未来という名の、過去になる。

またやってきたね。
アポも取らずにやってくるそれは、
君の心を壊すもの。


汚い靴で
初めて見るような顔で
よーく知っている顔で
土足のまま
大きなバットを引きずって、

それはやってくる。


引きずるバットの
心と擦れたガラガラという音。
君は不快で、
頭を抱える。


『まただ。』
『また来たんだ、大嫌いなアレが。』


今まで乗り越えてきたものが
積み上げてきたものが、自信が、
ボコボコになる。
そんな気持ちになる。

風を切って
フルスイングしている。
その手もボロボロになるほどに。


キラキラしたもの。

君自身が認めてあげてきた君。

誰かが褒めてくれた君。

ガラスみたいな大事な心が

砕けていって。

飛び散る破片に反射した
バットをにぎったその顔は
誰かの面を被った


『ぼくだ。』


君自身だった。


なんでだろうね。いつもそうだ。
一番傷つけているのは
ぼく自身だったりするんだ。

良かったね、それに気づけた。
その瞬間、
大暴れしていた仮面の手は止まり
座り込んで泣いている。

『こんなことがしたかったんじゃあないんだ。』
『我慢してしまったから。。』


傷ついた瞬間、
いつもの癖で我慢をしたんだね。
そうして、笑った。

笑った君は、
優しい君は、
そんな君を
また、許せなかったんだね。


瞬時に想像しただろう。
その場で泣いたり、怒ったり。
『傷ついたんだ』と伝えたら、
どういう風になるかを。

ねえ、
どういう風になるの?
ぼくに、教えてよ。


君を責める?うんざりされる?
怒られる?空気が悪くなる?


そんなのは、おかしい。
そんな世界は、おかしい。
絶対に、だよ。


傷つけたなら、『ごめん』。
そうなるはずなのさ。

けれど、そうならないのなら、
君が君に押し込まれてしまう。


ついた傷は
放っておくと化膿して、
どんどん悪化してしまう。

悪化して、どうしようもなくなった時。
現れるんだ、仮面のあいつが。

だからね?
もうそこにいることなんて、ないんだよ。
こっちへおいで。

ぼくが手当てしてあげよう。
きれいに治るように、
消毒をして、薬を塗って、
あったかいスープはどうだい?




その時君が
君を大事にできないのならば

ぼくが大事に守ってあげる。


だから、ほら。
手も見せてごらん?怖がらないで。

バットなんか振り回さなくたって、
十分に傷ついたんだから。

とことん優しい君が仮面をつけるとき。
それは、相手を責めたくないときだ。
自分のせいにしてしまおうと
さらに上から傷をえぐるように。


けれどね、
それは本当の優しさじゃあないさ。
君を傷つけるような人がつけた傷を
君がかばうなんて。


もう見ていられないよ。
だってぼくは、君が大切だから。
そんな人と一緒にいなくてもいいんだ。
選んでいいんだ。
君自身が。


君が主人公の人生を
生きて欲しい。

君が楽しいと思える道を
歩いて欲しい。

誰になんと言われても。


いつもそばで応援している。
そんなぼくがいることを
忘れないで。

弱くて優しい君が
笑って生きる未来を。
今から作っていこう。


過去は終わった、未来はわからない。
でも『今楽しい』の積み重ねが、
きっと未来って呼ばれる、過去となるんだろうって。
ねえ、ぼくは。
そう思うよ。

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#ぼくからぼくへ #手紙

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