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【経済コラム】普通の暮らしの難しさ

こんにちは!かけだし社長の小寺です。

20~30代の同世代と会話していると、たまに
「よくそんなに頑張れるね」
「自分はそこまで頑張れない」
「自分は普通の暮らしができれば十分」
という声を耳にします。

普通に働いて、普通の暮らしができれば十分。
その考え方には、僕も共感します。

それでも僕が努力するのには、普通の暮らしを送るにも、今まで以上に努力が必要だと思っているからです。

そもそも普通とは何か?

ちなみに「普通」とは、なにが基準になっているのでしょうか。

今の20代、30代が描く「普通の暮らし」とは、
親の姿がモデルになっていると思います。

自分たちの親は、普通に会社に勤め、普通に働き、普通に家庭を持ち、普通に不自由なく生活してきたからです。

ただ、残念ながら、その「普通」を貫くことが、今の世の中では、とても難しくなっていると思います。

理由はいくつかありますが、
・経済面の変化
・雇用形態の変化
が大きく要因としてあげられると思います。

経済面の変化

親の世代の1990年代あたりから、2020年にかけて、平均年収を見てみると、さほど変化がありません。

これだけ見ると、豊かさはあまり変わりがないように見えますが、実際に使うことができるお金、可処分所得においては、かなりの差が出ていることをまず知らなくてはいけません。

1つ目の要因として、上がり続けている社会保険料と税金です。

細かな数字はリンクを参照いただくとして、同じ給料にも関わらず、社会保険料や消費税が値上げされているということは、それだけ使えるお金が減っていることを意味します。
(ちなみに先の震災以降、復興特別所得税も追加されています。)

更には物価の上昇
今の日本はスタグフレーション(景気は後退しているが物価が上がっていく現象)に突入しています。

円安の動きが止まらず、輸入大国の日本では物価上昇が深刻なものになっています。

給料は変わらないのに、物の値段が上がっている状態。
昔よりも「普通」を手に入れるための値段があがっているということです。

更には金利の低下
親の世代が豊かに見えたのは、銀行等の高い金利差にあります。

銀行の金利に関しては、30年前では金利6%なども存在し、銀行にお金を預けておくだけで、資産が勝手に増えていく時代でした。

それが今やマイナス金利とも言われており、銀行にお金を放置していても、お金は一向に増えることはありません。


また土地や大手企業の株を手にしていれば、勝手に価値があがる時代でもありました。

優秀な投資先がたくさん存在した結果、同じ給料でも、賢くお金を増やす手段に恵まれていたと思います。

それが、現代では国内市場において、確実にお金を増やせる手段があまりないのが現状です。

リーマンショック、東日本大震災、流行病、まさに激動の時代を生きている私たちですが、あらゆる企業が生まれは潰れ、不確実性が増していることも、お金を増やすことが難しい要因の1つとなっています。

雇用形態の変化

もう1つ、普通の暮らしを難しくしている要因として、雇用形態の変化があります。

これは語るまでもないかもしれませんが、企業が人生の面倒を見てくれるという、終身雇用の時代が終わりを迎えました。

雇用が保証がされ、老後は手厚い退職金と年金により、不自由なく暮らすことができた時代もありました。
今はそれも難しくなり、早期退職を促される時代です。

また、人生100年時代に突入し、長い老後生活をまかなうには、金銭面上、今まで以上に長い期間、労働を強いられることにもなります。

会社員以外に、副業やフリーランスといった、働き方の自由化が進んでいますが、裏を返せば、国や企業だけでは、面倒を見切れませんよというメッセージでもあると思います。

最近では単価が高いフリーランスエンジニアに転向する人も増えていますが、技術進歩が目まぐるしい時代です。
僕自身もエンジニアとして飯を食っている身ですが、第1線で、現役で活躍し続けられる体力がいつまで続くかを考えると、正直寿命が短い職業であるというのが、個人的な所感です。

働き方においても、ひとつの働き方や、一時的な報酬や単価に飛びつかず、長期的な目線で繁栄していくことを、真剣に考えなくてはいけません。

まとめ

暗い話題ばかりで恐縮ではありますが、
「普通の暮らし」を送るには、普通以上の努力が必要な時代になっています。

激動の時代です。今まではこうだったから、はもはや通用しません。

それぞれが自分の身は自分で守るだけの力をつけること。

短期的な目線ではなく、長期でみて活躍できる人材になるためには、どうすればよいのか?

広い視野と高い視座を持ち、単純なスキルや技能だけではなく、柔軟性や発想力といった、一生戦うことのできる普遍的な力を追求していくことが、これからの時代を生きる上で、より求められていくのではないでしょうか。

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