TOYOTAS800_シック

生命力イラスト・想い出の車シリーズ⑥トヨタスポーツ800

今回はトヨタスポーツ800のご紹介です。トヨタ・スポーツ800とは、トヨタ自動車が1965年(昭和40年)から1969年(昭和44年)にかけて製造した小型のスポーツカーです。

超軽量構造と空気抵抗の少なさで、非力ながら優れた性能を発揮したことで知られ、愛好者からは「ヨタハチ」の通称で呼ばれています。

本田技研工業が1963年から生産した、ホンダ・S500に始まるSシリーズとは好敵手として並び称され、1960年代の日本製小型スポーツカーの秀作として評価が高い名車です。

トヨタスポーツ800は、当初「パブリカ・スポーツ」の名称で開発が進められ、非力なパブリカ用エンジンで高性能を確保するため、航空機さながらに徹底した軽量化と空気抵抗の抑制が図られました。

このためオープンボディながら難易度の高いモノコック構造を採用し、市販型でも重量は僅か580 kg に抑えられています。

トヨタスポーツ800は空力対策としてヘッドランプをプラスチックでカバーしていますが、トヨタ2000GTでのフォグランプ処理を彷彿とさせます。が、実際には相似を狙った訳ではないそうです。

1965年(昭和40年)4月から市販されていますが、小型といえど2シーターのスポーツカーが大量に売れる程の情勢には至っておらず、日本国外への輸出もほとんど行われなかったため、1969年(昭和44年)10月の販売終了までの累計販売台数は3,131台に留まっています。

とはいえ、もともと売るつもりで作った車ではなく、パブリカの開発が終わり、次のカローラが始まるまでの手慰みにやった実験的な作品に過ぎなかったんだそうです。

トヨタスポーツ800がパブリカのコンポーネントを流用したのも、製品化予定のない車には会社の設備を割けなかったためです。しかし、1962年の東京モーターショーに出品したところ、思いがけぬ反響があったため、販売部門からの要望で製品化することになってしまったそうです。

輸出がなされなかったのも、当時の日本に合わせたパブリカのコンポーネントでは、アメリカの道路を高速で飛ばすような使い方に耐えられないと判断されたそうですね。

トヨタスポーツ800は生産数が少ない割に、今でも見かけることのある車です。スーパーカーブームの折には駐車場に止まっていたヨタハチを撮影しまくったのも懐かしい思い出です。

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両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。