【整備記録】 オロネ25-551(北斗星ツインデラックス / JR北海道)
1両しかない珍車、オロネ25-551です。
北斗星1・2号に組成する8号車に組み込むために整備します。
通常、ツインDXは1階建て?ですが、この車両のみ2階構造になっていて、独特の窓配置が印象深い車両です。
あまり運用されていないということも無く、北斗星1・2号の運用にもよく入っていたようなので、思い出の1号編成に加えてみました。
こちらは、TOMIXの「98677 北斗星1・2号 増結セット」から捻出しています。
施工前
これまでの内装と違い、デッキは相変わらず省略されているものの、室内についてはかなり精密に再現されています。
この車両の特徴である、各部屋に備え付けられた洗面台(シンクだけでなく蛇口まで)や、下段のテレビが再現されていたり、扉部分も廊下側・室内側問わず少しへこませるようになっていて、なんとなく扉があるようなのがわかるようになっています。
また、なんといっても個室にもかかわらず上段個室が再現されているのが特徴です。
他の2階建て個室の車両は、階段と窓際のテーブルだけが再現されているのが通常なのですが、この車両に至っては上段のベッドまで再現されているという手の込みようです。
他のソロやデュエットも同じようにベッドを再現してみたいところですが、やりすぎると下の階に室内灯の明かりが届かなくなるんでしょうね…
もし北斗星シリーズがリニューアルされるときには、ソロやデュエットの上段ベッドも再現されるようになるんですかね。
内装再現
ツインデラックス
素の状態でかなり内装が再現されているので、これをよりリアルに見せることを目指してデザインしました。
上段
まずは上段です。
他のツインDXとは違った大きなシートバックが大きな特徴です。
室内灯の関係で、半分超が欠けた状態になるものの、それっぽく見えるような大きさで作ってみました。
また、室内の洗面台に取り付けられた鏡、コップ置き、歯ブラシ置きも再現。隣の壁にはタオルも表現しました。洗面台から続いて窓際まで壁面を作ってしまったため、逆側の壁面も作ってみました。
洗面台とベッドの間の透明な仕切りですが、上段下段ともに透明プラバンを紫で塗って再現しました。
壁面に合わせて、従来は省略されているベッドの厚みの部分?も書き込んでいるのでよりベッドっぽく見えます。
階段は塗装しようか迷いましたが、マスキングテープで再現してみました。
手持ちにグレーが無いのでカーキっぽい色にしてみましたが、思ったより芝生っぽくなってしまいました…気に入らなかったら剝がします。
あと、外からは一切見えませんが、テーブル下の各スイッチや灰皿も再現しました。
下段
次に下段です。
こちらは上段で再現したものに加えて、室内にせり出している上段ベッドの張り出し部分の角の丸みをグラデーションで再現。実際に印刷してみると「ないよりはまし」ぐらいな感じですね。。
向かって右のベッドにあるテレビも再現しました。
廊下
廊下も9・10号車と同じアイボリーを基調にしたデザインにしています。
この車両もブラインドなので、カーテンは省略です。
両端に設置した扉は、窓配置の都合で外からは全然見えませんでした…
デッキ(1号車側)
こちらは全く写真が見当たらなかったので、図面を参考にして再現します。
デッキ部分には、配電盤やくず入れとは別に「AV装置室」というのがあったので、それっぽい部屋(扉)を用意しています。
それ以外はほかの車両と同様に、配電盤やくず入れを再現してます。
表現手法的には、スハネ25-503の自販機などでやった手法と同じですが、配電盤とくず入れの部分の段差も表現してみました。
室内に出っ張りがあってそれを覆うような形になるため、もう少し高さを大きめに作った方がつっかえた感が無かったかもしれませんが、思いのほかそれっぽくなりました。
室内灯
車両の加工
この車両は幅狭が指定されていますが、車両端まで照らすようにすると、他の車両と同様でプリズムが干渉して閉まりません。
また、この車両は幅狭タイプでスプリングを通す穴が「筒」のようになっているため、Torm.の室内灯を装着する場合、穴と室内灯側のスプリングを固定する「足」の部分が干渉してしまい、単にプリズムを外しただけでははまりません。
なので、Torm.の室内灯を入れる場合は、車両側の穴を少し広げてあげる必要があります。
引っかかるのは室内灯の足というか出っ張りの部分ぐらいなので、入り口部分を(中央に向けて)軽くやすってあげると良いでしょう。
色調補正・加工
後はほかの車両と同じで、透明プラバンを少し廊下側に延長してマステで色調補正をしました。
この車両の個室は、蛍光灯がメインの照明でベッドサイドの読書灯が電球色だったので、全体的に蛍光灯色の黄白色にしました。
廊下も写真を見るとB寝台などと同じように蛍光灯が並んでいるので、蛍光灯色である黄白色にしています。
デッキはJR北海道の車両に準じて電球色にしています。
点灯状態
実際につけてみると、1階の寝台は2階の寝台が再現されているために他の車両と違って暗くなりますが、表現した室内も良く見えて満足です。
全景
上段は窓が婉曲していてうまく車内が見えず外からはわかりにくいものの、下段は窓も大きめなので再現した甲斐がとてもあったと思います!
下段のモールドで再現されていた場所のテレビはちょうど窓の高さにあるので、思いのほか外からも良く見えて作ってよかったです。
せっかく頑張って自作したのであまりカーテンは閉めたくないのですが、リアルにするためにいくつかカーテンは閉めさせてもらいました…
下段窓を閉じているところは上段窓も閉じ、それ以外は開けています。右から2つ目の下段の天窓カーテンをちょっと開けているのがポイントです。
あとがき
この車両は既製品ではカバーされていないので、作り甲斐がありました。
通常の車両は個室も下段のみ再現で形も単調なため、作業自体そんなに難しくないことが多いのですが、この車両は下段4部屋、上段4部屋で計8部屋もあり、さらにパーツ点数が多いだけでなくそれぞれのパーツの形が単なる四角形でないことが多いため、とにかく時間がかかりました。1部屋目は現車合わせも必要だったので特にしんどかったです。。合計で3・4時間ぐらいでしょうか。
ワンオフでこの1両のためにデザインして他で使うことも無いのでもったいない気がしますが、もう何両かあるとかじゃなくて良かったです。。
ただ、作りこんだだけあって、出来上がるとかなり精密に再現できていて大満足な1両になりました!
これだけ再現できたのも、こんなユニークな車両の写真をたくさん残していただいている鉄道世界旅行様のおかげです。本当に感謝です。
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