シンプルだからこそ引き立つものがある #モアザンワーズ

Amazon Oridinalドラマ「モアザンワーズ」。兼近さんの演技みたいな〜と思って、前から注目はしてたのだけど、あらすじはTwitterに流れてくる程度でしか見てなくて、見始めてから、あらすじを再びチェックして「あ!なるほど?」と理解。

この物語の中における、美枝子の選択に対する意見は一旦置いておいて、あくまでもただ純粋に10話一気に見た感想を羅列しておきたいなと今ベッドに横たわりながらフリック入力をしています。

まず、私はこの作品が好きかどうかと言われたら「もう最高!みんな絶対に見たほうが良いよ!」とすすめるような作品ではないかなという感想です。否定的とかではなくて、単純にしんどいし、どうするのがベストだったのか自分だったらと考えても、正解がないからなんだけど。

ただ、役者陣のすごさ、物語への惹き込まれ方という意味では超見てほしい。

その前提で話していきます!

見始めて感じたシンプルさ

CM?などで見た印象がエモそうな、フィルターがかった映像に思えたからか、1話が始まってから3話くらいまでは、あれ?こういう感じ?と思いました。

余計な音楽もなく、映像も良い意味でエフェクトをかけたような感じではない。マッキーとミエコ、エイジの会話が良い意味でセリフ過ぎなくて、アドリブ?と思うシーンも多いからか、なんだか良い空気感だな〜ってずっと流し続けてました。でも、この時の加工しすぎてないようなシンプルさが、めちゃくちゃ後から効いてくる印象。

息づかいも、そのままなんじゃないかと思うくらいリアルだから、登場人物と一緒に緊張するし、苦しくなる。あと余白を余白のまま残しているがゆえに「あー今、すごく言葉選んでるんだろうな」みたいなことが想像できちゃう。

特に7話は他の回以上にしんどかった。その中でも、電話のシーンでのミエコが………。ここはもう話しすぎないようにしたいから、ぜひ見た方がいたら語りましょ。

あと唯一?のシンプルじゃないシーンが最後の最後にあって、それはエイジって名前を呼んでくれたマッキーを回想するシーンなんだけど、そこが今までシンプルに時系列順に描いていたからこそグッと掴まれた。あー好きだったんだな、終わらせないってミエコと言ってたけど、会ったことでエイジの中では終わらせたんだなって解釈してしまった。あくまでも私はだけど。

役者陣のすごみ

いや、もう全員ハマり役すぎて、すごいという言葉に逃げたくはないけど本当にすごい。

何がすごいって物語の始まりと終わりで約10年経ってるんだよね。(年数違ったらすみません)

その間での3人はそれぞれ変化するんだけも、まずは藤野涼子さん演じるミエコ、恋に興味がない学校でもあまり人とつるまない子がマッキーやエイジ、サカキさん、アンナ、いろんな人と出会って、その間に美容に興味を持ち出したり、よく笑ったりする子になるのが最初の変化。そこからどんどんたくましくなっていくのだけど、もしもマッキーが夜のコンビニで出会った当初のミエコだったら、あんな決断できなかったよなって。マッキーのことで葛藤しながらも、ずっとたくましい、気づいたら支える立場になっていくキャラクター解釈が、もうどうなってるの??って。

エイジ役の中川大輔さんはミエコとマッキーのお兄ちゃんとしての顔から恋人としての顔まで。特に家族に話したときと、出産後のシーンでの顔つきの違い。志帆を見て大粒の涙を流すところは、エイジとしての説得力がすごかった。髪色が大幅に変わったから、服装が変わったからとかではなく、高校生から見たお兄さんのエイジから、大人・社会人として対等な立場になった時、ミエコとマッキーから見た彼の印象の変化を大袈裟でなく溶け込むように変えていっているような印象を受けて。ちなみにわたしはエイジというキャラクターがめちゃくちゃ好きでした。

マッキーを演じた青木柚さんに関してはもうどえらい俳優さんに出会っちゃったなって感じです。なんだろう、ひとつひとつのシーンをあげだしたらきりがないんだけど1話から10話までの間に1番変化するところが多かったのがマッキーだと思っていて。みんなの人気者セノオくんから、エイジ中心になっちゃうマッキー、エイジの家族と会ったり高校を卒業した後でひとり考え込むようになっていくところ、ボロアパートで一人暮らしするようになるところ、朝人に出会ってから……ぜーんぶで顔が違うんですよ。最初が人気者から始まったがゆえに、こんな顔できるの?って何度も驚かされました。マッキーは優しいがゆえに自分の役割を考えてしまう子だと思うし、ふとした時に自分何もないんじゃないかと落ちちゃう儚さも持っていて。そのどちらもを嘘っぽくなく表現されてたからこそ、見ていてめちゃくちゃしんどくなったのかなって。青木さん以上のマッキーはたぶんいない、本当に。

そして兼近さんね。演技もできるのか、もはやできないことあるのかという感じですよ。朝人はマッキーが1人になってから出会うキャラクターなんだけど、作中では恋人とも友達とも言えないような関係性。その距離感がめちゃくちゃ絶妙なのよね。過去に負い目を感じているマッキーに対して「頑張れ」という言葉を投げかけれるのは、同級生であるがゆえだと思う。後半で登場するキャラクターなので変化はそこまでないけど、朝人がいたからこそ3人の時間は動き出した。あとシンプルにおふざけなしの兼近さんまじでただただかっこよすぎる。美容室やマッキーの髪を洗う時の所作とか、ちょっと笑う感じがズルすぎる!店長に「この仕事好き?」って聞かれながらもマジメにそつなくこなすところとかもなんだかリアルなのは兼近さんのこれまでの人生ゆえなのかしら。また何かの作品で役者としての姿を見たいな。

ほかにもね、陽気なパパ蔵之介さんのことも、不器用なママともさかりえさんのことも語りたい。なんならストーリーについてだって話したいんだけど、ちょっと指が限界なので。これくらいにしときます。Twitterアプリふたたびログアウトしたので、ちょくちょくnoteで感想書いていこうかな。おやすみ。

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