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【基礎編:くすみ】そのくすみ、美白ケアだけでなんとかしようとしてませんか?

こんにちは!COCO.libraryのまなかです!

突然ですが、こんなことありませんか?
● 日によっても、1日の中でも「なんだか顔色が悪いかも」と思うときがある…
● 顔色を明るくしたくて美白ケアを取り入れてみたけど、あまり改善がされない…
● ぐっすり寝たはずなのに顔色が良い日と悪い日がある…

上記の症状は、くすみの一例と思われます。
「くすみ」と、一言でまとめてしまいましたが、その要因も様々あり、要因によって対策もそれぞれ変わります。

そこで今回は、様々なケア方法からご自分に合うくすみケアを色々試せるように、くすみの基礎知識を記事にまとめてみました!



そもそも「くすみ」とは

一般的なくすみのイメージ

「くすみ」と聞いてどんな肌状態をイメージするか?
を記述式で確認したアンケート¹⁾では、以下のような回答が多くあり、
人によって「くすみ」に対する肌状態のイメージは様々のようです。

図1:くすみのイメージ
参考:「くすみ」と聞いてどんな肌状態をイメージしますか?, ミルトーク, 株式会社マクロミル 

化粧品業界では、どのような状態を「くすみ」と定義しているのでしょうか?


化粧品業界でのくすみの定義

くすみという現象は複雑で、実は明確な定義はありません。
ざっくりと説明すると、くすみは肌の明るさが低下した状態を指しています。
1995年に日本化粧品工業連合会から定義案が提出されていますが、
そのなかでは、以下のような言葉で表されています²⁾。

● 顔全体または眼のまわりや頬などの部位に生じる
● 肌の赤みが減少して黄みが増す
● 肌のツヤや透明感が減少する
● 皮膚表面の凹凸などによる影によって明度が低下して暗く見える
● 境界は不明瞭である

今回は、これらを基に「くすみ」についてお話していきます!


「くすみ」の発生要因

定義案では、6つのくすみの発生要因が示されています。
これらの6つの要因が単独または複数関与することで、くすみとして認識されると考えられています²⁾。

【くすみの発生要因】

1.血行不良による肌色の赤み低下
2.慢性的なメラニンの沈着
3.皮膚の弾力が低下することで生じる皮膚表面の凹凸の影
4.角層の肥厚による透明感(光透過性)の低下
5.肌表面での乱反射によるツヤの低下
6.加齢に伴う皮膚の黄色化


くすみが発生するメカニズム

では、くすみの6つの発生要因のメカニズムを1つずつ解説します。

1.血行不良による肌色の赤み低下

血液は、赤血球中のヘモグロビンという赤い色素によって赤く見えています。
ある研究報告では、血液中のヘモグロビン濃度が増加すると、肌の赤みの増加、また肌の明るさ、透明感の向上を感じさせる、ということが報告されています³⁾。
また他の研究でも、肌や顔において適度な赤みが肌を白く感じさせる、という報告があります⁴⁾。
これらを踏まえると、血行不良によるくすみは以下のメカニズムが考えられます。

①血行不良によって、ヘモグロビン濃度が減少
②肌の血色(赤み)が低下
③肌の色が暗く見え、くすんだ印象につながる

図2:ヘモグロビン濃度の違いによる色の違い(イメージ)


2.慢性的なメラニンの沈着

メラニン量が増加するほど透明感が低下するという関係性は、以前より様々な研究で確認がされています⁵⁾。
メラニンの沈着によるくすみは、以下のメカニズムが考えられます。

①紫外線や摩擦、ホルモンバランスによってメラノサイトが活発化
②メラニン(褐色)が過剰に生成・散在することで、肌の透明感が低下
③肌の色が暗く見えたり、色ムラが生じることで、肌がくすんだ印象につながる

図3:メラニンのない肌とある肌(イメージ)


3.皮膚の弾力が低下することで生じる皮膚表面の凹凸の影

山に朝日が当たると谷に影ができる、と同じようなことが肌上でも起きていると考えられます。

①紫外線や加齢によって真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維が劣化
②皮膚の弾力性が低下
③しわやたるみなど、皮膚表面に凹凸ができる
④凹凸によって皮膚表面に影ができる
⑤影によって、肌の色が暗く見えたり、色ムラがあるように感じ、くすんだという印象に繋がる

図4:凹凸に光をあてた様子(イメージ)


4.角層の肥厚による透明感(光透過性)の低下

角層の水分量が多いほど、肌内部での拡散反射※光が多く、肌の透明感が高くなるということが知られています⁶⁾。
しかし、角質が肥厚した肌は角層の水分量が低かったり、厚さゆえに光が反射しにくくなります。

※拡散反射:
物体に当たった光が様々な方向へ反射すること

①ターンオーバーが乱れる
②剥がれ落ちるはずの古い乾燥した角層が肌に残り、角層肥厚になる
③角層水分量の低下と角層の厚さにより、角層内部で拡散反射光が減少して透明感が低下することで、くすんだ印象につながる

図5:角質が肥厚していない肌と角層が肥厚した肌(イメージ)


5.肌表面での乱反射によるツヤの低下

透明感が高い肌は、キメが深く細かいことが確認されています⁶⁾。
キメが細かく整っていると、肌表面で光が乱反射(拡散反射)することでツヤが見られます。
ツヤの低下によるくすみは以下メカニズムが考えられます。

①キメが乱れ、皮膚表面に均一性がなくなる
②肌表面で光の乱反射(拡散反射)が減少する
③ツヤが低下し、透明感が低下することで、くすんだ印象につながる

図6:キメの整った肌と乱れた肌(イメージ)


6.加齢に伴う皮膚の黄色化

加齢に伴う皮膚の黄色化の要因の1つに、糖化⁷⁾が関係します。
糖化によるくすみは以下メカニズムが考えられます。

①身体の中でタンパク質と余分な糖が結びつく
②タンパク質が変性し、劣化する
③黄褐色のAGEs(蛋白糖化最終生成物)を生成する
④皮膚表面が黄色化し、くすんだ印象につながる

図7:糖化メカニズム


メカニズムに合った「くすみ」ケア

記事をまとめていて、私自身「発生要因多いな・・・」と思ったのですが、本当に様々なメカニズムで「くすみ」が発生することがわかりますよね。
もちろん、ケア方法も1つではありません。
メカニズムに対応するケアをいくつかご紹介します!

● 血行促進

「1.血行不良による肌色の赤みの低下」には、血行促進が有効です。
マッサージや表情筋トレーニングなどで顔の血流を促すことによって改善する可能性があります。
最近では、血流促進効果のある炭酸美容もあります。
自分に最適なものを見つけてみてください。
ただし、マッサージによる摩擦で逆にくすみが悪化する恐れがあるので、摩擦を軽減できるようにマッサージクリームなどを使用すると効果的です!

● メラニン排出

「2.慢性的なメラニンの沈着」には、メラニンを排出することが有効です。 すでに出来てしまったメラニンを排出するためには、ターンオーバーを整えて古い角層を排出することが重要。
そのために、美白ケアを取り入れたり、ピーリングなどで古い角層を排出することをおススメします。

● 紫外線防御ケア

「3.皮膚の弾力が低下することで生じる皮膚表面の凹凸の影」には、日焼け止めや紫外線防御効果のある化粧品などを使用することで、今後起こる可能性のあるくすみの予防ができます。 また、「2.慢性的なメラニンの沈着」にも同様の紫外線防御ケアは有効です。
紫外線による皮膚の弾力低下や色素沈着を予防するためにも、普段からUVケアは怠らないようにしましょう!

● ターンオーバーやキメを整える適切な保湿

「4.角層の肥厚による透明感(光透過性)の低下」や「5.肌表面での乱反射によるツヤの低下」には保湿ケアが有効です。
適切な保湿ケアで改善が見込めます。 乾燥をすると、古い角層が剥がれにくくなったり、キメが乱れてしまいます。
そのため、水分と油分バランスを整える保湿ケアを心掛けましょう!

● 抗糖化

「6.加齢に伴う皮膚の黄色化」には抗糖化が有効です。
対策としては、‘‘糖化の原因となる糖分を過度に摂取しない‘‘など食生活を見直すことも重要です。 最近では、抗糖化に着目した化粧品も増えてきました。
美白化粧品を使っても効果が見えにくい方は、抗糖化対策を取り入れることをおススメします。


今回は、お肌の「くすみ」とは何か、そのメカニズムとケア方法について解説しました!
「くすみ」の発生要因は、6つの要因が複数関与することで引き起こされます。
そのため、くすみを改善するためには、紹介したケアを色々試してみることが大事です!
くすみのないお肌でいるためにも、ぜひこの記事を活用してくすみケアを始めてみてください。


(参考文献)
1)「くすみ」と聞いてどんな肌状態をイメージしますか?, ミルトーク, 株式会社マクロミル, (参照:2024/1/9)
2)化粧品用語集「くすみ」, 日本化粧品技術者会, (参照:2024/1/9)
3)肌色の見えから顔色の見えへの昇華, 棟方明博, 日本香粧品学会誌, Vol. 40 No. 3, pp. 174–178, (2016)
4)1990年代における日本人女性の肌色変化, 吉川拓伸ら, 日本色彩学会誌, 34(2), 120–130, (2010)
5)肌の透明感測定とその対応化粧品の有用性評価, 舛田勇二ら, J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn, 報文 39 (3) 201-208, (2005) 
6)肌のくすみの計測 加齢にともなう肌の物理特性変化とくすみとの関連,  金子治ら, J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn, 報文 31(4) 429-438, (1997)
7)糖化ストレスと抗糖化作用の評価, 八木雅之, オレオサイエンス, 第18巻, 第2号, 17-23, (2018)


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