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「お前、可愛いな」。

美人と不美人の2つに分けるなら、間違いなく私は後者で全くの事男好きするタイプでは無い。子供の頃も若い頃もだ。

そんな私のことを「可愛い」と言ってくれた男が2人いる。それは夫とノブヒロくんだ。ノブヒロくんは同級生の弟で私が6年生の時に3年生だったから3才年下だ。

その同級生とは特に仲が良かった訳でも無かったけど、日曜に「うちに遊びに来ない?」と電話が時どき来て、断るほど忙しい身分では無かったので遊びに行った。遊びに行くとノブヒロくんもいた。

同級生の部屋でお喋りをしたり、リビングに行ってお母さんとも話したり。

ほんの少しの時間、同級生もお母さんも居なくなって私とノブヒロくんだけになった。その時、ノブヒロくんがふいに「お前、可愛いな」と言った。会話も何もしてなかったので、脈略も何もない。普段は「お前」と言われることが嫌いなのに、その時は何だか胸がキュンとした。

ちょっと凹んだ時は、褒めてくれた言葉を思い出して思い出してみる。思い出してみる。


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