逆境を楽しむとは…

<2020.02.10.投稿>

旦那さんの趣味は多い。
その一つがプロレス観戦だ。

旦那さんと一緒に過ごすようになって、私は初めてプロレスというものをテレビで見るようになった。
初めてプロレスをみた時は、あまりの痛々しさに見てられなかった。この人たちはどうして殴り合っているのだろうか。今、逃げれたよね?!なんで逃げないの?!あーー痛いーー!!本当に死んでしまうのではないかとヒヤヒヤした。

昨日、久しぶりに旦那さんと2人でネットでプロレス観戦をした。痛々しさにはもう慣れた。プロレスには「受ける美学」というプロレス特有の美学があるらしい。

昨日のプロレス観戦で1つ、私にとって大切な学びがあった。

ある試合で、選手がずーっと笑っていた。
相手に殴られて、叩かれて、踏みつけられて、それでもずっと笑っていた。逆境に立てば立つほど、彼は嬉しそうに笑った。

この試合が心から楽しい。
プロレスというものが好きで好きで堪らない。

全ての状況を余すことなく彼は使っていた。

苦しい時に苦しい顔をするのもエンターテインメントだろう。そんな選手の逆境に、観客は大きな声を出して応援したくなるものだ。
でも私は個人的には、苦しい時にニタリと笑う奴が好きだ。「もっと来い」「もっと苦しめてみろ」。気味悪い、を通り越して、強いと思う。

痛みも苦しみも逆境も、全部自分の糧にしてやる。
糧になるって分かってるから、「もっと来い」って笑ってられる。

妊娠して、この妊娠という経験を楽しもうって思ってた。
でも実際は、一日一日の身体の変化に戸惑い、楽しむどころか、不安になったり『もう嫌だ』と投げ出したくなったりしてばかりだった。体調だっていつもいつも絶好調とはいえない。普通につらい。おめでたいことなはずなのに、幸せなことのはずなのに、それ以上に体調が目まぐるしく変化して疲れる。そんな状況に正直戸惑っている。

でも…

妊娠という貴重な経験。
しんどくても、苦しくても、辛くても、それが全部私の人生を色濃く豊かにしていくと私は信じている。
幸せを感じる瞬間をどう切り取れるか、そして苦しさをどう転換するか、辛さをどう乗り切るか、全部ひっくるめて「楽しんでやろう」「面白がってやろう」ってもう一度決めた。

妊娠だけじゃない。
最近は仕事も家事も、やらなきゃいけないことばかりに目を向けて、義務感ばかりが募って「楽しむ」「面白がる」という気持ちが薄れていた。

ああ、なんか、すごく大切なことを思い出せた気がする。そうだった。私は「楽しむ」のが下手くそで、でもそれが出来るようになりたい、そんな人生を送りたい、そう思ってたんだった。

私がプロレスを見て感化されるなんて、5年前の私は想像すらしていなかった。人生何があるか分からない。

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