見出し画像

ふり返りがもたらすもの

おはようございます、coaaachです。

今日は、新学習指導要領に移行して、ますます脚光をあびている「ふり返り」について考えてみたいと思います。

ぼく自身、初任の頃から授業にふり返りの時間を設けていました。何となく大事なもの、授業の最後にやっておいた方がいいもの、そんなイメージでした。

しかし、心の中ではずっと、子どもの学力に結びついているのか…どうすれば意味のあるふり返りになるのか…なんてことを思い続けていました。

以前もご紹介したこちらの『自立する子の育て方』。この本の中に、ふり返りの大きなヒントが書かれていました。


1.そもそも「ふり返り」って何のため?

結論から言うと、ふり返りの目的は、メタ認知能力を鍛えて自律する子を育てるためです。

自らの手で自分を成長させていくことができるって、いちばん理想の状態。まさに、育てたい子ども像です。

もう少し詳しく紐解いていきます。

この本のテーマは「自律する子」。自律を「自分で考え、判断し、行動できること」と定義しています。

そして自律する子を育てるために、不可欠なスキルが「メタ認知能力」です。青砥さんによると「自己を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能」だそうです。

これ、まさに「ふり返り」をやる意味ですよね。自分の学びを俯瞰的に捉えたり、自分のことを見つめ直したり。それが積み重なって成長していくわけですよね。

ぼくはこの「ふり返りはメタ認知能力を鍛えて自律する子を育てるため」という捉え方で落ち着きました。他にも教育的意義があるのかもしれませんが。(あったら教えてください!)


2.どんな「ふり返り」をすればいいのか?

まずは自分と向き合う訓練から。次に、点と点をつなぐ練習。そうして小さな成功体験を積み重ね、自発的に自分の課題を見つけて対策を考えられるようになると書かれています。

授業や活動、行事の後のふり返りは、自分と向き合う訓練に当てはまると思います。

ここで大事なのが、否定的に考えないことです。どうしてもふり返りを書くとき、反省点を求めがちですよね。

しかし、人はマイナス面を考えやすい傾向にあるから、むしろプラス面に目が向くよう仕向ける必要があると。失敗も成功も成長の糧にしていく、ポジティブなふり返りが大事だったのです。


3.おすすめの実践

ポジティブなふり返りを繰り返すことで、小さな成功体験を積み重ねていく。これを実現するためのおすすめの実践を紹介していきます。


(1)振り返りジャーナル

1つ目は、振り返りジャーナルです。以前の「学級内に心理的安全性はあるか」の記事でも書きましたが改めて。

授業ではふり返りをするのに、日々の生活や学活、行事はやりっぱなし。それではもったいないと思い、A4ノートを半分に裁断したものに、欠かさずふり返りを書いてもらっています。

今回のことで言えば、テーマ設定の工夫次第でポジティブなふり返りが書きやすくなると思います。

こちらは入手困難でかなり高額になっています…

こちらの本でも振り返りジャーナルについて書かれています。


(2)振り返りムービー

2つ目は、振り返りムービーです。こちらも改めて。

ぼくの学級では、学期ごとに撮りためた写真をムービーにして上映しています。日々の生活や行事などをふり返りながら、「あんなことあったね」「これまたやりたいね」なんて話しながらみんなで見ます。

この時間、本当に温かい雰囲気に包まれます。子どもたちからも大好評の取り組みです。みんなでポジティブにふり返ることができます。


(3)さよならメッセージ

3つ目は、さよならメッセージです。大空小学校元校長、木村泰子先生の記事を読んで知りました。

帰る前に、子どもたちが10行分のメッセージを書きます。先生は子どもが書いたさよならメッセージを読みますが、赤ペンやコメントを入れません。

それは子どもの事実がすべてだから。教師が勝手に書き込んでいいものではないと。木村先生は「子どもの事実」を大切にされているなといつも感じます。


ちなみに、木村先生のこちらの本。教員になる直前に読み、今でも自分の教育観を支えています。超絶おすすめの本なので、ぜひ読んでみてください。


(4)ハッピー・サンキュー・ナイス

4つ目は、クラス会議で取り組みの多いハッピー・サンキュー・ナイスです。クラス会議をやっていなくても、このは取り組みはいつからでもできます。

内容はシンプルで、その日にあったハッピー・サンキュー・ナイスな出来事を発表し合うというものです。言う子も、言われる子も、聞いている子もなんだかほっこりする温かい時間です。

まさしくポジティブなふり返りができる時間ですね。

ぼくのクラスでは、ハッピー・サンキュー・ナイスをまとめて、帰りの会に日直が「今日のMVP」を発表しています。

そして、選ばれた人に向かってみんなで「ナイス!」と言います。いい雰囲気で帰りの会がしまるのでおすすめです。

(5)学びの履歴

5つ目は、学びの履歴です。樋口万太郎先生の著書「子どもが学びだす算数授業」を読んで、とてもいいと思ったのでご紹介します。

①授業の最初に「今日の計画」を自分で書く

②授業終わりに「何に取り組んだのか」をふり返る

④「次の時間にすること」を書く

この3つをタブレットの1ページ(ノートやプリントでも可)にまとめるというものです。

子どもたちの学びが履歴として蓄積されていくのがいいですね。後で履歴を見返すと、自分の成長を実感できるのがいいなと思いました。

詳しくはこちらの本を読んでみてください。おすすめです!


ということで、今日は「ふり返り」について考えてみました。

まだまだ学ぶことがあると痛感する日々です。でもそれが楽しくてしかたない!できることからどんどん取り組んでいきたいですね!

今日の話が少しでもみなさんのお役に立っていれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?