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入浴習慣と肌にまつわる2つの噂について調査!

こんにちは!
COCO.libraryのゆうくです!

突然ですが、みなさんの中に「毎日浴槽に浸かるのは面倒で、シャワーだけ」という方はどれくらい居ますか?
「入浴習慣は美肌になれる」なんて噂も聞きますが、シャワーだけで済ませている人は少なくないはずです。

かくいう僕も、毎日シャワーだけで済ませていますが、毎日1時間以上入浴している美肌の先輩がいて「やっぱり入浴したほうが美肌になれるのってホントかな…?」と気になっていました。
そんな疑問をもとに、今回の記事では浴槽に浸かる「入浴習慣と肌」にまつわる2つの噂を調査して、その真相をまとめてみました!


入浴習慣は美肌になれるという噂

肌がきれいなモデルさんやインフルエンサーさん達の美容習慣として「毎日の入浴」をよく聞きますよね。
この習慣は本当に肌に良いことなのかを知るために、「入浴習慣と肌状態の関係」について調査を行いました。
その結果、とある臨床試験の報告が見つけることができました¹⁾。

この報告では、普段シャワー生活をしている方が入浴習慣に変えることで肌状態がどのように変化するか?について試験が行われています。
試験条件は以下の通りです。

被験者:普段シャワー生活をしている20~30代の男女48名
試験期間:2週間
入浴条件:38度で10分以上肩までお湯につかる(1日1回)
測定項目:角層水分量、角層水分蒸散量、肌弾力、皮脂量、
     マイクロスコープ画像解析、シワ・キメ係数、視診、触診

この2週間の試験後、上記の項目で測定を行った結果、以下の肌状態の変化が確認されました。

■女性被験者の結果
 ・肌水分量が増加した
 ・肌弾力が高くなった
 ・キメ係数の上昇(改善傾向)
■男性被験者の結果
 ・肌柔軟性の低下を抑制
 ・シワの減少

この試験の肌状態の改善結果から、入浴習慣による美肌効果が期待できると考えられ、噂は本当だといえそうです。

長時間の入浴で「肌の保湿成分が流出する」という噂

そんな美肌効果が期待できる入浴習慣ですが、一方で長時間の入浴によって逆に「肌が乾燥する」という噂もあります。
その噂では、「肌の保湿成分(セラミド、NMFなどのアミノ酸※)がお湯に流出し、肌が逆に乾燥しやすくなる」からだと言われています。
※セラミドとは、表皮の細胞間を満たす脂質の一種で肌内部の水分蒸発を防ぐ役割がある。
NMFは様々なアミノ酸から構成されており、肌の水分を保持する役割がある。

この肌の保湿成分がお湯に流出するという噂は本当なのか?についても調査を行いましたが、残念ながらこれについて調べられた研究は見つかりませんでした。

そこで、自分で確かめるべく、実際に検証をしてみることにしました!

【検証】入浴すると肌の保湿成分は流出するのか調べてみた

今回の検証では、腕をお湯に浸し、時間経過による肌の「セラミド量」と「アミノ酸量」の変化を確認しました。

実際の試験の様子(オフィスの中にて。笑)

試験条件

入浴温度:38度(平均的な入浴温度に合わせた)
入浴時間:20分(平均的な入浴時間10分にさらに10分追加の長湯を想定)
測定方法:20分間の入浴前後の肌の角層をテープストリッピングにて採取。採取した角層中のセラミド・アミノ酸の定量を行った。

試験結果

まず、アミノ酸の変化の結果を以下のグラフに示します。

入浴後の各種アミノ酸残量

この結果から分かるように、ほとんどのアミノ酸は「大きく減少することはない」ことが分かりました。
ただし、一部(His,Phe,Arg)だけ減少する傾向が確認されました。

次に、セラミド量の変化の結果を以下のグラフに示します。
セラミドにも様々な種類があり、今回は肌に多く含まれている4種(セラミドAP,NP,NS,NH)の変化を調べました。

この結果から分かるように、セラミドも同じく「ほとんど減少しない※」ことが分かるかと思います。
※セラミドNHの減少傾向が確認できますが、有意差が出るような大きな変化ではありませんでした。

健常な肌の人が20分入浴する、という今回の試験では「セラミドやアミノ酸の大きな減少は確認されず、一部のアミノ酸のみ減少する傾向にある」という結果となりました。
この結果は、健常な皮膚が本来もつバリア機能として、水に溶けにくい皮脂膜で覆われていることが理由の一つとして考えられます。

このことから、「長時間の入浴により、肌の保湿成分であるアミノ酸とセラミドが流出する」ことは起こりにくく、噂は間違いであると考えます。

まとめ

今回の2つの噂について、まとめていきます。

1.入浴習慣は美肌になれる?
→シャワー生活から入浴習慣に変えることで、肌状態の改善効果が期待できる
2.長時間の入浴により肌の保湿成分が流出する?
→健常な肌の人が20分入浴しても、角質中のセラミドやアミノ酸が流出することは確認されなかった

上記から、入浴習慣は肌状態を改善させる可能性があることが分かります。今まではシャワーだけで、入浴していなかった!という方も、肌状態を改善するために「入浴習慣」を取り入れていってみてはいかがでしょうか?

ただし、今回の調査や検証は「健常な人の腕の肌で20分入浴した」際の結果であり、アトピー性皮膚炎の方や敏感肌の方などでは同じような結果が起こるとは言えないのでご注意ください。

参考文献
1)入浴による肌への効果~キレイな肌は浴槽入浴から~, 東京ガス株式会社都市生活研究所, 都市生活レポート お湯と風呂文化(2011)


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