見出し画像

教会のそばに I got me flowers

勤務先の近くにカトリック教会があります。そこを囲む沿道には草花が植えられ、梅雨のどんよりした空気感を一掃する鮮やかさ。時々、教会関係者と思われる方が、周辺の掃除とともに花の手入れをされています。

その一角にある低木。可愛らしい小さな花たちにふと目がとまり、写真を撮りました。知らない花だったのでSNSで問いかけ、チェリーセージだと知りました。丈夫で花期が長いそうです。

その日の気分で、T字路を横断して別の方向から出勤してみようとなんとなく思ったところで出会ったチェリーセージ。この大きさになるにはおそらくある程度の年月がかかっているだろうに、今まで全く気づかなかった。

“I got me flowers”  私は花を用意した
イギリスの詩人 George Herbert ジョージ・ハーバート (1593-1633) の詩に、ヴォーン・ウィリアムズ Ralph Vaughan Williams (1872-1958) が作曲しました。

花にまつわる音楽は山のようにあるけど、この曲が浮かんだ。

ヒューマニズムが台頭するルネサンス期、ジョージ・ハーバートは祈りを捧げ、宗教的生活の中で信仰の真理を綴りました。
ヴォーン・ウィリアムズは、音楽は人々のためにあるという信念のもと、生活、民衆、伝統に敬意を払い、豊かな情緒と表現力で多種多様に作品を残しています。彼は有神論者ではなかったようですが、敬虔なジョージ・ハーバートの詩を用いたのは、伝統的な英国国教会への崇敬の念があったと想像できます。

“l got me flowers” 私は花を用意した

出勤前の慌ただしい朝がゆっくりと流れる。
花たちを愛でながら、今日もこの曲を繰り返し聴きました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?