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居酒屋で後ろに並ぶ若者に私ができなかったこと。

「判断ミスしてもうた。」そう後方の若者が嘆いている。
19時過ぎの安居酒屋の店前での出来事。

さっきまで私たちのすぐ前を歩いていた彼が、
私たちが入ろうとした店中をのぞいて大きく振り返り、
50mほどさらに後ろを歩いていた友人たちに駆け戻りながら
「行けそう!」伝えていとた。

私たちはそれを横目にお店に入り、店員さんに声をかけ、
数分後に案内しますと言われるがままに待つ。
4人掛けテーブルが一つ丁度空いて、片づけられるところだった。

冒頭の彼の言葉はこの時に発せられた。
私は振り向けなかった。
結果として私たちはその席に座り、彼らは席を失い、
また別の飲み場所を探しに行ったと思われる。

私は槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」という歌が好きだ。

さっきとても素敵なものを
拾って僕は喜んでいた
ふと気が付いて横に目をやると
誰かがいるのに気付いた
その人はさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった

惜しいような気もしたけど
僕はそれをあげる事にした

きっとまたこの先探していれば
もっと素敵なものが見つかるだろう
その人は何度もありがとうと
嬉しそうに僕に笑ってくれた
槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」冒頭

そして今回も、私は主人公のようにはできなかったなと思っている。

自然にこういう風にできる人間になりたいと願っているのだけど、
得をしたい、損をしたくないと思い、いつも失敗してばかりだ。

「私たちは2人なので、よかったらどうぞ」
そう言いたかった。

そんなの気にせずに自分がしたいことに貪欲になればよい。
という意見もあるだろう。
見も知らぬ人への親切など無意味かもしれない。それも間違っていない。

でも、歌の最後(下)で主人公が手に入れるものに価値を感じる人なら、
それを目指してもいいんじゃないかなと思う。

少なくとも私は人生の最後までには、こういう人になりたいなと願う。
自己満足だけれども。

僕のあげたものでたくさんの
人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の
探していたものだと分かった

今までで一番素敵なものを
僕はとうとう拾う事が出来た
槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」ラスト


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