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元旦の夜 やんばるからの電話

元旦の夜。一昨年、やんばる同窓会を立ち上げたことで再会を果たすことが叶った、芭蕉布時代の先輩(沖縄出身在住、今も芭蕉布を個人で作っていらっしゃる)からお電話をいただいた。

楽しくてついつい長電話になってしまったのだが、ちょうど20年前に工房を辞めた頃にはこんな風に先輩と笑って語り合う日が来るなんて思いもよらなかった。当時の先輩の年齢と今の私の年齢がほぼ同じと思うと、つい遠い目になってしまう。


戦後の喜如嘉の芭蕉布について、現存する文献資料は平良敏子先生と平良家の視点からのものだけ、といっていいだろう。それが重要で大きな価値のあるものであることに疑いはない。しかしそれ以外の芭蕉布に深く関わった多くの人達(特に地元の)複数の異なる視点から戦後の芭蕉布について語られること、それらを記録することもまた同じように大切であること。そしてそれらの記憶を採集する時間はもう限られている、今が本当にギリギリの瀬戸際であること。10年後には多分不可能、いや5年でも遅すぎるかもしれない。先輩の話を聞きながらそんな思いをさらに強くした新年。


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