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鏡に浮かべる



私と娘のホラージョークを1つ披露します。



私から娘へ母乳という栄養を与えなくてよくなった頃から母親として関わりつつ、友達ような感覚も持ち合わせて娘の育児をしていたように思う。


もちろん当時はしっかり母親しなきゃ!と超背伸びをして必死だった。


躾、礼儀、常識、マナー、モラル…
社会に出た時に困らないように。
人様に迷惑をかけないように。

少し早めに出産したこともあり世間体をとても気にしていた。


世間体を気にしながらも必死で多感な若い私は、育児に仕事に家事に友達に恋愛…と多方面に人生を楽しんでた。

やはり、楽しい時があれば楽しくない時という人生の下積み期間は訪れる。



そんな私の崖っぷちメンタルなど梅雨知らず、娘は娘の人生をマイペースに送っていて、おもちゃの片付けをしなかったり宿題せずに遊びに行ったり、"子供あるある"を繰り返してのびのびと過ごしていた。


「ママのこと嫌いやからママを困らすんでしょ!」といった内容で怒ったことが何度もある。



そして毎回、失言をして自己嫌悪に陥る"母親あるある"を繰り返す私を、マイペースな娘は寛大に許してくれるという"親子あるある"を有難いことにループしていた。

もちろん時間が経てば元通りになることがほとんどだったが、娘は手紙だったり絵を描いてくれたり、作品を見せてくれたりなどで仲直りのきっかけをくれることもあった。



そんな日々を過ごしていた、夏の暑い日。

またやらかす娘を叱って「もう先にお風呂入って!」とお風呂場に連れて行き1人で入ってもらったことがある。

お互いに頭を冷やす時間を設けて、お風呂から上がってきた娘と入れ替わるように私もお風呂に入る。


浴槽のお湯が少しぬるかったのでお湯を溜めながら入った。

自由なモクモクとした湯気が浴室を占領していく。

ジャンプーを流し終えて顔を上げて、ふと鏡を見ると文字が浮かびあがっていた。



ーー『まま 大すき』


小学校低学年の拙い文字で書かれたそれ。

一瞬、ヒッとなった。
お風呂に入ってるのに寒気を感じた。


だけど、全てを理解した瞬間、笑っちゃった。

"母親の鏡"のような人間であれば涙が流れるんだと思う。でも私は母親でもあるが友達感覚でも娘と関わっていたので、
幽霊の仕業かとビックリした自分と、鏡に文字を書いた娘を想像したらなんだか面白くて笑っちゃって。


娘の行動にほっこりして、寒気がしたのでした。


ちゃんちゃん。







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