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道具の選択 (2007年5月 記)

東ネパールの山間部
ダッカと呼ばれる伝統的な綴織の盛んな
テルハチュンの村にて。
機にかかっているのは
ネパール男性がかぶるトピと呼ばれる帽子用の布


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ネパールやインドで見た機や道具は
シンプルなものが本当に多かった
材料は近隣で採れる木や竹を使っているのだろう


シンプルな道具ほど
使う人の技量と工夫が必要で
それから
人手がいることが多い


どんな仕事もそうだろうけれど
織りの仕事も基本的には共同作業だ。
限られた道具で、工夫し、
足りないところは共同で助け合いながら作業する。
沖縄で働いていた芭蕉布工房もそうだった。


でも、そういう仕事の仕方は、
今の自分には出来ない。


昨年末に新しく和機を買った。


経糸の巻き取り機を先日
本当にありがたいことに
茨城の方が使わないからと
ここまで届けてくださった。


どちらも
一人で織りの仕事をする自分にとって
本当に心強い戦力になった。


道具、仕事のやり方、段取り、、
常に何が最善かを
注意深く観察し続けること。。


今の自分にとって、
いわゆる伝統的な技法=良しではない。
新しい技術や道具を使うこと=良しでもない。


2007.05.25.記
写真は1997年 ネパールにて撮影


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