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現状から考える未来なんて当てにならない

将来のために、いろいろと考えて計画を立てて、コツコツとこなしていくことは大切だ。
やるべきだ。
けれど、当てにしてはいけない。
当てが外れた時のことも、想定しておかなければならない。

こういう世の中になって、本当に未来は当てにならないと思う。
いや、こういう世の中になって、ではない。
現状がこの先ずっと続いていくと考えてしまうけれど、それは幻想だ。
これまでのどの時代を切り取っても、激動なのだ。
たかだか、ここ20年~50年のスパンでこうだったから、というのは、全くもって当てにならない。

例えば光熱費だ。
こんな風に、電力が高騰し、既存契約の単価まで変わってくると、深夜電力の低価格がずっと続くことを前提にしてきたオール電化住宅の光熱費は、大きな誤算を生んでいることになる。
オール電化を建てた人はお気の毒だ、で済む話ではない。
もちろん、太陽光パネルなどで発電している人は、もう少しましかもしれなけれど、それだって将来のパネルの廃棄コストを見込んでいる人はどのくらいいるのだろう。
うちの冬の熱源はガスなのだけれど、料金表を覗いてみれば、12月と比べて1月の単価は約1.8倍となっている。
そんな兆候は、2年前から現れていたんだけれどね。

光熱費が上がるということは、当然、あらゆるものの値段が上がっていく。
物価が、例えば2倍になるのであるとすれば、逆に見れば、貨幣価値が半分に下落していることと同意義になる。
これまで、貯めてたお金の価値も半分になる。
老後2千万円問題は、老後4千万円問題に変わる。

こんな風に、がらりと変わる。
コツコツと計画をして、頑張ってきた人生設計が根底から崩れてくる。

こうなると、すべてを考え直さなければならなくなる。
まずは、早急に収支を整える行動に移らなければならない。
自分の収入の単価を見直して、交渉し始めなければならない。

自分の収入の単価が倍になれば、生活コストが倍になったとしても、すぐに困ることはない。
これを事業で考えると、売上単価を倍にしても、それを理由に離れていく顧客は、半分にまで届かないと言われている。
すると、実質的には、手元に残るお金は増えることになる。

おそらく、今の総理がやろうとしていることはそういうことなのだろうと思う。
これは、末端からやっていかなければいけない。
これまで、会社や元請先のいうがままに、押さえつけられてきた末端の人々が、勇気をもって声を上げていかなければいけない。
その声に、応えなければいけない流れを作ろうとしているのだろう。
実際どうなるかはわからないし、それをするのは、とても怖いことだ。
けれど、それができないと、生き残っていけない流れがやってきている。
どちらを選ぶかだ。

収入と費用の単価がともに倍になるのであれば、実施的には、これまでとあまり変わらないことになる。
昔の初任給は15万でさ、と思い出話をした時に、えーそれじゃぁ、ジュースも買えないじゃん、と孫に笑われる時代になるのかもしれない。
実際、1950年の大卒の初任給は、4,223円だ。
たった70年前の話だ。
http://dankaisedai.co-suite.jp/memory/prices_showa/inrex.html

1970年で31,510円。
1980年で114,500円。
1990年で169,900円。
2000年で196,900円。
2010年で200,300円

https://nenji-toukei.com/n/kiji/10021

こうしてみると、物価が上がることは怖いことでも何でもない。
これまで、ずっと上がり続けているのだ。


プラスの面もある。
物価が倍になるということは、借金は半分になる。
3,000万円の借金は、1,500万円になることと同義だ。
国の借金も半分になる。
詐欺みたいな話だ。
今まで、ずっとそうやって借金を帳消しにしてきたんだ。

徳政令、金本位制度からの移行、固定相場制から変動相場制へ。

金貨、銀貨から、紙幣へ。

物々交換から、貝殻へ。

税も変わってきた。

米からカネへ。
それ以前は、労働や兵役もあった。

変わってきたのは、人が作った人為的なものだけだ。
お米の本来の価値は、何も変わっていない。
自然は自然のままだし、モノはモノとしての価値はそのままだ。
自然のもの、生み出したもの。いろいろなものに、権利や評価をくっつけて、右往左往して大騒ぎしているのは人間だけだ。
もともとの自然は、誰のものでもなく、そこにただ生息しているのだから。

さて、話が反れてきた。
未来なんて当てにできない、がタイトルだった。

未来は現在の延長にはない。
未来は、現在とは違うところにある。
けれど、同じところもある。
変わるのは、人が作る世の中。
変わらないのは、本来の自然。
そんなことを念頭に置きつつ、変わりゆくも、変わらない、この世界を生きて行こうじゃないか。


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