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臨時北斗星上り最終列車(2015年8月22日札幌発・JR東日本編成)を組む

2015年4月2日から運行を開始した臨時北斗星の中でも、ラストランとなった2015年8月22日札幌発上野行の北斗星最終編成を組みます。


簡単な解説

臨時北斗星上り最終列車 @Re-Color

1988年3月から定期2往復、臨時1往復の3往復体制で運行を開始した北斗星。青函トンネルブームもあって大人気のプラチナチケット化したためすぐさま定期3往復になりました。その後もニーズの変化に合わせて個室化を推し進めたりしていきましたが、1999年3月のダイヤ改正で2往復に、北海道新幹線の工事に伴い2008年3月のダイヤ改正で1往復へと徐々に縮小され、2015年3月に定期運行を終了しました。
2015年3月までの定期運行では、1編成をJR北海道とJR東日本でそれぞれ担当していましたが、2015年4月からはJR東日本の車両だけの臨時列車となり、個室車6両に全室ロビーカーも連結した豪華編成で運行を開始。しかし、再開してわずか4ヶ月後の2015年8月22日札幌発上野行きが最終運行となりました。

臨時北斗星上り最終列車 @Re-Color

青函トンネル開通を契機に運行を開始した北斗星は、気づけば最後のブルートレインとなっていました。青函トンネルブームが去り、東海道方面のブルートレインが全廃され、北海道新幹線の開通準備工事に伴う減便や車両の老朽化など、運行条件が厳しくなっていく中でも粘り強く活躍し続けましたが、27年の歴史に終止符が打たれ、最後のブルートレインが姿を消しました。

編成例

臨時北斗星上り最終列車 @Re-Color

この最終北斗星は、以下の車番で編成されていました。

臨時北斗星上り最終列車(2015年8月22日札幌発上野行)

全車両が尾久客車区(東オク)所属車で組成されていました。
定期北斗星の1往復化に伴い運用を外れたものの廃車されずに1両だけ残されていた全室ロビーカーのオハ25-503や、JRマークが低い位置にあるカニ24-508などが組成されていました。
デュエット、ロイヤル・ソロ、ロイヤル・デュエットの3両を2~4号車と8~10号車に配置した1編成でロイヤルが8室もある豪華編成となっていましたが、この編成は2004年から2007年の間、閑散期の4月から7月にかけて同じ編成で運行されていたことがありました。

←上野、函館
1.オハネフ25-214:開放B寝台
2.オロネ25-505:デュエット
3.オロハネ25-501:ロイヤル・ソロ
4.オロハネ24-551:ロイヤル・デュエット
5.オハネフ25-215:開放B寝台
6.オハ25-503:ロビー
7.スシ24-506:食堂車
8.オロネ25-506:デュエット
9.オロハネ25-503:ロイヤル・ソロ
10.オロハネ24-553:ロイヤル・デュエット
11.オハネフ25-14:開放B寝台
12.カニ24-508:電源車
→青森、札幌

牽引機は、(函館側)DD51-1100+DD51-1138、ED79-20、EF510-515でした。

最終北斗星の組成

組成については、TOMIXから発売された「さよなら北斗星」のセットをそのまま使用しています。このセットでは、電源車のJRマークの位置や食堂車のテーブルランプ形状、クーラーのキセを実車に合わせて搭載したり、Hゴム色を実車に合わせて灰色と黒を使い分けるなど、既存製品よりも実編成に近くなるようにリファインされていました。

臨時北斗星上り最終列車の編成図

「さよなら北斗星」のセットには最終日の運行でけん引した機関車も全てセットに含まれており、札幌から函館までを担当したDD51-1100+DD51-1138、函館から青森を担当したED79-20、青森から上野までを担当したEF510-515を再現できるようになっています。これら機関車も通常製品とは違って実編成に近くなるようにリファインされており、区名札が印刷済みだったり、DD51の屋根を作り分けていたり、EF510の東日本大震災の復興ロゴが印刷済みだったりと、かなり凝った形になっていました。

個人的には、DD51のナンバープレートが8種類入っていたのが嬉しかったです。おかげで、自分が乗ったときの牽引機で唯一車番が分かったDD51-1102が再現できるようになりました。

特定車番は、JRマークが通常より低い位置にあったカニ24-508でしょうか。その他の車両については、JR東日本らしく特定の仕様になっていた車両はありませんでした。

1号車:オハネフ25-214 開放B寝台

オハネフ25-214 JR東日本の200番台で最後まで残った2両のうちの1両

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
クーラーは2基ともファン2基タイプでステンレスの更新型AU77。
車掌室側はJC6387に換装済み。

2号車:オロネ25-505 A2

オロネ25-505 JR東日本のオロネ25-500は小窓のみ

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ツインデラックス。1986年度改造。種車はオハネ25-236。
JR東日本のツインデラックスはオハネ25-100からの改造で細窓が主流。

3号車:オロハネ25-501 Aロ・B1

オロハネ25-501 デッキ側にロイヤル2室、洗面室側にソロ12室を備える

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ロイヤル・ソロ合造車。1988.2.26改造。種車はオハネ25-22。
大きなロイヤル個室の窓と全12室のソロ個室の窓が縦に並んだ姿が特徴的。

4号車:オロハネ24-551 Aロ・B2

オロハネ24-551 個室の配置がJR北海道と同じレイアウトになっている

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ロイヤル・デュエット合造車。1989.6.13改造。種車はオハネ24‐28。
JR北海道車と同じくロイヤル個室が車両中央にあるのが特徴。

5号車:オハネフ25-215 開放B寝台

オハネフ25-215 JR東日本の200番台で最後まで残った2両のうちの1両

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
クーラーは2基ともファン1基のAU77。
車掌室側はJC6377改に換装済み。

6号車:オハ25-503 ロビー

オハ25-503 ロビー室内に電話ボックスが設置されていた

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
全室ロビーカー。1988.2.25改造。種車はオハネ25‐25。
JR東日本が所有する全室ロビーカー4両の中で唯一最後まで残った車両。

7号車:スシ24-506 食堂車

スシ24-506 JR東日本車は室内が白系で明るい印象

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
食堂車「グランシャリオ」。1988.2.23改造。種車はサシ489-83。
模型ではテーブルランプが後期タイプである角形で再現された。

8号車:オロネ25-506 A2

オロネ25-506 JR東日本のオロネ25-500は小窓のみ

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ツインデラックス。1988.2.29改造。種車はオハネ25-235。
JR東日本のツインデラックスはオハネ25-100からの改造で細窓が主流。

9号車:オロハネ25-503 Aロ・B1

オロハネ25-503 デッキ側にロイヤル2室、洗面室側にソロ12室を備える

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ロイヤル・ソロ合造車。1988.2.29改造。種車はオハネ25-30。
大きなロイヤル個室の窓と全12室のソロ個室の窓が縦に並んだ姿が特徴的。

10号車:オロハネ24-553 Aロ・B2

オロハネ24-553 個室の配置がJR北海道と同じレイアウトになっている

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
ロイヤル・デュエット合造車。1989.6.13改造。種車はオハネ24‐11。
JR北海道車と同じくロイヤル個室が車両中央にあるのが特徴。

11号車:オハネフ25-14 開放B寝台

オハネフ25-14 雪による故障を防ぐために折戸が引戸へ変更されている

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
デッキ側のクーラーはファン1基のAU77、トイレ側のクーラーはファン2基タイプでステンレスの更新型AU77。
車掌室側はJC6377に換装済み。

12号車:カニ24-508 電源車 ★

カニ24-508 他のカニと比べてJRマークの位置が低い

98953 JR 24系「さよなら北斗星」セット
電源車。1988.2.1改造。種車はカニ24-22。
500番台として北斗星の運用に入ってから早々に機関更新工事を受けている。この車両だけJRマークの位置が低いのが特徴。特定車番。

組成のポイント

臨時北斗星上り最終列車 @Re-Color

ポイントも何も工夫したことは特になく、今回は製品として用意された「さよなら北斗星」を全てそのまま使用しています。
ただ、そのまま内装を再現しても他の編成との差別化もできずに面白味が無かったので、内装再現だけでなくカーテンの開き具合も最終日である2015年8月23日の完全再現を目指しました。

3号車ロイヤル・ソロ、4号車ロイヤル・デュエットのカーテン開き具合

というのも、いつも参考にさせていただいている編成写真のサイトにこの最終編成の編成写真があったので、せっかくなのでこちらを元にカーテンの開き具合を再現しようかと思った次第です。よって、まさに2015年8月23日に川口駅付近を走行しているときの状態を再現しているということになります。本当にいつもお世話になっています…すばらしい記録を残していただきありがとうございます!

さらに運行最終日の雰囲気を出すために、各窓に貼り出された掲示物もできる限り再現してみました。

2号車、ツインデラックス客室側の掲示物

掲示物については、まずは編成写真を参考にさせていただきつつ、あとはYoutubeで確認できたものも合わせて再現するようにしていますので、より一層雰囲気が出たんじゃないかなと思います。主に寝台側の再現には、函館駅の到着・出発シーンや、青森駅での到着・出発シーンなどを参考にしていて、通路側は宇都宮駅の出発シーンを参考にしています。
それを方向幕と同じく裏貼り方式にしたうえで、大きさに合わせて白のマスキングテープをカットし、裏から貼る形で透過しないようにしています。
ただ、Youtubeを参考にしたものは、詳細な内容が確認できず矩形と何となくの色味しか再現できていませんが、遠目に見ると結構いい感じです。
そのうち、人まで再現できるともっともっと最終編成っぽくなるかもしれないですね。。それはまたいつかの機会に。

8号車、ツインデラックスの廊下側掲示物

あと、「さよなら北斗星」のセットだと方向幕やトイレ窓が製品状態で白く印刷されてしまっているので、ガンダムマーカーの消しペンで落としてから裏貼りしています。一度表から透明シールだけ貼ってみたんですが、文字の可読性が悪かったので他で整備してきた車輌と同じく裏貼りするように加工しました。せっかく印刷されているのにもったいないですが。。

いつもの裏張りだが流石に見にくくなってしまった

さすがに完全にクリアにはならないので、いつものよりもさらに見にくくなってしまったのは残念ですが仕方ないですね。

さよなら北斗星セット以外で臨時最終編成を再現するには?

なお「さよなら北斗星」セット以外でこの最終編成を再現する方法ですが、電源車のJRマークの位置など細かいことを気にしないのであれば、「98267 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セット」を1セットと「98268 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)増結セット」を2セット、オハネフを単品で2点購入することで、比較的難なく再現することができます。そのセットが中々出回ってないという問題はありますが、6万円前後するさよなら北斗星を狙うよりは安価に行けるのではないかと思います。

また、仮にセットが売って無い!という場合でも、JR東日本の個室車に関してはオークションでも結構安価で揃えることができるので、バラ売りで揃えて行ったほうが安上がになるかと思います。
ただ、食堂車と電源車、ロビーカーは特定車番でもなんでもない普通のタイプなのですが、最後に発売されたのがもう6年前なので、タマ数的に少し面倒かもしれません…

開放B寝台車に関しては、長らく欠品状態が続いていましたが、2024年7月に再販が決定したようですので、こちらで購入すると良いでしょう。帯がボディへの印刷になっているなど、さよなら北斗星の時よりも更に実車に近い形へアップデートされた仕様です。
ただ、かなり待ちに待った再販なので、下手するとまたすぐに市場から消えてしまうかもしれません。狙っている方は予約などをおすすめします。

牽引機については、DD51であれば2023年秋に発売された最新仕様がまだ在庫がありますのでこちらで用意します。
あとのED79-0とEF510-500についてはオークションや中古を粘り強く探してゲットするしかなさそうです。
ただ、EF510-500については2024年春にJR貨物に移籍後の仕様が銀と青とどちらもリニューアルされるため、北斗星仕様もM13モーター版として近々リニューアル販売される可能性が高いと思います。となると、混成編成も合わせて最新仕様でリニューアル再販になるかもしれません。
なお、東日本大震災後から掲示されていた「頑張ろう日本、つなげよう東北」ロゴについては、社外品で出ているデカール等を入手することで再現可能です。
ED79-0については複数のタイプが商品化されていますが、時代的には函館側のパンタグラフがシングルアームパンタグラフに換装されたタイプになりますのでご注意ください。こちらも混成編成が再販される際には、再販になるかと思います。すでにメーカーのページは無くなってました。

あとがき

臨時北斗星上り最終列車の全車両

北斗星整備の第四弾は、最後のブルートレインとなった北斗星の最終編成を整備しました。
人気列車で限定品ということもあってか、このTOMIXの「さよなら北斗星」セットは今ではかなり高額になってしまったので、加工するのには少しためらいもありましたが、結局は色々加工してしまいました。さよなら北斗星としての価値はもう箱ぐらいしか無くなってしまいましたが、かっこよくなったので全然オッケーです!(笑

お恥ずかしい話、さよなら北斗星を買った当時は、北斗星にこれほどバリエーションがあったとは知らず、とりあえずこのセットさえ買っておけば大丈夫!機関車も一通り入ってるしオトク!ぐらいに思っていました。

…甘かったです。

その後、自分が乗ったときの編成がJR北海道編成だったことが分かり、それを再現するには別のセットを買う必要があり、特定車番があったにセットバラを調達してくる必要があり、、、という感じでどんどん沼にハマっていった感じです。そういう意味で言うと、私が北斗星を収集するきっかけになったセットでもあります。

臨時北斗星上り最終列車 @Re-Color

出来ればまた北斗星に乗りたいと思っていましたし、函館駅で入れ違ったカシオペアを見て、今度北海道に行くときはカシオペアに乗ってみたいねーなんて話をしていたら定期運行が無くなってクルーズトレインになってしまいましたが、北海道新幹線が札幌まで繋がったら、改めて新幹線で上野から札幌まで辿ってみるのも良いかもしれません。

北斗星1号の乗車中に函館駅でたまたま入れ違った札幌行きのカシオペア

これで北斗星としての整備は、残すところ2008年3月からの混成編成と、1988年からの北斗星1・2号(JR北海道編成)の2編成、あとはエルム1編成となりました。急行はまなすや快速海峡も14系、50系で買っているのでどこかで整備したいですね。2024年夏に発売されるゆうづるは買うかどうしようか悩んでいます。あけぼのもゆうづるも小さい頃に乗ったことがあるんですが、客車だったか電車だったかの記憶がないんですよね…写真とかどこかに残ってればいいんですが。

最近はちょっと忙しくてなかなか趣味に割く時間がなく、また間が空いてしまうかもしれませんが、次は個室車の多い混成編成を整備していきたいと思います。開放B寝台は骨が折れるので、またどこかのタイミングでコツコツ頑張ります…

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