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全く違うプレゼント

「想い出の品」をテーマに記事を書いたとき
嫁ちゃんからいろいろ話を聞いて驚いた。

ぼくと嫁ちゃんとでは
プレゼントの感覚が全く違う

今日はそのあたりを書いてみたいと思う。

・・・

「嫁ちゃんてさ、人にプレゼントあげるときに
どうやって選んでいるの?」

「え、夫くんいきなりどうしたの」

「いやね、嫁ちゃんはさ
良いプレゼントあげるの上手いじゃない」

「良いプレゼント?」

「貰った人が喜ぶプレゼントだよ」

「そうだねぇ・・・ちょっと考えてみるね」

「うむ」

「うーん、たとえばわたしが夫くんに
プレゼントあげるときだけど・・・」

「うん」

「毎日、私たち、たくさん話をするよね。
たくさん話をしていると夫くんの好きな物が
なんとなくわかってくるじゃない」

「わかるの?」

「わかるよ。夫くんはダークブラウンの水筒を
ヘビロテして塗装がボロボロになったとか
いろいろ見せたり話したりしてくれたよね」

「あぁ、まあ、話したかも」

「そしたら新品の水筒をあげたくなるよね」

「えっ、そうだったの。それだけで?」

「そうだよ」

「でもさ、プレゼントで貰った水筒の色は
ダークブラウンじゃなくてビリジアンだよ。
どうしてこの色を選ぼうと思ったわけ?」

「そりゃ、同じ色だとつまらないでしょ。
それに、絶対気に入ると思ったからね」

「マジですか」

「マジだよ。夫くんって濃い系の色好きだし
ごちゃごちゃしたデザインよりも
シンプルでシュッとしてるのが好きでしょ」

「・・・よくわかってるね」

「で、夫くんが好きそうな水筒を見つけたから
プレゼントしたわけだよ。わかった?」

「へい」

「へいじゃなくて」

「はい」

・・・

「じゃあさあ、夫くん。逆にね」

「うん?」

「夫くんはどうやってプレゼント選んでるの?」

「えー・・・それ聞く?」

「うん。教えてよ」

「嫁ちゃんと結婚してから分かったんだけどさ」

「うん」

「ぼくはプレゼントのセンスがない」

「そうなの?そうかなぁ、そんなことないよ」

「じゃあね、ぼくに貰って嬉しかったモノは?」

「えーっと、ケーキとか・・・」

「食べ物じゃないやつで」

「う、うーん・・・」

「ほら、ないだろう?」

「あ、あった。財布。財布だよ」

「それは嫁ちゃんと一緒に選んだヤツだろう」

「あっ、そうか」

「ぼくはね、昔から人にモノをあげて
めちゃくちゃ喜ばれたことってないんだよ」

「そうだったの?」

「“プレゼント”という儀式っぽいのに
あまり意味を感じてないというか」

「何、何、どういうこと?」

「たとえばね、すっごく嫌いな人から
評判の店のケーキを貰ったとしても
素直に喜べないじゃない」

「ああ、ちょっと喜べないね」

「でも、嫁ちゃんから評判の店のケーキを
貰ったりなんかしたら、すごく嬉しいわけ。
一緒に食べよう!ってなるよ。好きだから」

「はあ、どうも」

「だからね、“プレゼントの品”じゃなくて
“誰に貰うか”っていうのが、重要なわけよ」

「なるほど」

「ぼくが誰かに何かをプレゼントするとき
ぼくがあげたいモノをあげるだけなんだよ」

「うわ、それは・・・」

「嫁ちゃんと真逆だろう。嫁ちゃんは
相手が好きだろうと思うモノをあげている」

「そりゃ、そうでしょ。
それがプレゼントだよ」

「うん、独りよがりじゃなくて
相手の気持ちを尊重する。それがプレゼント。
ぼくはここ数年でようやくわかったんだよね」

「ようやくわかったのね(笑)」

「わかってなかったぼくはね
いわゆるプレゼントの成功体験が少ないのよ。
だからセンスも磨かれてないし自信だってない」

「ああ、だからセンスがないって・・・」

「そうなんだよ。実際センスがないから
一緒に選んで買ったのをプレゼントしてる」

「それだと確実だもんね」

「本人に聞いて買うのが一番。
サプライズなんてぼくには難しいんだよ」

「なるほどね」

・・・

ぼくと嫁ちゃんは毎日話をしているけど
いまだに、「そうだったんだ!」と
驚く場面に遭遇することが多々ある。

お互いの違いに気付いて、認めて、笑い合える。
夫婦ってのは、やっぱり面白なぁって思います。


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