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意外としぶとい「声ハラ」問題

「声が小さい」
昔からたびたび言われてきた。

学校や会社での発表の場は必ず「聞こえないのでもう少し大きな声で」の指摘が入るし、
テレビ会議では「ちょっと聞き取りづらいです」と言われ、
居酒屋で店員さんを呼ぶ「すみませーん」は3度目でようやく気づいてもらえるかどうかだ。

とくに学生時代によく言われました。
「声が小さい!やる気あるんか!?」

いつも雰囲気でハイッ!って返事して
さらにその返事が小さいことすら怒られてたんだけど、
なんとなくモヤっとしたものを感じていた。

なんで声が小さい=やる気がない扱いになるんや…

ていうか、私なりにめっちゃ声出してますよ。
けっこうこれでも精一杯なんです。
聞き取りにくい周波数なのかなんなのか、とにかく人には聞こえづらいんですよ。
それはどうやって治したらよろしいのん?

聞こえない、聞き取れないのは話している内容が把握できないから困るというのはすごく分かるし、
「発表する会場内に届く声量」という明確な指標があるから対応しやすい。
マイクを使わせてもらうとか、大事な部分はテキストベースでお伝えするとか、代わりに対応できる方法もいくつかある。

けれども、「やる気を見せる声量」って何なんだ。
既に聞こえてるなら問題ないやないか。
そもそも、声の大きさって明らかに個人差あるし
もともと声がでかい人=やる気あるみたいな判断の仕方ってズルくない?チートじゃね?

なんかそういう、個人の元からある資質に対してケチがつくような物言いってどんどん廃れていく風潮だけど、この文化ってけっこう根強く残ってないかと感じる。

「声が大きいのは良いことだ」
ある種の思考停止による「声ハラ(声出せハラスメント)」の類は、一般常識みたいな顔をして世の中にしれっと存在している。

そういうものたちに気がついて、「これってどうなの?」と改めて言えることができると
マイノリティにも優しい社会になるのかなぁって思う。

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