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【体験レポ】繰り返す大人ニキビを皮膚科で治療してみた

冒頭から、私事で恐縮ですが...
つい先日まで、突如現れた大量ニキビを治療するために2ヶ月間皮膚科に通い、3カ月目にしてやっと新たなニキビが出来なくなり、日常生活を取り戻しております。

実は、7年前にも大人ニキビで皮膚科に通院した経験がありました。
今回はまったく違う治療方法に驚いたこと、『その説明は勘違いが起こりそうだな』と思ったことがあったので、職業病であるモノサシをあてたい!という思いから記事にしてみようと思います。


7年前と異なる治療法とは?

久しぶりの大量ニキビを診察してもらい、7年前に使っていた治療薬のヒアリングが終わり帰ろうとした直後、先生から『ちょっと芯出ししましょうか』と笑顔を向けられました。
初めて聞いた単語のため、ついつい先生を質問攻めしてしまったことは想像に難しくないと思います。
ここでいう芯出しは面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)とも言われ、ニキビの中に詰まっている皮脂や古い角質などを押し出す治療のことです。

まさに、7年前には聞いたことがない処置でした。
皮膚科の先生にお話を伺ったことを基に、論文やニキビ治療のガイドラインなどを調査してみると、ここ数年でニキビ治療が変化したことがわかりました。
最近ではコメド治療を継続することが皮膚科の先生たちが作ったニキビ治療ガイドラインでは推奨されています¹⁾。

コメドというのは、ニキビの初期段階の毛穴が詰まった状態のことを言います。(図1の左の状態)
ニキビの初期段階を治療することで、コメドの炎症により目立つニキビになる可能性が低くなり、ニキビによる凹凸のない均一な肌が期待できるのです。

図1 ニキビの成り立ち

以前は、抗菌薬によってアクネ菌を抑えるという治療が主流で、炎症が起きたニキビにしか治療が出来ませんでした(図1 右の状態)。コメドの段階から治療が出来るようになったことで、ニキビの重症化などを回避できるというメリットがあります²⁾。

化粧品の選び方

そんなこんなで、人生で初めての面皰圧出をしてもらい、顎にものすごい量の止血絆創膏を貼られながらも、私の次の興味は日常のスキンケアのことで頭がいっぱいです。
『こんな状態ではさすがに普通のスキンケアをしない方が良いかな?』と思い、治療をしてくださった先生、お薬の受け取り時に説明してくださった薬剤師の方にスキンケアについて質問してみました。

お二方とも
「いつも通りのスキンケアで良いですよ。最後に治療部位にお薬を塗ってください。最近は、ノンコメドジェニックというニキビ向けのものもたくさんあるので、気になるようでしたらそちらもご検討くださいね」
と言っていました。

・・・。

この言葉、実は非常に誤解を生みやすい表現なのです。
どういうことなのか、これから詳しく解説していきます。

1.ノンコメドジェニックテスト済み

パッケージやホームページに記載されているノンコメドジェニックテスト済みの化粧品。
商品でコメドが出来にくいということをテストしたものがノンコメドジェニックテスト済みと表記してあります。

最近では、ノンコメドジェニック処方、ニキビが出来にくい処方という表現をしているものもあります。
これらの表現は、テストを通過したものかはわかりませんので、注意が必要です。
ノンコメドジェニックテスト済みと表記があるものは、各社の基準でテストをしているという意味になります。
※最近では、ハイポコメドジェニックテスト済みと記載されているものもあります。ノンコメドジェニックテスト済みと同義です。

ノンコメドジェニックテストとは?

ノンコメドジェニックテストには抗シワ試験のように国が決めたガイドラインはなく、各社の知見に基づき試験が行われています。
そのため、同じノンコメドジェニックテスト済みと表記されている化粧品でも、ニキビに対する満足度は変わる可能性があるということを覚えておいてください。

図2 各社のノンコメドジェニックテストをまとめたもの

2.医薬部外品(ニキビ向け)

ではニキビ向けの化粧品としては、ノンコメドジェニックテスト済みというものを選べば良いのでしょうか?
ニキビの成り立ちが頭に浮かぶ方はお気づきかと思います。
これから出来るニキビ(コメド)に対しては、ノンコメドジェニックテスト済みでケアができます。ただ、既に出来てしまったニキビには効果が見込めません。

既に出来てしまったニキビは、アクネ菌が増殖し炎症が起こっている状態です。殺菌作用や抗炎症作用が認められている医薬部外品の使用をおススメします。
例えば、以下のような成分があります。
殺菌作用のある成分:サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール
抗炎症作用のある成分:グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン

まとめ

1.最近では、出来たニキビだけではなく、
  ニキビの元であるコメドの治療ができるようになった
2.ノンコメドジェニックテスト済みという表記で
  テストを実施している商品であることがわかる
3.既に出来ているニキビには医薬部外品がおススメ

今回は私の体験を基に多くの方が悩んでいるニキビについてまとめました。
医学の進歩とともに、化粧品業界も遅れを取らずにどんどん進歩していきたいなと思った体験でもありました。
私のように面白い体験をした方がいたら、コメントでお知らせください。
COCOlibraryが体当たりで検証いたします。

(執筆:甲斐)

参考)
1.林伸和ほか,尋常性痤瘡治療ガイドライン2017.日皮会誌 127(6): 1261-1302, 2017
2.コメドを知ろう!,マルホ株式会社,ニキビ一緒に治そうProject,(参照:2024/1/30)


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