居酒屋で後ろに並ぶ若者に私ができなかったこと。
「判断ミスしてもうた。」そう後方の若者が嘆いている。
19時過ぎの安居酒屋の店前での出来事。
さっきまで私たちのすぐ前を歩いていた彼が、
私たちが入ろうとした店中をのぞいて大きく振り返り、
50mほどさらに後ろを歩いていた友人たちに駆け戻りながら
「行けそう!」伝えていとた。
私たちはそれを横目にお店に入り、店員さんに声をかけ、
数分後に案内しますと言われるがままに待つ。
4人掛けテーブルが一つ丁度空いて、片づけられるところだった。
冒頭の彼の言葉はこの時に発せられた。
私は振り向けなかった。
結果として私たちはその席に座り、彼らは席を失い、
また別の飲み場所を探しに行ったと思われる。
*
私は槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」という歌が好きだ。
そして今回も、私は主人公のようにはできなかったなと思っている。
自然にこういう風にできる人間になりたいと願っているのだけど、
得をしたい、損をしたくないと思い、いつも失敗してばかりだ。
「私たちは2人なので、よかったらどうぞ」
そう言いたかった。
そんなの気にせずに自分がしたいことに貪欲になればよい。
という意見もあるだろう。
見も知らぬ人への親切など無意味かもしれない。それも間違っていない。
でも、歌の最後(下)で主人公が手に入れるものに価値を感じる人なら、
それを目指してもいいんじゃないかなと思う。
少なくとも私は人生の最後までには、こういう人になりたいなと願う。
自己満足だけれども。
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