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とっても強くて、とっても危うい共感力

私は猫が好き。
でも、ライオンとか虎も好きなんです。
チーターとかユキヒョウも素敵ですよ。
猫科の動物が備える身体のしなやかさ。
たたずまい、優雅さ。みんな好きです。

そんな私がライオンのことを調べたら
ちょっとした小話に出会いましてね。
ライオンって群れで狩りをするんですね。

群れっていうのはメスライオンが沢山いて
オスライオンはたった1~3頭しかいない。

で、メスが主体で狩りをして獲得した獲物は
オスライオン→メスライオン→子ライオン
の順番で食べるとされています。

毎回、群れ全体に獲物が行きわたることはなく
子ライオンが餓死してしまうことあるんだとか。

現代に生きる私たちの視点から考えると
子供が犠牲になってかわいそう!
思ってしまいます。

でも、ライオンの群れの視点で考えた場合
群れを維持するために必要なオスライオンが
優先的に食料を確保するのは当然のこと。

更に、ライオンの獲物の視点で考えた場合
オイオイやめてくれ喰わないでくれよって
逃げ惑うのに必死で恐怖と絶望しかない。

・・・何を言いたいのかといいますと
物事は切り取り方によって感じ方が変わる
ということ。

よく、芸能人が不祥事を起こしたりすると
烈火のごとくSNSで叩かれますよね。
当事者とは全然関係ない人が叩きまくります。

これが共感力の危ういところ。

大多数の人が叩いているものは叩いてもいい!
と、あたかも大義名分を得たかのように
それが正しいか、正しくないかは深く追求せず
誹謗中傷の暴力に身をゆだねる人が増えます。
いわゆる群集心理ってやつです。

私たちは共感力によって信頼と仲間を得ますが
猜疑心と多くの敵を作り出すこともあります。
異様なくらいにネットワークが発達したおかげで
小さな種火が森を焼き尽くす業火にもなり得る。
共感力というのはとっても強い力なんです。

そんな強くて危うい力を
私たちは誰もが持っています。
ここまでが前置き。

今回の主題は
コミュニティで意思決定をする場合です。

たとえば
会社の会議などで方針を決めるとき
絶対に必要になってくるものは二つ。
①「なぜ、それをするのか」の論理
②「みんなが納得できる」共感

二つが揃ってはじめて決定されるものですが
『共感』だけで決めてしまうこともあります。

「みんな、これでいい?」「いいですね」と。

この場合、声の大きい人たち(多数派)だけで
話が進んでしまい、声の小さい(少数派)人は
意見を黙殺されてしまいます。
これがまかり通ってしまうコミュニティは
非常に危ういという話です。

ライオンの視点や群れの視点、獲物の視点と
様々な角度からバランスを取れる人がいないと
コミュニティは弱っていくとも言えます。

共感力はとっても素晴らしい力です。
だからこそ
物事を切り取る場所に惑わされない判断力を
私は身に着けていきたいです。


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