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月とねこのカフェ

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カフェで話すような、なにげない話題についてのエッセイ☕️
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音楽

不安で、胸がどきどきすることがあった。原因についてはもう何度も何度も考え尽くしていて、あとは天命を待つ他ないとわかっていた。これ以上解消しようもないものに対処するには、不安に与える時間を少なくするしかない。気持ちを落ち着けるために良い方法を探して、わたしはお茶を淹れた。久しぶりに、ていねいに。空っぽの部屋を慣れ親しんだ音楽で満たしその熱いお茶を飲むと、騒いでいたものが急速におとなしくなるのを感じた。「静か」にもいろいろあるが、緊張がはりつめてうるさいくらいの「静か」もあれば、

おいでよ

『どうぶつの森 ポケットキャンプ』を、かれこれ2,3年くらい遊んでいる。Switch版の『あつまれ~』ではなく、スマホアプリ版の『ポケットキャンプ』だ。楽しい。 特別何が楽しいというわけでもないかもしれない。ただ、めずらしいサカナやムシを集めたり、特別なクッキーを食べたり、フレンドにギフトを贈ったり、どうぶつたちに話しかけたり。その時の気分に応じて、気まぐれに島々を探検するだけだ。何かをやっつけるでも達成するでもない。その「なにもしなくていい感」が好きである。 何かを達成

恋の美しさは、制御できない心にある

恋が無条件に良いものだとは思わない。ただエンターテインメントの題材として恋というものにふれたときに心が揺り動かされてしまうのは、合理的・理性的に制御しつくせない感情の振れ幅に振り回される人間という生き物のいびつさ、不完全さに共感と愛おしさを覚えてしまうからではなかろうか。少なくとも人間以外の生き物にはない不器用さである。 なぜ人を好きになると、つい連絡を取りたくなってしまうのだろう。なんでもない時にふと思い出してしまうのだろう。やきもきしたりもやもやしたり決して良いことばかり

ドライコミュニケーション

コミュ障である。コミュニティを作って日常やり取りするのが本当に苦手である。『これから先長く関わっていかなければいけない』『うまくやっていかなければいけない』と思うほど苦手だ。欠陥と異例すぎる人生を過ごしてきたわたしが、『普通に』『それなりに』なんて器用さで人と上手に渡り合っていけるはずがないのだ。好きならぶつかって痛くても良い。嫌いなら周りからどう思われて、どう痛くてもかまわない。そんなやり方しか知らない。 ”ロック”と言ってはロックに失礼なくらい極端で乱暴に生きているわた

過剰労働全避けマン(内臓)

わたしの体の中身はおおむねお利巧さんさんである。ありがたい。夜に漫画を読みすぎて悪くなってしまった視力や、頬杖をつきすぎて上手な閉じ方を忘れた顎以外は元気で、少し違和感があっても病院へ行けばすぐ治る。 そう、彼らは通常与えられた仕事は十二分にこなす。そのかわり時間外労働は一切しない。特別な事情で新たに課された仕事は絶対に引き受けないのだ。 例えば、普段の暮らし方で過ごしているぶんには、全くと言っていいほど風邪などひかない。が、ほんの少し無理をした途端鼻の奥がツーンとしてくる

お告げ is here

むしょうに、お告げがほしい時がある。『これからどう生きればいいですか』『何を大切にしたらいいですか』『こんなやり方で合っていますか』『何かを新しく始めるべきですか』。漠然とした不安が形を持つと、いち早く答えが欲しくなる。納得できる絶対の解答がほしい。今すぐに。 自分の認識こそがその人の世界のすべてなので(と少なくともわたしは思っているので)、もしも誰かから「こうすればいいよ」と明快に答えてもらったとしても、『ほんとにそうかぁ?』ってな具合に、自分が心の奥底でこれだと感じてい

ひまを愛する

思いついたことだけを書いていると中身が似通ってしまいそうなので、今回から裏テーマを設定することにしました。裏テーマは家にあった英単語帳をランダムに引いた中から選んでいます。『今回の裏テーマは何かな?』という部分もあわせて、お楽しみに! 空いた時間はすぐに埋めてしまう。アクティブじゃないからお友達と会う約束とかじゃなく、『この計画進めよう』とか、『この勉強しよう』とか、自分でできる範囲の中で。(こう書くと意識高い系みたいでイヤだな。ついだらけちゃったり、予想外に疲れていて結局

お好み焼きV.S.たこ焼き

お祭りなど、屋台が出るイベントが大好きである。みんなも好きだよね?嫌いな人いる?? 何を食べるかいつも悩む。あんず飴のすもものやつはいつも絶対に買うと決めているので、最初に通りを歩く段階であんず飴屋の位置は把握しておくようにしている。メジャーどころの焼きそば屋などとは違い数が少なく、屋台による味の違いもほぼないので、1件場所をとらえたらそれでよい。 いちばん悩むのは粉もの類。お好み焼きかたこ焼きか、それが問題だ。かつての偉人もそんなふうに思い悩んだに違いない。 目玉焼きが

重役会議室であり遊び場でもある、その心は

酔っ払ったり体調を崩したりすると、小さなミスが増えます。買い忘れをしたり。お茶をこぼしたり。柔軟剤を入れすぎたり。 普段、会話の中でどれくらい面白い返しができるか、ということに120%の力を注いでいるのですが(他に注ぐとこないのか)、返答の瞬発力もかなり落ちます。それ以前に、噛みやすくなる。舌の動きが悪くなるような感じ。 普段の生活でどれだけ脳のはたらきに助けられているかということを実感して、愕然とします。そりゃ首が凝るほど重たいわけよ。 ひとりが大好きなわたしのいちばん

愛すべき非日常

セットじゃなく、ひとつっきりで売られているものって大好きです。美容マスクとか、入浴剤とか、ちょっといい紅茶やコーヒーとか。お菓子でも野菜でもシールなんでも良いのですが。 セットで手に入れてしまうと、3回も使えばもう日常になってしまう。わくわく感や新鮮味が失われてしまうんですよね。飽きやすいのかもしれない。 刺激に弱いくせに、『非日常』が大好きです。だから本を読んだり、ゲームをしたりするのかも。今はとても想像できない生活や常識に飛び込んでみたい。古く凍りついた価値観をぶっ壊さ

Go with the blue.

今週から毎週エッセイを掲載していきます! 土曜に更新する予定です。お楽しみに◎ 「流れに身をまかせて」というのを、英語では"go with the flow"というそうです。今日はなんだか青にみちびかれた一日だったので、今回はそれを"go with the blue(青に身をまかせて)"と呼んで、紹介させていただきます。 思いがけず起こったことが、後から考えると、結果的にベストだったな…と思えることがよくあります。「あれは伏線だったんだぁ…」とぼんやり感じます。お昼はこっ