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おすすめ詩集『ぼくはひとりで 夜がひろがる』

こんばんは☘️

静かな春の夜に、立原道造詩集『ぼくはひとりで 夜がひろがる』を紹介したいと思います。

この詩集は十数年前に購入したもので、今は書店で手に入らないかもしれません。

当時、魚喃キリコさんの挿絵に強く惹かれたこともあって、即決で購入したのを覚えています。

魚喃さんの立原道造への愛を感じる1冊で、挿絵と詩と空白のバランスが本当に繊細で美しいです。

ぜひ、手に取って開いていただきたいです。

収録されている詩のうちのひとつを引用したいと思います。

月の光に与えて

おまへが 明るく てらしすぎた
水のような空に 僕の深い淵が
誘われたとしても ながめたこの眼に
罪は あるのだ

信じてゐたひとから かへされた
あの つめたい くらい 言葉なら
古い泉の せせらぎをきくやうに
僕が きいてゐよう

やがて夜は明け おまえは消えるだろう
――あした すべてを わすれるだろう

朝日が昇ることで訪れる月との別れは、どこかロマンチックな別れです。

詩って、読むたびに本当に色々な感じ方や解釈ができます。

わたしは詩のそこが好きなのですが、読み継がれる良い詩ほど、さまざまな解釈や感じ方が許される気がします。

そのうえ、この詩集は魚喃キリコさんの挿絵がいっそう詩の世界を広げてくれていて、とても素敵な世界へ連れていってくれます。

もし、手に入りましたらぜひ読んでみてください☘️



今回は、以前書いた記事をリライトして紹介させていただきました🙇

お読みいただきありがとうございました☘️

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