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GRAPEVINE

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GRAPEVINEにまつわるエッセイやライヴレポートをまとめています。
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記事一覧

2023年のマイベストソング

2023年のマイベストソングは、昨年リリースされた曲だけではなく「昨年の印象的だった音楽トピックス」を軸に選曲した個人的なものです。 流行りの曲を追っかけることに一生懸命だった10代と比べ、音楽の聴き方はかなり変わりました。 ・Ub(You bet on it) / GRAPEVINE ・more than words / 羊文学 ・紫陽花 / 椿屋四重奏 ・LOVE ROCKETS / The Birthday ・世界の終わり / THEE MICHELLE GUN EL

【12月のひと言:GRAPEVINE「Loss(Angels)を聴いて」ー嬉しさと寂しさの同居ー】

11月、そして今月にあった対バンライブにひとつも行けなかった身としては、今年はもう何もないのか(残念)と思っていたので、新曲の配信リリースには驚かされた。これは「2023年は最後の最後まで(音楽で)恩返します」というGRAPEVINEからのメッセージなのか(と、私は思った)。しかもバンドのコンポーザー亀井亨(Dr.)作曲の大名曲。 イントロが、Oasisの「Don't Look Back In Anger」に似ている。 バインには、子供の成長の描写を歌う曲がたくさんあるけど

【10月の日記】《GRAPEVINE TOUR 2023》10/26 東京 LINE CUBE SHIBUYA公演を観て

「今こそ俺に賭けてみないか!「You bet on me!」」という威勢のいい田中和将の掛け声と共にライブは幕開け。そして本編・アンコールを終えると、感謝の言葉とともに「今日も幸せでした」と言い放ち、ステージを去った。彼が、9月のZepp Shinjukuで観たときよりも(精神的に)パワーアップしているように見えたのは、久しぶりの全国ツアーが充実している証拠だろう。 9月に発売されたアルバム『Almost there』の世界をディープに掘り下げるのではなく、そこに既存曲をプ

【エッセイ】2023/2/23 [grapevine in a lifetime presents another sky]東京・中野サンプラザ公演 ~another story~

時は、1990年代後半。インターネットが身近なものではなく、スマートフォンもなかった頃、地方に住む高校生だった私にとって、好きなバンドの新曲やライブの情報をいち早く知る手段はラジオ。彼らを知ったきっかけも、ラジオだった。 高校卒業後、進学した大学の軽音楽部に入部した私は、ある日、彼らの「コピーバンドをやらないか?」と、先輩と同期に誘われた。嬉しさのあまり二つ返事で承諾。担当する楽器はキーボードになった。バンドスコアを買い、たくさんの曲を練習し、ライブ出演が決まると、精一杯、

【10月の日記】GRAPEVINE『Almost there』を聴く。

9月27日に発売され、GRAPEVINEにとって18枚目のオリジナルアルバム『Almost there 』。今回バンドが招いたプロデューサーは、サポートメンバーとして20年以上の付き合いのある高野勲氏。 高野さんは、実際にプロデューサーとしての実績もあり、何よりGRAPEVINEというバンドを良く理解している方。だからなのか、まず、一周目を聴き終えて感じたことが「よりGRAPEVINE を、メンバーの存在を、個を感じられるアルバムになってるよなぁ」でした。 例えば、とある

【9月の日記】9/14 GRAPEVINE 「SUMMER SHOW」@ZeppShinjuku(TOKYO)

ここ数ヵ月、実はバインの曲やゲスト出演したラジオを聴くことができなかった。 でも、だからこそライブで顔を付き合わせないとわからないことがある。伝わらないことがある。ライブ中、すっかり通常運転の田中さんを目の前に、私はそんなことをずっと思っていた。 セットリストは、今月末に発売されるニューアルバム『Almost there』 より数曲披露。配信リリース済みの「雀の子」や「Ub(You bet on it )」はもちろん、このツアーで初解禁された曲も。また既存曲では「ここが居

【7月のひと言:GRAPEVINE「雀の子」を聴いた】

聴いた瞬間「この路線(「ねずみ浄土」系)で来たのかー!」と、予想はおおいに外れました。もっと暗くて、どんよりしてるヤツが来るんじゃないかと思っていたから。 しっかし、なんなんだこのバンドは。そして、この攻めためちゃめちゃかっこいいサウンドは。しかも「ねずみ」の次は「雀」で「お餅」の次は「饂飩(うどん)」ですか。スタッフ、ツアーグッズでうどん(乾麺タイプ)作りそう。 GRAPEVINE の素晴らしいところは「そこそこのキャリアを積んでいるのに、時代の最新音楽に対する関心と解

【6月のひと言:ルーツ(初めて買ったGRAPEVINEのCDについて)】

相変わらず何を書けば良いのかわからないまま、noteを放置している状態ですが、ちょこちょこ過去記事を読んで下さる方がいらして「いいね」がついていると嬉しい。書いた甲斐あったなと思います。ありがとうございます。 なので、今日は小ネタを。 最近のロックバンド界隈では何が流行っていて、何か良いのか?が現在全くわからない人になってしまっているので、しつこいようですがGRAPEVINEについて今回も書くんですけど、そうですね…私が初めて買ったGRAPEVINEのCDは「スロウ」です

【4月の日記】Re:START

2023/04/06 今だから言えること。 突然解散したり、突然復活したりもする。バンドに何が起こるかなんて、ファンには全然わからないものだよなぁと、過去の経験からそう理解してきたけど、まぁこの人達は大丈夫だろうと呑気に平和に構えてたところが私にはあった。が、何も起こらない方が、珍しいのかもしれない。 普通に失望していましたし、なんだか音楽自体を聴く気分にもなれないほど落ちてしまった時期もある。それでも手放せない葛藤がずっとあって、ライブのチケットは取ったけど行く行かな

【3月の日記】ぼくらのうた

2023/02/23 私が彼らに期待していることは、継続。本当にこれに尽きるのですよ。それに、何かを続けることの「尊さ」を私に教えてくれたのは、田中さん、あなたなんだ。あなたの声を20年以上聴いてるということは、下手したら身内の次にたくさん耳にしている声になるんだから。マジで26年生のファンをなめんなよ。 音楽を聴くことよりも、ライブに行くことよりも、人生に於いて大事なことは、間違いなくたくさんある。けれど、私の今までがそうであったように、どちらも確実にないよりあったほう

【12月の日記⑦】《GRAPEVINE in a lifetime presents another sky》 再開によせて

2022年12月12日の正午。 突然、GRAPEVINEの公式SNSアカウントより2023年のライブ予定が発表された。今年の9月、残念ながら中止になった「lifetime presents another sky」の追加公演。 最近、新しいマーチャンダイズが発売されたりと、地味にバンドの動きがあったものの、肝心の「田中さんの体調は、少しは良くなっているのか…」と、ここ数日にかけて気になっていた。そうしたら、「大丈夫です」と言わんばかりの発表に拍子抜け。逆に「本当に、大丈夫な

【11月の日記⑪】2022年11月25日。バンドのいない「イイニコの日ライブ」を迎えて。

私がNICO Touches the Wallsにハマるきっかけとなった、2012年11月25日に開催された「イイニコの日ライブ」から今日で10年が経ちました。早いなぁ。 で、その10年後である今年(2022年)の11月25日は、すでに横浜BLITZは閉館し、肝心の主催バンドは解散。そして、ゲストバンドは一時活動休止状態…。ネガティブなことはあまり書きたくないけど、さすがにこれは笑えない現実です。 (溜め息つきつつ、気を取り直しますが)長年のGRAPEVINEファンとして

再生

【11月のつぶやき】GRAPEVINE / アナザーワールド(in a lifetime presents another sky)

「生まれたときから歩けるのは この道だけだったのか」というフレーズが刺さる。20年以上聴いてきて、たくさんのものを与えてもらった。今はただバインの味方でいたいです。

【10月の日記⑧】揺れやすい / 『退屈の花』と広島と / 考えてしまうとき / 日常と変わらない旅(平日日記)

月曜日「揺れやすい」 今日の都内はとても寒くて、冬の風が吹いていた。お気に入りのオーシバルのフリースを着ても寒く感じた。明日は、もっと寒くなるらしい。秋がどんどん短くなっていく。 そして寒くなると、どうも気持ちが落ち込みやすくなってしまい、今日は、なぜか遥か昔の学生時代ことを思い出して、少し泣いた。 自我の強い人たちに囲まれていたあの時期。私は、その中にいつも埋もれがちだった。そこで出来てしまった心の傷跡は、いくつかある。だけどもう、過去のことだし消えたものだと信じていたが、