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北風と太陽作戦

私は本が好きです。
嫁も本が好きです。

同じ本を読むこともありますけど
私たちは読む本のジャンルが違います。

私はミステリとかサスペンス系が多くて
嫁は好きな作家さんのほんわか系がメイン。

で、私は良い本に巡り合えたときに
嫁に「この本読んでほしい!」って
強烈に思うことがあります。

でも、いくら熱心にすすめても
「いやー、私は読まなくていいかな」
とスルーされてしまいます。

そりゃ、自分に興味のない本を突きだされても
読む気にはならないですよね。わかります。
わかるけど、読んでくれたら嬉しい。

そこで作戦を考えました。
北風と太陽作戦です。

北風のように一方的に勧めるのではなく
太陽のように自分から読む気にさせる作戦です。

具体的にどうやるのかというと
めちゃめちゃ楽しそうに読む。これです。

かのマーク・トウェイン著のトムソーヤが
罰としてやらされていたペンキ塗りを
とても楽しく塗ることで周りの子供たちが
「なにそれ、楽しそう!」
と自ら手伝ってくれたように

私もめちゃめちゃ楽しく本を読めばいいのです。
しかし問題がひとつ。
どうやって「楽しさ」を演出すればいいのか。

普通に読んで、普通に笑うだけでは効果が薄い。
だからといって大げさに笑うのもなんか違う。
むむむ、どうすればよいのだ?

考え抜いてたどり着いた結論が
「走りながら本を読む」です。
ちょっと何言ってるのかわからない?
たしかに、字面だけ見たら狂気の沙汰です。
歩きスマホが霞んで見えます。

話はこうです。
私はダイエットをしていた時期があって
毎日30分以上ジョギングをしたんですね。
でもジョギングって天気に左右されるじゃないですか。

何か雨の日でもできるものはないのかと
ダイエットの得意な友人に聞いたところ
「それなら室内でジョギングすればいい」
という神回答が帰ってきました。
ジョギングといっても広いスペースを使わず
その場で走るように足踏みをするというもの。

で、この『その場ジョギング』を
来る日も来る日も毎日やってたんですが
普通のジョギングと違って景色が変わらないので
退屈なんですよね。
だからYouTubeを見ながら走っていたんですが
ある日ふと(本も読めるんじゃないか?)と
思い立ってしまいました。
で、読んでみたらこれが読めちゃうんです。

その異様な様を見て嫁は絶句していましたが
「ねぇ、そこまでして何を読んでるの?」
と興味を持ってくれたではありませんか。

かくして嫁は意中の本を読んでくれたので
北風と太陽作戦成功です。
まぁ、成功したのはその一度きりでしたが。


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