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「こどもが泣くのは、どういう時?」

「子どもは泣くのが仕事」と言いますが、日々、子育てに頑張っているママたちには、そんな簡単な言葉で片づけられない辛さがありますよね。
子どもの泣き声で、胸がキュッと苦しくなったり、イライラしたり、悲しくなったり、情けなくなったり、さまざまな感情が湧き沸き起こってきます。
coconiにも、お子様の「泣く」に関するご相談は多くいただきます。

子どもがどういう時に泣いているか、と考えてみると大きく3つのパターンがあると言われています。
 

1.その子本来の気質による泣き


1つ目は「その子本来の気質による」泣きです。
気質とは先天的にもっている刺激などに反応する行動特性のことですが、そうした生まれつきの気質が繊細で、他の子どもよりもちょっとしたことですぐ泣いてしまうようなお子さんがいます。赤ちゃんは誰でもみんな泣きますが、2~3歳になってもその傾向が強い場合、感情が豊かであふれやすいとも言えるでしょう。こうしたお子さんを親も「うちの子は泣き虫なの」「ひ弱で困っちゃう」と言ってしまうことがありますが、そういう親の何気ない言葉がますます繊細な子どもの心を傷つけてしまいます。
まずはそうした気質を受け止め、お子さんの気持ちが落ち着くまで「イヤだったね」「怖かったね」などと寄り添ってあげることが大切です。「いつまでも泣かないの!」「そんなことくらい泣かないで我慢しなさい」と言っても、子どもは泣きやみません。むしろ、もっと泣き続けます。「泣くほどイヤなんだろうなぁ、怖いんだろうなぁ」と共感し、「あなたの気持ちは分かっているよ」という親の気持ちを伝えましょう。
 
ただ、親にも余裕がなくて共感できない時もあります。忙しかったり疲れていたりすれば、寄り添い見守ることなどできません。そんな時は子どもが泣き止むまで放っておいても構いません。少し距離をとって、気が紛れるように家事をしても良いでしょう。

2.コミュニケーションの方法


二つ目は「コミュニケーションの方法」として泣きです。言葉をうまく使えない月齢や年齢であれば、泣くことで「お腹がすいた」「気持ち悪い」「眠い」「痛い」「暑い」「寒い」「寂しい」などを伝えるコミュニケーションになっています。また、言葉が話せるようになっても、うまく伝えられない、分かってほしい、といって泣くことがあります。そんなときは「どうしたの?」「ママにできること、ある?」「パパはどうしたらいいかなぁ?」と話しやすいように促してみてください。そばに座って体を撫でたり、手を握ったりするだけでも構いません。子どもは「親はいつでも自分の味方だ」と安心できると気持ちが落ち着きます。そして何か話してくれたら、それがどんな内容であってもまずは受け止めましょう。「それはあなたの方が悪いでしょ?」「そんなことくらいで泣いちゃダメ!」と責めたり、説教したりしては逆効果です。せっかく話したのに怒られたら子どもはさらに心を閉じて、泣き続けます。学齢期のお子さんであれば、泣いている姿を親に見られるのを嫌がります。そんな時はそっと一人にしてあげることも大切です。
 
子どもが泣いて嬉しかったり、楽しかったりする親はいません。だからこそ、早く泣き止ませることばかりに意識が向かってしまいます。「泣かないの!」「いつまで泣いているの!」と言われ続けると、子どもは泣くことは「いけないこと」「悪いこと」「間違ったこと」だと思ってしまいます。悲しい時、辛い時、悔しい時には泣いてもいいんだ、ということを子どもにも伝えていきましょう。

3.要求を通すための手段


三つ目は、「要求を通すための手段」としての泣きです。人間は誰でも自分の成功体験から、さまざまな学習をします。例えば、欲しいものがあった時、「ぐずって泣いたら手に入った」という成功体験があれば、「泣けば望みを叶えてもらえる」ことを学習します。親を操作するための手段と言ってもいいでしょう。そして、次から無意識に泣いて要求を通そうとします。「あのおもちゃが欲しい」「これが食べたい」「もっと遊びたい」など目的がはっきりしているだけに、要求が通るまで泣き続けます。そうなると親にも一貫した態度が必要になってきます。「ダメなものはダメ」という一貫した態度を何度か繰り返すうちに、「泣いても通用しない」ということに子ども自身、気づいていきます。小学校高学年になると、泣いてねだったり、ごねたりするのは恥ずかしいので、しなくなります。
 
大人でも泣きたい時はあります。子どもならなおさらです。喜怒哀楽といった感情は誰にでもあり、泣くことも自然な感情表現です。
子どもが泣くのは親を困らせようとしたり、責めたりしているわけではありません。「要求を通すための手段」としての泣きは別として、「泣くこと」が許され受容される親子関係や居心地のよい場所は子どもの成長にとって必要なことです。

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