【コラム】ドメスティック戦略に未来はあるか?①
こんにちは!かけだし社長の小寺です。
グローバル化が進み、ビジネスの幅も国内から海外へ、また海外から国内へ(インバウンド)、国家の垣根を超える動きが活発となってきました。
それでも国内事業で見れば、まだまだ「日本のみ」をターゲットとした事業、マーケティングというのが多い気がしています。
今日はそんな内向的な日本について、自分なりに考察を進めていきます。
全2回にわけ、
・日本が海外に進出できない理由
・日本が海外に進出すべき理由
を述べていきます。
今回は、日本が海外に進出できない理由について。
※あくまで個人的な見解ですので、知識や考察の甘さはご容赦ください
日本から抜け出せない日本
グローバル戦略の流れに反して、まだまだドメスティック戦略の色が根強い日本。
国内に留まってしまっている理由はいくつかあると思いますが、
・閉鎖的で職人気質な国民性
・言語の壁
が大きく起因していると思います。
閉鎖的な国民性
もともとの島文化で他国を受け入れない国民性が続いているのか、移民の受け入れには未だに消極的です。国内のマーケットを取られると危惧しているのかもしれませんが、移民の受け入れを拒否したところで、その流れを止めることはできません。
企業の経営陣は海外勢、次々と買われる山林や土地、デバイスやサービスなども国内製品から海外製品にマーケットを取られ、気づけば所有のほとんどが海外の資本になっています。
これは日本人が日本国内だけに目を向けてきたツケでもあると思いますが、海外の人たちは日本を含め、積極的に"お買い得な国"に目を向け、参入してきています。
日本も海外に活路を見出そうと動き始めていますが、帝国データバンクによると、海外進出企業は2019年時点で24.7%。まだ全体の4分の1程度となっています。
また進出したにせよ、海外のマーケットを取れる企業はまだ数えるばかりです。
日本人の精神的な鎖国は続いています。
日本人が生き残りをかけるには、海外にどれだけ意識を向け、海外資本に興味を持てるかにかかっています。もはや国内資本のみで日本人が生き残っていくには、マーケットが狭すぎるのです。
職人気質な国民性
また日本人が海外マーケットで勝てない理由の1つに、職人気質な国民性も関係していると思います。
職人が重宝され、「いいものをつくれば売れる」という時代もありました。ソニー、ホンダ、日本の技術は世界一とも言われていました。それで勝てていた時代はよかったのですが、物が飽和している現代、いいものをつくるだけでは売れなくなってしまいました。
それでも未だにいいものをつくれば売れるという、かつての神話を信じて方針を変えてこなかった国内企業は、マーケティング戦略で世界に大幅に遅れをとってしまいました。
ものづくりは得意だがマーケティングが下手という理由も、グローバル戦略の波に乗り遅れた結果の原因の1つだと思います。
現在はGAFAMが時代を牽引し、日本ブランドの企業をあまり世界で見ることはなくなり、失われた20年と揶揄されるようにもなりました。
言語の壁
これは上記のマーケティングにも付随する話ですが、日本の製品は日本語でできているというのも、海外進出を妨げる大きな要因だと思います。
世界でみたら英語圏、中国語圏のマーケットが圧倒的多数を占めています。世界でマーケットを取ろうと思ったら、これら言語に適応することが必須条件となっています。
その点で、日本人にとっては言語の壁は大きな障害となります。
各国に向けて製品のローカライズはしてはいるものの、言語の調整以外の根本的な各国の特色や文化の調査、順応等、言語がもたらす壁は予想以上のコストになっています。
母国語が英語や中国語の国は、そもそもその手間すら気にする必要がないのです。開発の段階から言語の壁を気にせず、ヒットすれば一気に世界に普及していく点で、英語圏、中国語圏の人々は圧倒的に有利な土壌で戦っています。
勝ちたいならば、より大きな市場で。
国内野球よりメジャーリーグ、
国内音楽より海外ビルボード、
国内舞台よりハリウッドです。
いい悪いではなく、圧倒的にマーケットが大きいのです。
日本人が海外マーケットで勝ちにくいのも、言語の壁という心理的抵抗と、進出するのにかかる開発・調査コストが影響しています。
国内だけでは限界が来ている
ここまで、日本が日本を抜け出せない理由を色々考察してきましたが、なぜ抜け出さないといけないのでしょうか?
これから100年、次世代に受け継いでいける企業やコミュニティをつくることを考えた時に、果たして国内だけをマーケットにしていて良いのか、そこを危惧しているからです。
次回は、日本から国外に目を向けるべき理由を述べていきたいと思います。
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