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母の短歌・静謐

夜おそく
卵茹でをり
鍋底に
触るるその音
厨にひびく

 自分が秋らしいと思った歌を選んでみました。
こういう時間って空気が澄み渡っている、そんな感覚がありませんか?

これを読んで思い出したんですが、実際私は寝床から這い出して、台所に立ってる母の後ろ姿を見た事があります。
こちらが声をかけるまでしばし間があったと思います。母はどういう事を考えていたんでしょうか。
何かを共有したような不思議な一体感があり、いつもより素直な気持ちでやりとりをした記憶があります。

この歌は『静謐』の持つ空気感とその効果を静かに表した歌だと思っています。
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とにかくやらないので、何でもいいから雑多に積んで行こうじゃないかと決めました。天赦日に。