【書評】論理的思考力より直感的思考力
こんにちは!かけだし社長の小寺です。
今日は、久々に夢中になって読んだ1冊をご紹介。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」 (山口周)
今、世界のエリートが、こぞってアート、美意識を磨いているという内容の本書。
アート好きとしては見逃せない、キャッチーなタイトルにも惹かれて読了。
論理的思考力の限界
本書はご親切に、冒頭に本書の要点を全てまとめてくれています。(忙しい人は冒頭の数ページだけでも、かなり刺激を受けるかと)
その中で、特に刺さったフレーズをいくつかご紹介。
まず、論理的思考力は確かに問題解決には役立つが、一方で画一的な答えしか導き出せないという問題点も潜んでいると、著者は述べています。
「正解のコモディティ化」という言葉は印象に残ったフレーズです。
世の中の変化のスピードは目まぐるしいものがあります。以前に増して、不確実性や曖昧さが存在する中、画一的な論理的思考力だけでは、問題を処理できないと、筆者は危惧しているわけです。
これからは、全体を俯瞰し、思考力にも「美意識」を持って、論理だけでは測れない、より直感的な判断が求められるのかもしれません。
定量的指標の限界
また、企業の「美意識」についても、問題定義されています。
現状、企業の価値は、売上、KPI等、数値でしか測られない傾向にあります。
それ故、倫理的に問題があったり、コンプライアンス違反する企業が増えている点にも言及しています。
最近でこそ、SDGsを遵守する点などで、売上以外の評価ポイントは増え始めていますが、それでも数値目標で評価される点はまだまだ根強いと思います。
また、サイエンスに対してのある種アンチテーゼとして、アートを引き合いに出していますが、数値化できるもの、科学的に証明できるものだけが「正」とする物差しだけでは、もはや不完全であるとも言えます。
何をもって価値を測るのか?
数値化できるものだけが正なのか?
単なるデザインやアートに対する美意識ではなく、人としてこうあるべき、企業としての倫理観など、心の美意識でもって、測ることで、足りない何かを埋めていくことができる気がします。
アートは価値の評価軸として、新たな可能性を与える存在です。
今までの価値基準では測り切れなくなってきた今こそ、僕らの評価軸も、大きく転換していかなければならないのかもしれませんね。
そんなことを色々と考えさせられた1冊でした。
僕も日々、答えのないアートにも触れながら、審美眼は磨いていこうと思います。
ご興味がある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
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