見やすいように白色です。行先表示は「夢空間」にしてみました。

デッキは蛍光灯色、方向幕は白色…にしたけど車両端にLEDがなくあまり光らなかった

全景

窓もそこまで大きくなくカーテンが大きめなので、ボディを被せると内装がほとんど見えないのが残念ですが、それでも再現した甲斐があって覗いた感じがとてもよくなりました。
カーテンも独特な形状をしているのでオロネ25-901用に書き下ろしましたが、結構雰囲気が出たんじゃないかと思います。

オロネ25-901全景

また、オロネ25-901の方向幕側床下の他客車ではトイレタンクが設置されている位置に角形の機器が設置されているようだったので、昔カシオペアをアップグレードする際に使った床下機器PZ6277の余りパーツで似た形状のものを木工用ボンドでくっつけてみました。通路側は丸い筒状のタンクだったようなので厳密には違うと思うのですが、寝台側はそれっぽくなったので良しとします。

カシオペア用の車端部機器を追加してそれっぽくなった

あとがき

夢空間車両なら写真も多いかなと思ったものの、思いの外あまり多くなくて再現には少し苦戦しました。最終的には、Youtubeも探して動画を参考に作っています。寝台など主要設備の写真は結構見つかるのですが、廊下や特にデッキなどの再現についてはほぼ動画頼みでした。動画様様です。

オロネ25-901は1両しかなく、作った内装表現は他に転用できるようなものではないのが残念ですが、作りこんだ甲斐もあってかなり満足な仕上がりになりました。
あと2両…夢空間車両は完全に後回しにしていたためデザインを起こしながらの作業になって結構大変です。間に他の車両の加工を挟むかもしれませんが、2023年秋に再版される前に何とか終わらせてしまいたいと思います!

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オロネ25-901を組み込んだ編成の紹介

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