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疲れた目に、マッサージやツボ押しが効くのは本当?実際にどうやったらいいの?

疲れ目に効くといわれる、ツボ押しやマッサージ。果たして本当なのか、刺激すべき場所はどこにあるのか、マッサージ機やお灸なしでもできるのかなど、疑問は尽きないでしょう。今回は、目・耳元のマッサージのやり方とポイントついて、東北大学病院眼科に所属する星佳佑先生に答えてもらいました。


Q1:マッサージやツボ押しって、疲れ目に効果ありますか?
ふとした瞬間に感じる目の疲れ、マッサージやツボ押しがいいって聞いたけど、本当ですか?


A:ずばり、有効です。
ツボ押しやマッサージが疲れ目に効果的な理由は、大きくわけて3つあります。ただし、頭痛や吐き気を伴う眼精疲労の場合は別です。あくまで疲れ目へのアプローチとして有効と覚えておきましょう。

ツボ押しは不調をやわらげる
ツボはそれぞれ、各内臓や器官の不調に対応しています。つまり、目のツボを刺激すれば、目の不調(疲れ目)をやわらげる効果が期待できるのです。また、目は肝臓とのつながりが深く、足裏にある肝臓のツボを押すのも効果的と考えられています。

マッサージはピント調節筋をほぐせる
疲れ目の引き金となる、ピント調節筋の緊張をほぐせるのがマッサージです。目を使うとピント調節筋のほか、眼球を取り囲む眼輪筋や首のうしろにある筋肉も緊張状態におちいります。つまりマッサージは、疲れ目の原因となる筋肉をほぐすのに有効なのです。

"気持ちよさ"はストレス緩和にも
ツボ押しやマッサージをしたときに感じる気持ちよさも、疲れ目には効果的です。気持ちいいと感じると、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されます。ストレスや不調にプラスの効果をもたらしてくれるホルモンのため、ストレスからくる疲れ目をサポートしてくれるでしょう。

Q2:疲れ目に効くツボはどこにありますか?
疲れ目が頭痛を引き起こす前に。代表的なツボを知りたいです!


A:「首のうしろ」「目・耳元」「足裏」にそれぞれあります。
目の不調に対応するツボは、とくに目や耳元に多くあります。なかでも代表的なツボが、目頭の内側の凹んだところにある「睛明(せいめい)」です。かすみ目をパッと晴らしてくれる効果が期待できます。
また、探しやすいところでいうと「太陽(たいよう)」もあります。こめかみにあるツボで、ややくぼんでいるので触って確認してみてください。目のまわりをぐるりとなぞるように刺激するだけでもよいでしょう。

首のうしろにある「風池」
後頭部にある疲れ目のツボで、有名なのが「風池」です。首のうしろにある太い2本の筋の、すぐ外側に位置しています。頭を抱えるようにして両手の親指をあてて上を向くと、程よく刺激できるでしょう。ちなみに風池は目の不調にとどまらず、全身のあらゆる不調に効果的です。

足裏にある「肝臓エリア」
足裏には肝臓のほか、目の疲労と関連性の高い方のツボが複数あります。まず、右足の土踏まずの斜め上にある骨の下に位置するのが、肝臓のツボです。肩のツボは足の小指の付け根からやや下に位置しています。足の人差し指と中指の付け根には目のツボがあるため、セットで刺激するのがおすすめです。

Q3:疲れ目のツボ押しやマッサージのやり方は?
ツボ押しやマッサージにコツや注意点はあるのでしょうか。


A:「力加減」と「スピード」に注意しながら行ってください。
ツボ押しやマッサージのやり方は多々ありますが、いずれも「痛気持ちいい程度」と「ゆっくり圧をかける」の2点を守ってください。痛くしすぎたり、動かすのが速すぎたりすると、身体に過剰な負担がかかってしまいます。手によるツボ押しやマッサージは、お灸やマッサージ機より圧やスピードを微調整しやすいです。ただし、眼球の圧迫や皮膚の薄い目のまわりの刺激には十分注意しましょう。

目・耳のツボ押し&マッサージ
ツボ押しやマッサージにはじめて挑戦するなら、鏡をみながらできる目と耳元がおすすめです。以下の手順で行ってみてください。

  1. 「睛明」を親指と人差し指でつまんで刺激

  2. 睛明の少し上にあるくぼみを、両親指で押し上げる

  3. 親指と人差し指で眉毛をつまんでいく(眉頭から眉尻に向かって)

  4. 目の下の骨の際(瞳孔の下)を、人差し指で押して刺激

  5. 「太陽」を両中指ではさんで圧をかける

  6. 耳たぶ(中央からやや下寄り)を親指と人差し指でつまむ

疲れ目ケアにはツボ押しとマッサージをうまく取り入れて
疲れ目はツボ押しやマッサージでケアできますが、目を疲れさせる原因を知っておくのも大切です。スマホやパソコンを長時間さわったり、視力に合っていないコンタクトや眼鏡をかけ続けたり、疲れ目の原因は意外にも身近に潜んでいます。どうしても仕事で目を酷使する方は、ディスプレイの明るさといった作業環境を整えてみてください。ツボ押しとマッサージを併用すると、疲れ目とうまく付き合っていけるでしょう。


監修医師 星 佳佑

静岡県出身、宮城県育ち。
東北大学眼科学教室所属、日本眼科医会会員、日本硝子体学会会員

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KOWAハピネスダイレクトでもコラボレーション記事を掲載しています。
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