琲音(はいね)

3人の子の母で、専業主婦。 二女は難病で、医療的ケアが必要です。 長女は結婚し、夫、二…

琲音(はいね)

3人の子の母で、専業主婦。 二女は難病で、医療的ケアが必要です。 長女は結婚し、夫、二女、息子と4人暮らし。 子育てや日々の暮らしのなかで心が動いたことを書いています。 珈琲とエッセイが大好き。 趣味は絵手紙、筆文字、お散歩。

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    「珈琲のオトも」にしたくなるような、心を動かされた素敵なnoteを集めました。何度も繰り返して読みたい、いつでも取り出して読みたい、私の大好きなベストエッセイ集です。

  • 家族のおはなし

    大切な子どもたちのこと、夫のこと、親のこと。

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    私を取り上げてくださったnote、優しい希望を持たせてくださったnote、学びをくださったnote。そんなnoteたちを、クリエイターさんへの感謝を込めて、ずっと大切に手元に留めておきたい。

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父のまなざしと、洋食屋さんのプリンアラモード

「お父さんに愛されていると感じた思い出はありますか?」 と、先日、ある方に訊かれて少し戸惑った。 父に愛されていた、と思っている。 父は家族を何よりも大切にする人だったから。 でも、愛されていると感じた具体的なエピソードが、すぐには浮かばなかった。 昨年の3月に父は亡くなり、会えなくなってもうすぐ一年になる。 父を思い出す機会は少しずつ減ったが、それでも時々、父に話したいことがあると、空を見上げたり、スマホの中の写真を見つめたりすることもある。 スマホで撮った写真に

    • 娘の夫くんが、私の息子になったな、と感じたとき

      あんなに緊張していたのに、なんだろ、この息子感は。 結婚の挨拶の時、あまりの緊張で、お互いにケーキの上に乗っているイチゴのヘタを出せずに、飲み込んだ仲だった長女の夫くん。 あの日から約2年。 彼はほんとに息子になったんだな、と最近感じている。 長女と夫くんが結婚してからも、やっぱり私も夫くんも「よそいき」だった。 彼が来る日は、少しだけきちんとした格好をして。 ちょっとお互いに遠慮しながら、言葉を選ぶような。 しかし、長女たちに赤ちゃんが生まれて、毎日のように彼がう

      • まぁるい春キャベツを見るたびに「クリキャベ」を想う、そんな春です

        「このお話が本になったらいいな」 昨年noteで、せやま南天さんの「クリームイエローの海と春キャベツのある家」を読んだ時、素直にそう思いました。 私はせやまさんのエッセイも大好きで、みずみずしくて、テンポも良くて、読みやすい文章を書かれる方だなぁと、ずっと思っていました。 一目惚れした、いえ、一読惚れした「クリームイエローの海と春キャベツのある家」が見事に2023年の創作大賞を受賞され、ほんとうに本になり、この春、私の手元に本がやってきました。 まぶしくて、嬉しくて、n

        • 家庭教師先で危うくプレゼントされそうになったもの

          朝、オレンジと金色が混じったようなの朝日に向かって、庭で私が洗濯物を干している時間に、ビーグル犬をお散歩させている若いご夫婦をよく見かけます。 そのたびに、学生の頃にバイトしていた家庭教師先の母娘の顔が、ぼんやり、ふわりと浮かんできます。 30年以上も前のことですが、そのお宅で体験した、ちょっとびっくりしたお話を書いてみようと思います。 ***** 大学時代の4年間、私はイベント会場でのビール売りや健康食品のお店など、さまざまなアルバイトをしたのだが、なかでもダントツ

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        記事

          あの場所から見える今年の桜を、君にも届けたくて

          息子が家を出て、約2週間。 まだ、たったの2週間。 でも、もう2週間。 不思議とあんまり寂しくない。 なんだろう、ちょっと彼が部活の合宿に行ってるような、そんな感覚。 それに初孫の世話で、私の気持ちが満たされているせいで、そう思うのかもしれない。 ちっともメソメソしてない自分に驚きつつ、それでも、彼はどうしているかな、と思うと、ついついLINEをしてしまう。 するとだいたい、「夕飯作った」の写真が一枚送られてくる。 お!しょうが焼きやん! お!ナポリタンも作ったの

          あの場所から見える今年の桜を、君にも届けたくて

          「ありがとう」を、目に見えないものたちへ

          長女が赤ちゃんと我が家に里帰りしてから、約1週間が経ちました。 先日はあたたかいコメントをありがとうございました。 とっても、とっても嬉しかったです。 あれからの毎日は、目まぐるしくバッタバタでした。 noteの時間がいつもの2割あるかないか。 好きな本やテレビ番組も、散歩やお絵描きも、あらゆる情報や趣味をあっちに追いやり、フル回転&てんてこ舞いをしております。 長女が里帰り中の4月は、長女や孫に、自分ができるだけのことをしてやりたいと思っています。 もちろん、二女

          「ありがとう」を、目に見えないものたちへ

          眼鏡オジサン作っちゃお!

          遊ぼ! って言っても、「は?なんなん?」っていう返事さえも、もう息子はしてくれない。 息子のいるうちに一緒にあそびたかったのですが、もたもたしているうちに、息子は独り立ちをして遠くに行ってしまいました。    4月1日、今日から息子は社会人として働き始める記念すべき日です。 そんな日に私は、初めて憧れの眼鏡オジサンになりました。 2年前に、ある大好きなクリエイターさんのコメント欄に並ぶ眼鏡オジサンのアイコンたちを見たとき、びっくりしてワクワクした覚えがあります。

          眼鏡オジサン作っちゃお!

          私、おばあちゃんになりました!

          昨日、長女に赤ちゃんが生まれました。 一昨日の夜遅く、陣痛の間隔が短くなった娘は、娘の夫くんと病院へ行きました。 夜間は誰も出産に立ち会うことができないクリニックなので、娘の夫くんも私も、娘のそばにいることができず。 自宅に帰るしかなかった夫くんも、立ち会えないことを残念がり、娘をとても心配していました。 私ももどかしくて、心配で。 でも、母は強し、です。 娘はひとりでもがんばりました。 と言っても、あたたかい病院のスタッフの方々に支えていただき、初産にしては短時間で

          私、おばあちゃんになりました!

          うれしはずかし風呂上がり

          風呂上がり、洗面所で身体を拭いていたら、玄関から声がした。 「母さん!」と息子が私を呼んでいる。 玄関で私を呼ぶなんて、ケガでもしたのか、溝にハマって泥だらけなのか。 そんな溝、近所にないんだけど。 昔なら裸で飛び出して対応したけど、今ではバスタオルを巻いたって、さすがに裸では出て行けない。 「ちょっと無理ー!私、いま、風呂出たばっかり!」 「いいから、母さん!ちょっと来てよ!」 「だから無理って、まだほとんど全裸ー!」 すると、 「こんばんはー!」 と息子

          うれしはずかし風呂上がり

          朝起きると、キッチンのテーブルにポンとチョコが置いてありました 夫からの私への労いかな 二女の体調が不安定なため、数日眠れずにいたのですが、これ見たら思わず吹き出して元気が出ました! キットカットひとつで、安いな、私! 言葉のチョイスが古いぞ、夫! でも嬉しいぞー!

          朝起きると、キッチンのテーブルにポンとチョコが置いてありました 夫からの私への労いかな 二女の体調が不安定なため、数日眠れずにいたのですが、これ見たら思わず吹き出して元気が出ました! キットカットひとつで、安いな、私! 言葉のチョイスが古いぞ、夫! でも嬉しいぞー!

          息子たちの気ままな卒業旅行と、シブいお土産

          北海道へ卒業旅行に出かける息子たちの集合場所を聞いて、びっくりした。 羽田空港。 そこまでは自由に各々が行く、と息子は言う。 え?意味がわからないんだけど。 田舎の地元から遥かに離れた羽田空港まで、どの手段を使っても半日くらいかかる。 そこはみんなで一緒の新幹線やバスを使って、わしゃわしゃ楽しく行ったらいいんじゃないかな? 道中も旅行じゃない? 最寄りの駅から友だちとずっと一緒に行きたい派の母には、彼らのルールが理解できなかった。 でも彼らは、その自由さを楽しんで

          息子たちの気ままな卒業旅行と、シブいお土産

          授賞式のスピーチで頭が真っ白に。そんな私が、あの「すまスパ」に…!

          ずいぶん前になりますが、ある公募エッセイの授賞式で、田舎の静かな街へ出かけました。 厳かな授賞式の後、軽食を囲んで、関係者50人ほどの和やかなレセプションパーティーを用意していただきました。 そこで司会者から、3位までの受賞者は順番にスピーチを、と急に言われて、3位だった私はケーキに手がつけられないくらい、恐ろしく緊張をしてしまいました。 人前で話すことは、得意な方ではありません。話がまとまらないし、滑舌も悪いし。 上手く話せる自信がない。 スピーチと言っても、司会者

          授賞式のスピーチで頭が真っ白に。そんな私が、あの「すまスパ」に…!

          私が「時をかける少女」を好きになった理由

          「俺は時をかける少女が一番好きな映画だな。」 大学生の頃、付き合い始めたばかりの彼と好きな映画の話をしていた。 一番好きな映画を私が尋ねたら、彼はそう答えた。 「時をかける少女なら、確か、録画したビデオテープがあるはず!」と思った。 私は高校生になった頃から、「いつか観よう」と思って、テレビで放映された映画をVHSのビデオカセットテープにどんどん録画していた。 全く観ないまま放置していただけなのだが、その大量のカセットテープの中に「時をかける少女」があったことを思い出し

          私が「時をかける少女」を好きになった理由

          PTAの役員を私に任せてくれた、ご近所のママ友たち

          子どもたちが学校に通っていると、必ず役員決めの時期がやって来る。 3人いたら、3人分。 毎回そのたびに、私は申し訳ないような、複雑な気持ちになった。 我が家には3人の子どもがいる。 長女と二女とは3歳違いで、二女と末っ子の長男は6歳差だ。 つまり、長女の高校入学と、二女の特別支援学校の中学部入学と、長男の小学校入学が同時だった。 現在では3人とも成人しているが、彼らが学生時代は、常にこの「役員問題」がついて回った。 私の住む団地の一角は、同世代のご家族が比較的多い。

          PTAの役員を私に任せてくれた、ご近所のママ友たち

          夫のスーツを30年ぶりに新調する

          「いつまでその男子トイレのマークみたいな肩パッドのスーツを着るの?」 「これでいい、着る機会もほとんどないし、俺は全然困ってないんやから。」 そう言って、約30年前に結婚した際、オーダーメイドで作った深緑色のスーツを着て、その日も夫は出かけようとしていた。 どう見てもシルエットがブカブカしていて古くさい。 肩パッドがバリバリで、フロントボタンが2列ついたダブルの上着。 スラックスはツータックで、股上が深くて裾までズドンと太い。 1990年代から出てきたみたいな彼の一張

          夫のスーツを30年ぶりに新調する

          卒業を迎える君たちへ

          車を運転しながら、何年かぶりに鼻血が出た。 期待と焦りと興奮と、4月のような陽気で少しのぼせたせいかもしれない。 近隣のケーキ屋さん巡りをして、3軒目も休みだった。 木曜は定休日が多い。 しかも、たまたま開いていたお店には、お目当ての商品が欠品していた。 「もういいか、ケーキはあきらめた!男子たちだから、パンにしよう!」 あと20分で娘を生活介護施設へ迎えに行く時間だったので、慌ててパン屋さんに飛び込み、手軽に食べられそうなパンを探した。 「アンパンマンの顔のパンなの

          卒業を迎える君たちへ