見出し画像

英語が苦手だった私が大学院留学して、外資系コンサルで働くまでの話④(最終話)

前回まではこちら

イギリスと大学院生活の始まり

バタバタと渡英し、疲労困憊であったものの、ようやく大学院のガイダンスを迎えた。

ちなみに地理が分からない&スーパーが遠すぎるので、小さいNISAという日本のコンビニのようなお店で味のうっすーいカップ麺を買い漁り食べていた結果、フラットメイトに完全料理できないやつだと当時は思われていた。大きいスーパーまで歩いて30分である。遠すぎるとしか言いようがない。そして学生の移動手段といえば徒歩だった。不便さは極まりないが、不思議と歩きたくなる都市なのも魅力的ではあったのは今でもいい思い出である。

ガイダンスはビジネススクールにある複数のコース合同で行われた。

レクチャールームには大体150人くらいいただろうか。見渡す限り、アジア系、インド系、そしてヨーロッパ系がちらほらという割合だった。

予想以上にアジア系(中華圏)が多く、大体70%くらいを占めていた。このような学生は中華圏国内での戦いを捨て、海外で将来的な下克上を狙う人達なので、なかなか鼻息荒い人も多く、実家がお金持ちだったり、将来は外資系で働きたい人物が多かったりする。

当時、23歳になったばかりでまぁ最年少だと思っていた私は、自分より経験値の高い学生にも積極的に挑んでいこうと息巻いていた。職歴のある人も多いので、実務経験あったりする学生はなんやかんや場慣れしていたり、将来のイメージをより具体的に持っていたりするわけだ。

ガイダンスが進み、では隣の人と自己紹介をとのことで、スモールトークをみんな始め出す。私はこのガイダンス前日に、なぜかFB上のグループで私を見つけた元サムスンの韓国人お兄さんと仲良くなり、この日も一緒だった。せっかくだしネットワーク広げないとなと、韓国人お兄さんとは反対側の席の女性に声をかける。

彼女は大学からイギリスに来ており、そのままこの大学院まで、進んできたらしい。なんと21歳、、、 イギリスは大学が3年制で、大学院が1年制が主流なので、ストレートだとこの年齢になる。素晴らしい時間の投資術だと思った。

彼女からこの大学や、街の生活を大体教えてもらったりして助かった。余談だが、彼女とはこの頃から馬があってつるみだし、なんと今では妻となって一緒に日本で生活している。留学しに行ったのか、奥さんを探しに行ったのかよく周りにいじられたものだが、どちらも実ったので、私としては一石二鳥以上の投資効果を得られているに違いない。当時から彼女の聡明さと日本人とは違う前向きな考え方に非常に助けられており、留学も仕事もなんとか支えてもらってここまできている。

大学院のコース

私の選んだコースはミニMBAのようなコースで、体系的に経営管理を学ぶコースだった。マーケティング、アカウンティング、組織論、サプライチェーンなどなどだ。そして、一番この学校に来たかった理由は起業家用の授業あること。まぁケーススタディメインだが、多国籍の学生達とグループワークでディスカションやロールプレイが行われるといったものだ。

形式として1つのレクチャー(大講義)につき、1つのセミナー(議論用の小講義)というセットになっており、レクチャーで学んだ知識をもとに、セミナーで少人数でディスカッションやプレゼンテーションを実施するのが通例である。
単位についても、このワンセットを終え、テストやレポートの合格点をとることで取得できるわけだ。

コース自体の振り返りは別機会でもいいと思っているのだが、平均して1教科につき30から50ページの予習リーディングが必要になる。
やらないとついていけないし、厳しい教授だと授業から出ていけと言われる。

何故か何も予習していないインド人がペラペラ喋りまくり、教授もなるほど!その通りだね!みたいなことも何度かあったので、何がポイントだったかは未だに分からないこともある。

レクチャーとセミナー、そして時たま挟まれるプレゼンテーションやグループワーク、レポートを乗り越えて、ようやく卒業までたどり着けるのである。

このシリーズはダイジェストなので、コースや修士論文は別途触れたい。

就職活動の開始

就職活動は修士コースのだいたい半分が終わってから、ロンドンキャリアフォーラムや同じようなを目指して開始した。

全シリーズでもお話しした通り、狙いはコンサルティングファームである。
ただ、学部生時代に就職活動をしていないこともあり、情報と経験不足がネックだと思った私は、既に就職した大学の同級生に片っ端から何をやったか聞いた。

当時はKindle本の普及も少なかったし、webテスト対策用の本もイギリスに持っていっていなかったので、PDFを新卒エージェントに頼んで送ってもらったりもした。

留学生の陥りがちな罠といえば、就職活動への慢心、要は奢りである。
何故かは分からないが、俺って海外大学に正規留学してるし、どこの企業でも欲しがるでしょといった姿勢の人が多いのだ。
単純に企業側は留学生というパイの中で、選考を進めてくれるのであればある程度勝算もあるかもしれないが、結局は企業側も日本で採用する人材と天秤にかける。
英語ができる、国際経験がある=採用ではない。

タピオカ屋さんをオープンするとして、オーナーは競合をタピオカ屋さんだけだと考えがちだが、スタバやドトール等のカフェチェーンだって立派な競合なのである。
周囲にタピオカ屋さんがなければ一人勝ちなんてことは現実にもあまりないはずだ(物珍しさに飛びつく客はいるかもしれないが)

話を戻すと、留学生はある意味同じバックグラウンドで戦うので、留学以外の何かが訴求ポイントになる。

当時これを意識してない人が結構いたと感じたし、内定お化けと内定ゼロの差はここにあったと思う。

準備不足=即脱落という図式はどんな戦いにおいても同じである。

ロンドンキャリアフォーラムの流れ等は別記事をアップしてあるのでそちらをご参考いただきたい。

結果的に、業界はバラバラながらも何社かキャリアフォーラムで内定をいただき、当初から目標としていたコンサルファームに晴れて内定が決まった。

海外大生用選考の余談

言いたいこと①
巷では、学歴ロンダリングなんて言葉もあるが、別に日本という偏差値神話が中年以降も横行するマーケットだけに当てはまる話だと思っている。
総合職といった一斉に新卒を大量採用する方式では、学歴フィルターが1番早い。それも一理ある。
ただ、大学院って学部より遙かに勉強しなければ卒業できないわけであり、モラトリアムなんて呼ばれている大学生活とは正直縁遠い。海外大学院なら尚更である。
あいつは学歴ロンダリングだから、頭が良くない、もともと偏差値が低い大学だしなみたいな風潮も分からないこともないが、世界を見渡せばそんなことはない。単科大学のカレッジから、総合大学のユニバーシティに編入するのはアメリカでも普通のことであるし、そもそも人の努力を笑うような場所など選ぶ価値もないのである。
残念ながら、社会人の大部分は大学入試の結果に依存しない。ステップアップしたいなら学歴ロンダリング上等である。

言いたいこと②
日本の就職活動での採用倍率はものすごく高い。就活生が一斉にエントリーを送ってくるので、1万人の募集がある企業であれば、面接にたどり着けるのはそもそも20%くらいではないだろうか。内定が出る数で言えば、さらに全体の1%以下だったりするわけである。そもそも門戸が狭い。大企業であればあるほど、各就活生の特徴など見る暇もないので、色んな観点でスクリーニングされた結果、バサバサと切られていく。ただ、留学生採用であれば応募者の全体パイが限られているので、狭い門戸という点は変わらずとも競争倍率は国内よりは低い。そして、国内の就活生に比べ準備不足な学生も多いので、準備さえできていれば、そうそうに他学生に負けることはない。あとはぶっちゃけ企業との相性である。

終わりに

さて晴れてコンサルファーム内定が決まり、あとは無事に卒業できるかであったわけだが、そこも色々ありつつもなんとかクリアした。割と駆け足、かつ間が空いてしまったわけだが、外資系コンサルで働くまでの話としては、一旦終わりである。

次以降の記事では、コンサル1年目がつら過ぎた話でも書くとしよう。

終わり


この記事が参加している募集

スキしてみて

サポートいただきありがとうございます!フォローもぜひ!