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1841年発行ヴィクトリアモハール考察

1841年ヴィクトリアモハールを考察してみました。

モハール金貨は、1841年ヴィクトリア女王の治世下に発行されたものと、1835年ウィリアム4世の時代のものが存在しています。

当時インドはイギリスの植民地で、「モハール」とは、16世紀頃にインドのムガール帝国で王族たちが使用していた通貨の名前から来ていると言われています。

英国にとってイギリス東インド会社を使ってのインドとの貿易は必要不可欠で、インドの標準通貨として現地で主にイギリス人が取引決済用として使用していたとされています。

世界一の天才彫刻家と言われたウィリアム・ワイオンのデザインであることはあまりにも有名です。

表面の肖像は「ヤング・ヘッド」で知られる18歳の時のヴィクトリア女王のポートレートであり、裏面のデザインも、力強いライオンが英国を象徴しており、ヤシの木は勝利や名声を示している言われています。

「東インド会社」の名称が刻まれており7つの海を制した大英帝国を彷彿させます。

コレクターの中で人気が高いですが、違いを見分けるのが難しいコインです。

製造局(ミント)の場所はカルカッタ、ボンベイ、マドラの3か所で、同じ製造局で発行されたコインでも文字のフォントや女王の肖像画、刻印の有無などデザインに違いがあったりします。

簡単に説明してみます。

(1)製造局(ミント)の違い

「B」はボンベイミント
「B&C」はボンベイ、もしくはカルカッタ鋳造所にて製造
「M」はマドラスミント
「C」はカルカッタミント ※発行枚数が一番多い製造局です。

(2)VICTORIA QUEENの配置

Victoria Queenの配置には「divided legend(左右に分断している)」「continuous legend(つながっている)」の2種類が存在します。

(3)ヴィクトリア女王の顔の造形の違い

顔の造形には「通常タイプ」と「フォックスタイプ」の2種類があります。

(4)4の字形

ツノありタイプが「Closslet4」、ツノ無しタイプが「normal4」と呼ばれています。

(5)発行年(1841)のサイズ

(6)W,W(ウィリアム・ワイオン)刻印の有無

マドラス発行のコインには「S」の刻印が入っており、希少性が高く「幻」と言われています。

ヴィクトリア女王(在位:1837年6月20日 - 1901年1月22日)は64年という治世誇りました。

(ヴィクトリア女王)

1841年モハール金貨が発行されたときヴィクトリア女王は22歳の時で、イギリスは世界経済の覇者となり大英帝国の黄金時代を迎える時でした。

モハール金貨の発行枚数は製造所により極端に差はありますが、比較的多いにもかかわらず、取引決済の使用目的からか保存状態の良いものが少なく、コレクション対象のMSクラスを入手するのは難易度は高いです。

また、使用がインド国内に限定されていたため、インドからの国外への持ち出しが禁止されていた当時の時代背景によりオークションに出品される機会も少ないです。

2-3年前までまだ比較的安値で取得できましたが、2022年に入り上昇が顕著になり、2023年に入り上昇の速度を早めました。

今一番勢いのあるコインの1つになります。

アンティークコインは、ハイグレードであればあるほど上昇の速度は早まります。

ヴィクトリアモハール金貨は、イギリスの絶頂期にあたるヴィクトリア女王を代表するコインで、大英帝国の栄光の歴史を感じることができると思います。


<天才彫刻家ウィリアム・ワイオンの代表的作品>

(ウィリアム・ワイオン)
(1817年スリーグレーセスクラウン試作銀貨)
(1826年ジョージ4世5ポンド金貨)
(1831年ウィリアム4世クラウン銀貨)
(1835年ウィリアムモハール)
(1839年ウナライオン)
(1841年ヴィクトリアモハール)
(1847年ヴィクトリアゴティッククラウン)



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