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初めてのUFO遭遇体験!?

小学5年だった。
仲の良い1個下のいとこが、自転車でなら行き来できる距離に住んでいた。
俺たち2人は、よく一緒に遊んでいた。

その日も2人は、深夜のロードショーに実写版の狼男があることを知り、どうにか起きていて観ようと計画し、俺の実家に泊まることにした。
大晦日も近い珍しく家のルールが緩んでいて実現したイベントだった。
こたつがあったのだが、時々すでに寝ながらその時間を待っている。俺は、映画も好きだし、空想も好きだし、UFOなども好きな少年だった。待っている間、何か面白いことはないだろうかと考えていた。そして、リビングの窓を一斉に開けたら何かが見えるんじゃないかと思い立った。
それは一体なんだろうか?
幽霊かUFOか謎の生物か、、、そう思うと楽しくなり、いとこに「この窓を開けてみないか。」と、言った。いとこは賛成し、2人で窓の両側を掴みリビングの大きい掃き出しのその窓を一気に開けた。

だいたいここで笑って終わりなのだが、今回は続きがある。

外を見回すと、遠くに見える山から強い発光体が上昇してきた。
2人で目を合わせ息を呑む。
それは、ある程度の高さで留まり、数秒じっとしていると思うと、次に小さな発光体が3つ出てきた? 分離した?
すると、小さな発光体の3つはそれぞれバラバラの方向へ一瞬で消えるような速さで、飛び去った。
大きな発光体は、3つの小さな発光体が飛び去ると、再び遠くに見える山の中へと降りて見えなくなってしまった。

2人は、そっと窓を閉めて。しばらくそれぞれ考えこんでいたが、向き合って「あれは、きっとUFOだよね?」と確認し合った。少し怖くなったけど、面白い楽しいが優っている。2人で幾度も見たことが現実だということを確認しあった。

そうこうして、映画が始まる。全部見た記憶はあるのだけど、一部寝てしまった可能性もある。というのも、その後の映画の内容は全て覚えているのだけど、経過した時間の感覚がない。
そして、映画終了後にUFOのことを思い出し、再び窓を開ける提案をする。
もちろん、どちらの意思も同じである。2人とも好奇心しかない。

2人で顔を見合わせながら、一斉に窓を開けた。
遠くに見える山のほうを見たが、何もない。だけど、数秒程度だったと思うけれど見ていると、先に見た時と全く同じことが起こった。
そして今度は、強く大きい発光体の元に、3つの小さな発光体が帰って来たように、ものすごい速さで集まった。
すると、ゆっくりと大きい光に同時に向かって入っていく。
そして、強く大きい発光体は、ゆっくりと下降し見えなくなる。

2人はまた窓を閉め、ニヤニヤしながらUFOの発進と帰着を目撃したことを何度も何度も話していた。

時は、過ぎてゆく。
1年、3年、5年、、、、
俺たち2人は、年1回以上は、その時のことを確認し合った。
それは、二十代後半まで続いた。大人になってからは、年1回程度で盆か正月だったけれど。
そうやって確認しないと、あれは夢だったのではないかと思えてくるからだ。

だけど俺は、それから頻繁にUFOを目撃することになる。
いとこがどうなのかは、成長するにつれて進路や居場所が変化して行ったこともあり聞いたことがない。

後々考えると、あれは未知との遭遇を果たしていて、記憶を消されているのではないかと思うようになった。
それ以前にも目撃しているのかどうかは分からない。

なにせ、夜空を毎日のように見ている少年だったから。
(20時就寝が原則だったので、こっそり起きて夜空を見ていたから。)