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CMCオープンキャンパス私たちの-生き方と景観のつながり-

今回CMCオープンキャンパスと題して
デンマークのフォルケホイスコーレとも連携している私たちCMCとランドスケープデザイナー(※1)田瀬理夫(※2)さんの専門である循環する景観づくりをしながら、それぞれの生き方を探求する3日間の合宿型イベントを行いました。
今回このイベントを開催したのも、私自身CMCに参加していく中で
自然と共に、どのように生きていくか自分の中で問うたのがきっかけの一つでもあります。
現在は、パーマカルチャーデザイナーとして1年半活動していく中で見えてきたものをみなさんに共有しながら、
それぞれがこれからの未来をどのように歩んでいくのか。
共に未来を作る仲間が増えることを願ってこのイベントを開催しました。

また、岩手県の山間部である遠野にあるクイーンズメドウで20年以上景観づくりに携わる田瀬さんをお呼びして、この沿岸の地で海と山の循環をどのように生み出せるか。地域の景観をどのように取り戻せるかをテーマとして行いました。

1日目
田瀬さんの今までの活動と、社会の見方をレクチャーしていただきました。キーワードは「建築砂漠」「流域」の二つでした。
建築砂漠とは、都市でどこまでも増設され続ける建築物によって土はコンクリートに覆われ、ヒートアイランド現象を起こすことを示しています。建築砂漠化することで生態系は乱れ、大気や、海の汚染、植生は失われ、人の生活にも支障をきたします。
人はより快適な生活空間を求め、エアコンや車を使用し被害はさらに加速していきます。
流域という考え方は、山の峰から水脈が分かれる地点である“分水嶺”を起点にして、同じ水域内で水の循環が行われているということでした。

図1.河川用語集より抜粋(http://www.nilim.go.jp/lab/rcg/newhp/yougo/words/096/096.html)

それによって各流域ごとに植生が異なり、あるべき地域の姿があるとのことでした。私たちの暮らす広田町は、半島に属し、半島全体が一つの流域とのことでした。ここにしかない風土による景観づくりをしたいなと改めて感じました。
また、夕方から民泊を体験してもらいました。
地元の漁師の方との民泊体験は、びっくりすることが多かったようです。

図2.民泊の様子

大人数で同じ部屋に寝食を共にする機会も。
普段の生活では体感しない他の地域の人の暮らしの実態を目の前で聞いたり味わったりすることで、私たちが普段どのように暮らしているのかをより鮮明に体感することになりました。
また、参加してくれたメンバーの一人からは、「SETのメンバーとまちの人の関係性がとても素敵」という言葉もいただきました。それぞれ大切にする価値観は違えども、同じ町で共存していることへの驚きを覚えていたようです。
何かを排除するわけではなくどちらも包含して暮らしていけているのは、震災もあり、いろいろな縁がここまで続いた結果なのかもしれません。

2日目
午前はパーマカルチャーデザイン(自然と調和した暮らしづくり)の講義を私自身が行いました。
その後、地球にも、人にも優しいランチ「めぐる」※3をつくるみほさんの特性ランチをいただきました。誰がどこでどんな想いで生産したのかに思いを馳せ、団欒しながら美味しくいただきました。

午後はのテーマは「まちを歩く」
SETの活動メンバーの主要地域を一周歩くことで、各拠点の性質、植生や、建築物の過去を知り、地形や風、水の流れを体感しました。
また、パーマカルチャーデザイン場所を見学し堆肥造りや畑を見ていきました。
夜は、CMC7期卒業生のりょうくん(なりわいキッチンりょう)が作る欧風ビーフカレーを食べました。歌ったり、薪ストーブを焚べながら楽しい時間を過ごしました。

3日目
最終日は、2日間のことをもとに、自分達が暮らしたいまちを想像してマップにアイディアを残していきました。
最後に、3日間の振り返りキーワードを三つ挙げてみんなで共有し、それぞれの学びをもとの生活に持ち帰りました。


今回の出会いもご縁。その上で、これからもつながり続ける仲間だと思っています。
里山を一緒に作りたい、遊びたい、何か一緒にやりたいときでも、リモートワークをしながらでもなんでもいいのできてください。
また会えることを楽しみにしています!
この学舎で4ヶ月余白と豊かなつながりの中で、生きることをじっくり味わってみませんか?
加えて、自然と創る美しい景色を共に作る仲間もお待ちしています!


※1
田瀬理夫(たせみちお)●1949年東京都生まれ。千葉大学園芸学部卒業。造園施工会社勤務を経て、77年『プランタゴ』設立。遠野クイーンズメドウカントリーハウスを手がけて20年になる。その他の作品に「アクロス福岡」「地球のたまご」「5×緑」「徳島県・神山町の集合住宅」がある。

※2ランドスケープデザイン
外部空間の設計。造園。人間の知覚を前提とするランドスケープ(風景、景観、眺め)を造作物と一体的に構想し、自然環境と人間の良好な関係構築を目指す行為。(より抜粋現代美術用語辞典より抜粋)

※3めぐるとは
地球と共にある私たちの食によって、未来にも美しい「いま」が続くようにと願いを込めて作られているランチです。


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