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飛行機に乗れなかった人

今回はただのcoboushi女将旅日記です。オランダを大満喫してご満悦だった家人に大事件が!

我々は行き当たりばったりのボケーっとした夫婦なので、旅は大体珍道中。これまでも旅行中に、様々な困ったことに遭遇してきました。

今回もやらかしましたよ。まずことの発端は、日本に帰国するのにPCR検査が必要だと知らなかったこと。2023年5月からは、PCRの陰性証明もワクチン接種証明も入国に必要なくなりましたが、私たちが旅行に行ったのは4月。ギリギリ手前でした。そんなこと全然知らなかった我々夫婦。出国前日の空港ホテルで、「あれ?日本に帰るのにPCR必要?」と慌てだしました。

というのも、私は長年飲んでいる持病の薬がワクチンの効果を抑制するので、医師の判断で接種を保留しました。(そのうちコロナが弱毒化して打つ必要もなくなった)家人は2回接種しましたが、あまりの副作用のしんどさに3回目の接種は見送りました。

ワクチン証明がないということは、帰国前に海外のどこかでPCRをして陰性証明を取らなくちゃならないということです。あまりの面倒くささに、めまいがしました。海外は全くフリーダムで行けるというのに、日本政府よ何無駄なことやってんのかね。

しようがないので、5日の夜ブリュッセル発フランクフルト経由で帰る家人は、当日早めにブリュッセル空港に行ってPCRのラピッドテストを受けることにしました。4、5時間で結果が出るタイプのものです。(値段が高い)私は8日にブリュッセルから帰る予定でしたので、家人と一緒に空港に行き普通のPCR検査を受けることにしました。こちらは平均48時間で結果が出るとのこと。

いよいよ森バトのぽっぽちゃんともお別れして、高速鉄道タリスに乗り込みました。海外ではお決まりの遅延が生じましたが、時間はたっぷりあるので心は悠々です。楽しかったオランダ旅行を振り返って余韻に浸っていました。

オランダの中央駅中で最後のスタバ。自転車道路、普通の道路、そして海が見える。
サイコー

空港に着いたときは、少し時間がなくなってきたけど、まだまだ大丈夫という感じ。ネットで事前に調べた地図に従って、PCR検査場に行きました。順調だったのはここまで。検査場の若い男の子に家人が携帯の予約画面を見せると、「今日はマシーンの不具合でラッピドテストはできないんだよ。今日の検査結果は最短で明日の朝さ!」と、しゃあしゃあとのたまうではありませんか。

この時の家人の狼狽具合と怒り具合を、皆様想像してみてください。まあまあ、日本語で怒りまくること。「何でメールで一報ないんだ。」とか、「いいから証明書出せ。」とか(苦笑)。そして私に通訳せよと言う(苦笑)。まあ一応伝える私も私だけどさ。「そんなことできるわけないだろう。ちゃんとラボに出さなきゃならないんだから。」と、男の子。そして、ブリュッセルの街で一軒だけラピッドテストをやっているところがあるから、そこに行けと言う。

まだ食い下がる家人に「そんなことしているうちに街のテストセンター閉まっちゃうよ。17時に閉まるんだから。」だって。こうして思い起こすと笑っちゃうやり取りですが、その時の私たちはど真剣でした。とりあえず、私だけテストを受けて、タクシーに乗り街中へ。英語があまり話せない気のいいおじいちゃんがドライバーでした。

空港から街中へと向かうタクシーの中。乗車時間は20分ほど。もう日が傾いてる…

無事にブリュッセル市内の検査場にたどり着き、家人を下ろし私は駐車場でおじいちゃんドライバーとのんびり。片言の英語でコミュニケーション。和やかな時間が流れる中、ふと携帯を見ると家人から連続して連絡が入っています。嫌な予感。案の定、「検査できないって!」と言う悲痛なメッセージがズラーっと。

慌てておじいちゃんに事の次第を説明すると、「大丈夫だよ」と言いつつ検査場までついてきてくれました。私の肩を抱きながら(笑)。検査場では今週末日本に来ると言うベルギー人の男性が、間に入って検査員と家人のコミュニケーションをとってくれていました。私が到着した時には、「しようがないね。ラピッド検査できないらしいよ。」とのこと。多分散々やりとりした後だったのだと思います。

私が、今日検査したらいつ結果が出るの?と検査員らしき男性に聞くと、「明日の夜」と一言。今思うと目も合わさないし、ぶっきらぼうで取りつく島もない感じでした。もう、こうなったら飛行機を変えてもらうしかないと、おじいちゃんのタクシーに乗って空港にUターンです。PCRは結局空港で受けることにしました。

おさまらないのは家人です。というのも、空港で家人がまた検査を受けに行くと、例の男の子が驚いて、「どうしたんだ?」と尋ねてきたそうです。事の顛末を伝えると、そこで検査できないはずがない、何人もそこで受けた、あとで電話しておく、と言っていたらしく、また家人の怒りに油がドボドボと…。

「あいつ(街の検査員)は自分が仕事を早く終えたいがために、検査をしなかったんだ」とか、「人種差別じゃないか」とか、「あいつの怠慢だ」とか。最後には「あいつに文句を言いにベルギーに戻るために英語を勉強する!」と固く決意していました。

結局航空会社の取り計らいで、次の日の飛行機に乗せてもらえることになりました。でも、ビジネスクラスからエコノミーに転落。ここまで散々色々なことがあり、私は疲労困憊でした。もう飛行機に乗れるだけで、ホッと胸を撫で下ろしていました。家人もそうだと思っていましたが、横で疲れを忘れたように航空会社とやりとりし始めた…。結局プレミアムエコノミーに乗れることになりました。(でも3席並んでいる真ん中だったらしい)すごい気力と体力だ。

空港内のスタバ。航空会社とのやりとりは携帯だったので主にここでやってました。
国内外で頼りになるスタバです。(アメックスも使えるし)

そして今夜は私が泊まる予定だったホテルへ。ベルギーでは、一人だと思って良いホテルを取っていたのですが、図らずも家人も泊まることになりました。

そして…話はこれで終わらなかったのです…。


心配して検査場まで肩を抱いてついてきてくれたドライバーのおじいちゃん

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