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子どもの安らぎの場、家庭の応援団――預かり保育「にじ組」|白梅幼稚園(小平市)の日常 #3

「ただいま!」「おかえりなさい」。
幼稚園の教育時間が終わる午後2時ごろになると、各クラスから続々と子どもたちがにじ組のお部屋へ「帰って」きます。工作や虫、草花など、お土産を片手にしている子もいます。

子どもたちは入室すると、まず着替えをして気持ちを切り替え、横になって身体を休めます。すぐに眠ってしまう子、しばらくゴロゴロしている子、とにかくじっとしている子――。横になるだけでも、子どもたちなりの過ごし方が見えてきます。

午後3時。お楽しみのおやつの時間です。
「今日は何のお菓子かな?」。眠い目をこすりながら起きてきます。年長組はなかなか目が覚めない小さい子を優しくトントンと起こしたり、大きなタオルをたたむのを手伝ってくれたりします。

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おやつを食べ終わると、それぞれ好きな遊びへ向かいます。

大きなブロックを積み重ねて壁をつくり、できあがったおうちの中でのんびりしたり、ままごとコーナーではパーティーが始まり「かんぱーい」という元気な声が聞こえてきたりします。

一方では、黙々とレールをつなげて数人で電車を走らせたり、1冊の図鑑を、友だち4、5人で頭をつきあわせてのぞき込んだりしています。

最近、人気が高いのは「虫かるた」です。クラスや学年の垣根を越えて共に遊んでいます。大人数の時は園ホールも使って、広々した空間でのびのびと遊びます。

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夏休みの暑い日には水遊びをしました。園庭に出てセミやバッタを捕まえたり、セミの抜け殻をたくさん拾ったり、汗をかきながら鬼ごっこをしたりしています。白梅学園の構内をお散歩して、サクラの木々が並ぶ傍で草花を集めたり、中高生がグラウンドで汗を流す姿に見とれたりしています。

夕方には一旦、みんなで集まり、お互いの顔を見ながらお名前を呼びます。その後は、絵本を見ながら静かに過ごすこともあります。

お迎えの時間。保護者の顔を見つけて笑顔になる子、照れてはにかむ子、時には遊びに夢中で「まだ遊びたい!」と帰りたがらない子もいます。子どもと保護者の方の安心された姿を見て、私たちスタッフがホッとする瞬間です。

このように、園では、午前7時半から教育時間(通常保育)の開始までと、教育時間後から午後6時半まで、預かり保育をしています。「にじ組」には、保護者の方が子どもの今日の幸せを願いながら、朝早く園に預けて出勤し、仕事を終えて迎えた時の安堵する姿があります。

子どもも朝、保護者を送り出し、自らの力で一日を過ごし、夕方、保護者を迎えて表情をほころばせる姿があります。このような姿から、保護者も子どもも日々奮闘していることが伝わってきます。

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預かり保育の利用の仕方は、家庭のライフスタイルの変化によって変えることができます。園では年ぎめや月ぎめの定期利用や、日ぎめの単発利用が可能です。仕事をするようになって定期利用を始めたり、状況や家族構成が変わって月ぎめから日ぎめに変えたりすることも可能です。

この預かり保育(にじ組)が、子どもたち一人ひとりにとって安らげる場所であると同時に、親子や家庭の応援団になりたいと、スタッフ一同願いながら日々過ごしています。

【書き手】玉井三津・白梅幼稚園教諭。幼稚園の先生になることは、子どもの頃からの夢でした。2人の息子がお世話になった白梅幼稚園で小さい子どもたちと過ごす毎日がとても充実しています。子どもたち一人ひとりの成長を感じる瞬間が一番の楽しみです。

保護者から

年中組 保護者 福川祥子
にじ組のお迎えに行くと、遊びの豊富さに驚きます。
教育時間のクラスで警察ごっこが流行しているときは、にじ組でも遊びを延長させて、失くし物カードを作って宝さがしに発展させていました。

同じ素材でも年齢によって別の遊びをしていることがありました。娘は段ボール板に毛糸を巻いて模様を作っていたのですが、その隣では、年長さんが毛糸で指編みをしていました。その年長さんの姿に娘は憧れています。ホールでゲームをしていたり、洗濯ばさみでドレスを作ったりもしていました。

恐竜ショーをした時は「明日はもっとたくさんのお友だちの前でやってみる?」と先生から挑戦を促してもらえます。先生と一緒に一番星を外で見ていることもありました。

「子どもが好き」という気持ちを持った先生方が、子どもの成長や個性を受け入れ、その子に合わせて丁寧に関わってくださっていることが伝わります。娘の心が満たされているおかげで、安心して働けます。日々感謝しています。
年長組 保護者 坂井慶子
上の子二人に続き、三男も今、お世話になっています。初めは、子どもを長く預けることに不安もありましたが、一人ひとりの特性や体調にも気を配ってくださる温かい雰囲気に、不安はすぐに安心感へと変わりました。

にじ組では、他学年の顔なじみができます。私も、知らない子から「あっ、〇〇くんのお母さん!」と声を掛けられることがあります。三男も、家にはない役目や遊びもたくさんあったりして、貴重な経験ができると思います。お迎えの時に先生から聞くその日の様子から、我が子の意外な一面に気づかされることも多々ありました。また、育児経験も豊富な先生方が、送迎時のちょっとした時間に様々な育児不安にも優しく助言してくださり、子どものみならず親も育ててもらったと感じています。

幼稚園で、お待ちしております!

9月白梅

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