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ゼネラリストはスペシャリストになれるのか?

大企業ゼネラリストのかけこみ寺として活動している
辻千恵子(つじ ちえこ)です。

今日のテーマは、「ゼネラリストはスペシャリストになれるのか」です。

結論、なれると思っています。
その理由は、環境や職位に応じて発揮するスキルをボリューム調整することで可能だからです。


仕事をする上で必要な3つのスキル

こちらの図は「カッツモデル」というもので、1950年代にアメリカの経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱したマネジメントスキルの分類です。
長方形が斜線で三つの領域に分かれており、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つが存在します。

テクニカルスキルは定型的な業務遂行能力であり、特定の職務に関する
専門知識や語学力、IT活用スキル、事務処理能力などです。
ヒューマンスキルは対人関係能力で、プレゼンテーション能力や折衝能力、対人影響力や人の気持ちを理解する力です。
コンセプチュアルスキルは物事を大局的に読み取る力のことを言います。
論理的・体系的に把握する力で、課題解決力、状況判断力、洞察力や
戦略立案能力などです。

カッツモデルでは、職位が上になるほどコンセプチュアルスキルの重要性が増し、現場に行くほどテクニカルスキルの重要性が増すと言われています。


専門性を持つことは避けて通れない

まず、見ての通り、テクニカルスキルはどの職位でも必要なんですね。
ですので、ゼネラリストであっても特定の専門領域を持つことは必要となります。専門領域の定め方は、ご自身の好きな分野、すなわち意識しなくても興味関心が持続する分野だとより良いですね。

特定領域を定め、知識を取り入れるにあたっては、ご自身の強みを使っていくと良いでしょう。例えば、情報収集や学ぶプロセスが楽しい方は自然とできてしまうでしょうし、身近なライバルを設定することで頑張りが効く方もいらっしゃるでしょう。過去の自分と比較することが励みになる方もいれば、徹底的にルーティン化することで特定分野を習得する方法でもよいと思います。このように、テクニカルスキルの深め方に、ご自身の強みを使うと効果的に習得ができます。


環境に応じて発揮するスキルのボリューム調整をする

もう一つ重要な点は、環境や職位が変った場合に、発揮するスキルのボリューム調整を行うということです。環境が変わると職位が変わることって、あるんですよね。社内の異動だとあまりないかもしれませんが、転職で外部環境に行くとこのような状況はよく起こり、ポジションに合わせた柔軟な切り替えが必要となります。

私自身もそうでしたが、転職前は経営企画の立場で法人立ち上げを音頭取りしており、コンセプチュアルスキルをフル活用する場面にいたのですが、転職直後に法務の担当者でリスタートすると、担当者としてテクニカルスキルを発揮するような場面になり、そこの切り替えがなかなかうまくいかなくて最初は苦労しました。

自分の使うスキルが硬直し錆びつく、これは要注意です
特に、1社でマネジメント歴が長く、上位職位のご経験が長い方は気を付けてください。テクニカルスキルを錆び付かせないためには、例えば、匿名案件を自分が一気通貫で対応し、論点整理も資料作成もするなど、意識的に手を動かす機会を作るなどの工夫が必要です。
また、すぐに使わないスキルも引き出しから取り出せるように、時々思い出す、情報に触れてみるなども有効です。
 
カッツモデルを意識し、変幻自在に上下するイメージをしてもらえると、
場面に応じてスペシャリスト的側面を多く出すこともできれば、
場合によってはゼネラリスト的側面を出していくことができ

ゼネラリストの皆さんの自信に繋がるのではないかと思います。


終わりに

ご自身の強みを使って専門領域を磨き、環境・職位に応じて発揮するスキルの割合を調整すれば、ゼネラリストにもスペシャリストにもなれます。
時々この図を思い出していただき、今自分はどの立ち位置にいるのか、
テクニカルスキルが錆びついていないか、など自己点検してみませんか。


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