浸水想定区域データ

大人と子ども、子育て中のパパ・ママ、NPO、学生、研究者、自治体が立場を超えて、データを元に街を考えるイベントを開催します

品川区内の二年前(平成28年)の交通事故の状況を一つの地図にしてみました。

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・赤の大きめの丸…死亡事故
・ピンクの小さい丸…負傷事故
・黄色の小さい丸…ヒヤリハット
・青いアイコン…保育園、幼稚園、児童センター

です。これは自治体からオープンデータとして公開されているものです。それぞれ個別のデータとして公開されているのですが、一つにまとめて地図にしたほうが興味深いことがわかるかもしれない、と思いついてやってみたものです。幹線道路や大きい道路は自明だとして、それ以外にどんな場所が多いのか調べても興味深そうです。

小中学生のお子さんを持っている親御さんからしたら、小中学校の通学区域を重ね合わせてみたいと思うかもしれません。残念ながら品川区内の小中学校の通学区域はコンピュータが扱える形式にはなっておらず、オープンデータ(使用ライセンスのこと)になっていません。

なのですが、住所との対応は公開されているので、住民自分たちの手でデータを作成すること自体は可能です。以下はWikipediaという誰もが記述可能な辞書の地図版のような、Open Street Mapというサービスです。このサービスはすべてどこかの誰かが描いた集積の地図です(背景に写っているのは下絵にしている衛星写真です)。左上にアイコンがありますが、点、線、面をマウスで描くことで地物をデータ化していきます。

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公開されているデータの中でも興味深いものがいくつもあるということと、どのデータとどのデータを組み合わせてみるかは、どなたでもできる着眼点だということです。そして、データがなければ自分で作る、もしくは取得すればいいのです。

確かにツールを扱うこと、地図特有のディープな知識が必要なところで少しハードルはあるのですが、そこさえ乗り越えてしまえば。

公的データにはない当事者性

昨年度の東京都主催の東京都オープンデータアプリコンテストにて、入賞した車椅子ユーザーにとっての道の通りやすさをCGM(ユーザー自身がコンテンツを作る)で実現するサービスのWheelogの方が入賞し登壇して、わずか数センチの段差が、車椅子ユーザーにとって快適さに大きく関わるということをおっしゃってました。これは行政の不備を指摘しているのではなく、当事者にしかわからないこと、当事者性のあらわれの一環ではないでしょうか。

浸水想定区域

次の例は、国土交通省が公開している、 浸水想定区域のデータを可視化し、先日発表された、東東京の「5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)共同ハザードマップ」と色を合わせてみたものです。ドット絵のようにみえるのはメッシュといってデータを取得する範囲の粗さからきているものです。

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上記データは実用上問題ないにしても、このメッシュの四角の単位と、住民の行動範囲(地理的な特徴や交通機関など)が一致しているとは限りません。

データを可視化することで、行政のデータを地図に可視化する、これまで得られなかった、でも切実に必要な情報が得られる可能性が高まります。

一方で、これは上から下を見下ろす俯瞰視点です。地に足をつけ、日々の生活を送る住民とは視点が異なります。これは単に視点=カメラの配置位置が異なるというだけでなく、そこから見える景色が大きく違うこと、つまり対象となるデータが自分事の視点で眺めることができるのか、あくまで世間一般の言葉は悪いですが他人事のようにみえるのか、ということにも大きく関わってきます。

システムの網の目からこぼれ落ちるニッチかもしれない、でも当事者には切実に大事なデータ。他責で終わらせてはもったいないので、自分ゴトに転換してみませんか?

ミニコンピュータ

自分でデータを取得するハードルは下がっています。iPhoneやAndroidなどのスマートフォン搭載の各種センサーを利用したアプリ、ウェアラブルと呼ばれる身体運動を計測するデバイスを活用されている方も多いでしょう。IchigoJamやMicro:bitなど安価に手に入るミニコンピュータにセンサーを付属することでデータを取得することが可能です。

シビックテックとは

ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、こういった活動をシビックテックと呼ぶことがあります。

シビックテックとは、シビック(Civic、市民の・みんなの)とテック(Tech、テクノロジー)をあわせたものです。「テクノロジーを活用しながら自分たちの身のまわりの課題を自分たちで解決していこう」という考え方やムーブメントを意味する言葉です。

自分で身の回りをデータを測ること。世の中に公開されているオープンライセンスなデータを活用すること。これまでの人生経験を元に、どんな組み合わせをしたらどんな課題がわかるかを、立場を超えた色んな人達と話しつくすこと。

そんなことができる場を品川区と私達コード・フォー・トウキョウ/シナガワでご用意をしました!

アイデアソン実施概要

・実施日:9月24日 10:00〜17:00
・場所:品川区役所内会議室
・対象となる参加者:平成29年度参加者、子どもイベント参加者、子どもイベント欠席者・落選者、新規応募者(多数の場合はバランスをみた要調整)
・定員:50名程度
・参加費:無料

お申込みは以下のページから

連休の最終日ですので、もしかしたら少し参加しづらいかもしれませんが、普段あまり経験することのない場にできればとスタッフ一同お待ちしております。当日はアイデアソンといって、短距離走のようにアイデアを出し続けるイベントです。といってもイメージしづらいかもしれません。こちらのサイトに去年の成果や参加した方の感想を掲載しているのでご一読いただけましたら。 

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そのあと別の日程(10月13、14日)でハッカソンイベントを開催し、このときは実際にデータを集め、可視化し、課題を共有する時間となります(※まだ最終確定ではなく、変更の可能性がございます)。

少し前に開催した、小学生のお子さんを対象にしたワークショップの様子も公開次第、リンクを追記します。

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