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授賞式のスピーチで頭が真っ白に。そんな私が、あの「すまスパ」に…!

ずいぶん前になりますが、ある公募エッセイの授賞式で、田舎の静かな街へ出かけました。

厳かな授賞式の後、軽食を囲んで、関係者50人ほどの和やかなレセプションパーティーを用意していただきました。

そこで司会者から、3位までの受賞者は順番にスピーチを、と急に言われて、3位だった私はケーキに手がつけられないくらい、恐ろしく緊張をしてしまいました。

人前で話すことは、得意な方ではありません。話がまとまらないし、滑舌も悪いし。
上手く話せる自信がない。

スピーチと言っても、司会者の質問に答えて、最後に少し今の気持ちを話す、という程度だとわかり、ちょっと安心しました。
とりあえず最後に話すことを頭で整理しながら、ドキドキで自分の順番を待っていました。

まずは1位の若い女性が前に行きました。
その方は艶やかな色合いのワンピースを着ていて、とても素人とは思えないほどの堂々とした口調で司会者の質問に答えていました。

「慣れていらっしゃるなぁ」と感心していると、最後のフリースピーチで審査員の作家先生方のお名前を引用しながら、圧巻の語りをされて、会場全員がびっくりでした。

彼女は書くお仕事をされていて、審査員の作家さんたちをよくご存じのようでした。

この後にスピーチするのはキツいな、という雰囲気のなか、2位の方が壇上へ。


その方は、ふくよかで柔らかい雰囲気の女性で、年齢は60歳くらい。
終始にこやかにゆっくりと話をされていて、付き添いで来られている旦那様をチラッと見ながら、恥ずかしそうに笑っている姿が可愛らしく、とても好感が持てました。

会場はふわふわした優しい雰囲気に。

次は、私と一緒に3位だった小柄なおじいちゃんがお話をされました。
80代だったと思いますが、遠くからおひとりで来られていて、スーツ姿がピシッと決まっていました。

質問が終わって、「最後に一言タイム」に入ると、おじいちゃんは「ちょっと話を聞いてもらいたいことがあるんですが」と前置きをして、ご自身の地元の話を語り始めました。

地元愛が強く、地元の歴史や文化のことを約10分ほど、マイクを両手で握りしめてしっかりと語られました。
みんなが聞き入るしかなくて、司会者だけは、時間を気にしてチラチラと時計を見ていました。

私は、おじいちゃんの話が全く入ってきませんでした。
この後に行くのは、正直つらい。

ふと、左隣に座っていた受賞者の女性と目が合いました。
メガネをはめた朗らかそうなおばちゃんで、緊張する私の気持ちがわかるのか、目で「大丈夫よ!」と言ってくださっていました。

でも、私はちっとも大丈夫じゃありません。

おじいさんのスピーチが終わり、参加されていたみんなが私を気の毒そうに見てきました。

めちゃくちゃ、やりにくい。

隣のおばちゃんは、「ファイト」って口パクで言って、小さなガッツポーズを私にしてくれました。
斜め前のおじさんも、その向こうに座る若い女性も、列席されている審査員までが、目で「ファイト」を私にくれます。

よっしゃ、行くしかない!
私は皆さまににっこりして、席を立ちました。


ところが前に立ち、司会者に質問された瞬間、頭が真っ白になってしまいました。
しばらくの沈黙の後、

「あ、先程のスピーチが素晴らしくて、あの後では、もう、全部がふっ飛んでしまって。聞いていませんでした。もう一度言ってください。すみません。」

と、ついつい正直に言ってしまって、ドドッと笑いが起きました。

掴みはオッケーです。
いえ、私、こんな笑いは狙っておりません。

それからは、話したことは全部忘れましたが、ピントハズレも承知の上でどうにか質問に答え、最後に、エッセイを書こうと思った理由や願いのようなことを自分なりに一生懸命に話した気がします。

席に戻ると、隣のおばちゃんが手のひらをくっつけながらの、音のない小さな激しい拍手をいっぱいくれて、

「いいスピーチだったわよ。」

と言ってくださいました。

いいスピーチだったかどうだかは、謎です。私は普段から辿々たどたどしい話し方だし、語彙力もアドリブ力もないし、そもそもほんとに緊張していたので。
でも、笑いや同情は、私が一番もらえていたと思います。

その後、やっとケーキを食べることができました。
とっても美味しかったです。



長い長い前振りでしたが…。

なんと!そんな話下手な私が、しゃべっております、あの「すまスパ」で!

コッシーさんとたっぷり、楽しい時間を過ごさせていただきました。

コッシーさん、優しくて、ほんとに素敵なパパさんです。


カチコチになってテンパっている私が話しやすくなるように、コッシーさんが柔らかい雰囲気を作ってくださり、少しずつ緊張も和らいでいきました。

が、我ながら、話がめちゃくちゃ下手くそです。

「居ても立ってもいられない」と「矢も盾もたまらず」が、ミックスするくらいの緊張をしております(笑)

何事も経験!←若さの秘訣!
旅の恥はかき捨て!←旅じゃないぞ!
百聞は一見に如かず!←これはほんと!
の精神です。

ずっと憧れて聴いてきた番組に呼んでいただき、大ファンのコッシーさんとゆっくりお話ができて、私にはとっても嬉しくて貴重な経験になりました。

コッシーさん、すまいるスパイスの皆さま、ありがとうございました!


お時間のある時に、よろしかったら聴かれてみてくださいね。


コッシーさんも、こちらの記事で紹介してくださっています!





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