BMW at the age of 24

うちの母は温厚で優しさの塊みたいな人で、今までわたしがしたいこと全部肯定し応援してくれていて、ダメと言われたことを思い出せないくらいだ。
そんな母と最近、初めてといえるレベルで喧嘩をした。

その原因はマイカーだった。

車社会のアメリカ、まして電車の通っていない田舎で生活するためには、車が必要不可欠であり、車の再生活を一年近く頑張ってみた上でこれ以上無理だと思っての相談だった。

もちろん、学生という身分で、留学させてもらっている立場上、車が欲しいから買ってくださいなんてそんな贅沢なわがままは言えない。まして異国の地で左ハンドルの車を運転するなんて度胸のいる話だ。

でも私が自分の車が必要な理由は明確にあって、理由を説明すればわかってもらえると思っていた。
まず、理由1、時間の短縮。田舎のためスーパーが歩いて行ける距離になく、車だと10分くらいのところ、バスを使うと往復1時間半かかること。シンプルに時間がもったいない。

理由2が本当の理由。車を持っている友達はだいたい男の子で、乗せてと頼むと面倒くさい。
これにはトラウマがあって、買い物に行くから乗せていくよと言ってくれた男の子が帰り道わざと遠回りをして私の知らない道から帰った時、どこに連れて行かれるのだろうという恐怖心に襲われた。何もなかったならいいじゃん、という話ではなくて、その日から男の人が運転する車の助手席に乗るのが怖くなった。

私がショックだったのは、あれほど怖い思いをしてトラウマになったことが母には伝わらなくて、理解されなかったことだった。
おまけに母は車が欲しいなら車持っている人と付き合えばいいじゃん、と言った。
ありえない。話の本質が違う。ショックだった。じゃあママはスーパーに行きたいとき近所のおじさんに乗せてくださいって言う?と返した。彼氏を車を持っているか持ってないかで選べというの?


わがままで贅沢だということはわかっている。でも私のメンタルが持たなかった。
長引く交渉の末、私はfourthhandぐらいの中古のBMWを手にした。
自由だ。可愛げがないと言われようと私は自分が行きたいところには自分の運転で行く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?