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40年前の2倍!?近視を知って、子どもの眼を健康に。Part2


リスクを減らす生活習慣


前回のコラムで、子どもの近視が増えていると書きました。

子どもの眼が緊張している時間を減らし、眼の健康を守るための生活習慣をつくることで、近視のリスクを減らすことができます。
遺伝という側面や体質もあるので、一概にリスクがゼロになるとは言えませんが、できるだけリスクを減らすための生活習慣について、お話したいと思います。

子どもを近視から守る3ステップ


近視を予防する生活のポイントは、大きく分けて3つです。

1つ目は、1日2時間以上外で遊ぶこと。
「1日2時間以上屋外で太陽光を浴びると、近視が抑制される」という研究もありますし、外で過ごすと遠くを見ることが増えるので、眼の筋肉を緩めることができます。

2つ目は、スマートフォンやタブレット、ゲーム機などのデジタルデバイスを30cm以上離すこと。

・ゲームは、手持ちタイプではなく、テレビにつなぎ、30cm以上離れてプレイする
・動画は、タブレットやスマートフォンではなく、テレビなどのディスプレイで見るようにする

などが大切です。

3つ目は、30分に1回20秒程度遠くを見ること。

窓の外の景色を見たり、ベランダに出てぼんやりしたりするのがおすすめですが、外の景色だけでなく、部屋の対角線上と見たり、隣の部屋を見たりするだけでもOK。できるだけボーっとするのが大切です。

行動が変わる生活環境を


このように、眼にいい生活習慣をつくるためには、子どもの行動が変わる環境をつくる必要があります。

また、何度も同じ注意をすると、子どもも「いやだなぁ」と思ってしまうので、年齢や学年が変わるたびに、みんなで家庭のルールを決めることも大切でしょう。

特にスマートフォンやタブレットは、いくらでも使い続けてしまいがちなので、

・1日30分から1時間までなどと1日の使用限度時間を決めたり、何時から何時までなど使用する時間帯を決める
・子どもに所有させるのではなく、親が貸すというかたちをとる
・寝室やベッドに持ち込まないと決める

など、具体的なルールを決めてみましょう。

眼は、変わりが効かない、一生ものです。
子どもが少しでも長く、健康な眼でいるために、もう一度、大人ができることを考えてみてはいかがでしょうか。


監修:東北大学COI-NEXT「VISION TO CONNECT拠点」
   吉田清香
   宮城県出身
   東北大学眼科学教室、日本眼科医会会員、日本弱視斜視学会会員、
   日本小児眼科学会会員
   藤岡俊亮
   
宮城県出身
   東北大学眼科学教室、日本眼科医会会員、日本弱視斜視学会会員
執筆:沼田佐和子


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