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あたたかい世界

「その段ボール運びますよ」

その日、私は娘を抱っこしながら、マンション内のゴミ捨て場へ複数の段ボールごみを持っていくために、エレベーターで下に降りていた。

途中階からエレベーターに乗り込んできた佐川急便のお兄さんが、段ボールとともにエレベーター内にいた私たち親子を見て声をかけてくれたのだ。

仕事中に申し訳ないと彼の申し出を一度は断ったのだが、「大丈夫ですよ」と言われたので、お気持ちに甘え、段ボールをゴミ捨て場まで運んで頂いた。

彼のご厚意が本当に嬉しかったし、実のところ、娘を抱っこしながら段ボールを運ぶのは大変だったので、とても助かった。

子供を連れていると、一人では容易にできたことが難しくなるときがある。今回のゴミ捨てもその一つだ。それでも、気に掛けて、助けてくれる人がいる―そのことがただただ嬉しかった。

佐川急便のお兄さん、本当にありがとうございました。

出産前は、世間で言われている「子供に不寛容な社会」とか「子育てしづらい社会」といったことが怖かった。

けれど、実際に子供を授かった今考えると、そうでもないよなと思う。
今回の佐川急便のお兄さんに助けてもらった件に加えて、外出した際にも、娘をあやしてもらったり、座席を代わりましょうかとお声がけいただいたり、優しさで守られていると感じることが多い。

子連れに対する目が厳しいのも本当かもしれないけれど、あたたかい目で見守ってもらえるのもまた本当だと思う。



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