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マイルス・デイヴィスはいかにしてジョン・コルトレーンを雇ったか

How Miles Davis Hired John Coltrane - by Ted Gioia

コルトレーンの麻薬癖は有名だが、それが元で仕事をクビになった後不安定な流しの仕事をしていた時期があった。
一方そのころ、マイルス・デイヴィスのバンドメンバーであったソニー・ロリンズとジョンギルモアが離脱していた。穴を埋めるため、マイルスの相棒であるビリージョーがコルトレーンにコンタクトを取りオーディションを受けることになった。
コルトレーンは「これが大物になる(最後の)チャンスだ」と意気込んでオーディションに臨んだものの、結果は散々であったらしい。デイヴィスはあまりお喋りをしないたちなのだが、コルトレーンは孤独に過ごす中で音楽的疑念が高まっていたため、二人の出会いは最悪に近いものだった。

「コルトレーンは、自分が何を弾くべきか、何を弾くべきでないか、クソみたいな質問ばかりするんだ。俺にとっては、彼はプロのミュージシャンだったし、俺と一緒に演奏する人には、いつも音楽の中で自分の居場所を見つけてほしかったんだ。だから私の沈黙と邪悪な視線は、おそらく彼の気を引いてしまったのだろう」

マイルス・デイヴィスの当時についての述懐

数日リハーサルを行ってコルトレーンは自信を失いフィラデルフィアに帰ることを告げたが、バンドのレパートリーを完璧にこなせる人材はコルトレーン以外に居なかった。だからマイルスの側が折れて「バンドに加入してくれないか」と懇願したそうだ。ゲンキンな話である。

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