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「Webサービス×コミュニティ」勉強会レポート

様々な業界の人が集まっているコルクラボでは、メンバーによる不定期の勉強会が行われています。
先日、フリーでWebディレクターをしているメンバーが開催した勉強会が行われました。
題して「Webサービス×コミュニティ」です。
その時の内容の一部をレポートします。

自己紹介
メンバー:
本日は、私が教えると言うより、経験談をお話しますので、色々と質問してください。
先ずは、私の自己紹介です。
今まで、ブログデザイン、コミュニティ系サービスの開発およびアプリ開発、ユーザーテストルームの開設、動画編集アプリ開発、ファッションメディアの立ち上げ、などに携わってきました。

今回お話しするのは、コミュニティサービスに関しての経験談です。
当時、スマートフォンが流行ってきた時期で、PC版は先にあり、続けてスマートフォン版の立ち上げをしました。


コミュニティが熱い!?
メンバー:
その時、ゲームにコミュニティサービスを入れ込むと、継続率や課金率が上がったため、社内でコミュニティが熱いと話題になりました。


どんなサービスだったのか
メンバー:
どのようなサービスかというと、コミュニティが作れるサービスでした。
サービス内でできることの例としては、何のコミュニティなのか、どんな人に来て欲しいのか、を表示することができます。
加えて、コミュニティの規模、熱狂度、掲示板の公開・非公開など、管理人側でかなり自由度を持って設定できるサービスでした。

また、サービス立ち上げ初期に、誰でも入れるコミュニティだと盛り上がらないという話になり、コミュニティ内で参加者のレベル分けができるようにしました。
誰でも入れるオープンなコミュニティより、クローズドなコミュニティの方が掲示板が盛り上がったりするんです。

担当業務の内容
メンバー:
当時、スマートフォンが出てきた時期に、ネイティブアプリで勝負することが会社の方針として決まりました。
それに伴い、各コミュニティアプリを開発するチームのコンサルを、私が担当することになりました。
そして、このようなアプリを作成しました。
(コミュニティアプリ群の一覧を見せる)

参加者:
え〜!こんなに作ったんですか!?

メンバー:
私はグロースハックだったので、プロジェクトとして関わったわけではなく、例えば1週間だけ見て、改善点や方針を示すなど、コンサルとして各アプリに関わっていました。
さらに、各アプリのプロデューサーを集めて、知見を共有したり、リリースの決定をしたりしていました。

失敗と成功
メンバー:
特に初期は、かなり高速回転でアプリを立ち上げていて、リリース半年以内に継続率が規定の水準に達しなかった場合はクローズする、といった感じでした。

参加者:
もう少しやりきれば上手くいくかもしれないアプリはなかったんですか?
その意思決定では、そういうところまタッチできなかったんじゃないでしょうか?

メンバー:
そこはみんなすごく頑張るんです!本当に!笑

参加者:


メンバー:
エンジニアさんもほぼ徹夜で、機能にもこだわって、リリースまでとにかく頑張るんです。

参加者:
すごいですね!笑

メンバー:
とはいえ、頑張る対象が、サービスへの愛情ではなく、どうしても数字優先になってしまうことがあったんです。
数字が上がればいいという考えだと、以前成果が出たことを取り入れようとするので、みんなUIが似てきてしまい、結果オリジナリティが失われ、サービスとして沈んでしまう。
そういったことが多くありました。

結局、残るサービスは、本当にWebサービスが好きな人、コミュニティに愛着がある人、そういった人が運営しているサービスでした。

参加者:
なるほど。とてもリアルな結果ですね。

メンバー:
その他の成功事例としては、カテゴリーがかなりオリジナリティのある、匿名の掲示板サービスでした。
このサービスは、中のコンテンツがテレビドラマ化したり、有名なブロガーが出たりなど、とても上手くいきました。

また、工夫することで上手くいった事例もあります。
画像共有サービスで、”いいね”をしてくれたら、”いいね”をお返しする、初めての投稿には”いいね”をする。
このようなことを、文化として醸成することができたサービスは、とても成功しました。

参加者:
初めての投稿大事ですよね。

メンバー:
そうなんです。
初投稿で”いいね”された人と、”いいね”されなかった人の、継続率をデータ分析すると、”いいね”された人はほぼ継続するのに比べ、”いいね”されなかった人はもう投稿しなくなります。

しかし、その結果を鵜呑みにしてしまい、”いいね”を押してもらえれば上手くいくという思考になってしまったこともあります。
そのため、”いいね”ボタンをすごく大きくしたり、”いいね”を10回押せるようにしたりなど、力技に走ってしまった結果、ダメになってしまったサービスなどもありました。笑

参加者:


メンバー:
あと、失敗した例としては、ユーザーアンケートを信じすぎて、ダメになったサービスもあります。
”面白い画像”を投稿するサービスだったんですが、ユーザーから、なんでも投稿させて欲しいといったアンケートがいっぱいきたんです。
そういったユーザーの声を安易に取り入れ、なんでも投稿できるようにしたところ、なぜかペットだらけになってしまいました。
そのため、同じような内容の有名なサービスとかぶってしまい、このサービスは沈没してしてしまいました。

参加者:


メンバー:
恐らく、このサービスに対してあまり愛着がない人が開発していたことや、数字を追いかけ過ぎてしまったこと、さらには、ユーザーアンケートを過信してしまったことが原因だったかもしれません。

参加者:
なるほど。
自分のやりたいことがないから、ユーザーアンケートに頼ってしまったんでしょうね。


質疑応答
参加者:
今仕事で、いくつかアプリを担当しているんですが、サービスとしての間口を広げようとすると、どうしても内容が薄まってしまったり、世俗的なものになってしまったりするんです。

私の志向としては、リスペクトされるものを作りたいという気持ちを持っています。
世間を見渡すと、良いコンテンツを提供しているサービスが苦戦している一方、アダルトコンテンツなどを扱っているサービスが、簡単に収益を上げている現状があります。
このような状況だと、理想と経済的合理性の両立が難しいです。
どうしたら良いんでしょうか?

メンバー:
例えば、売れている雑誌だと、入り口が低く、奥が深くなっているものがあります。
Webサービスにおいても、同じような形で上手くいっているものもあるので、設計次第だと思います。
雑誌の例だと、有名なアニメを起用して、多くの人に興味を持ってもらえるよう、入り口を低くする。
しかし、奥に入っていくにつれ、だんだん深い内容が用意されている。
そのようなやり方はとても有効的です。



コルクの行動指針として「さらけだす」「まきこむ」「やりすぎる」が採用されており、コルクラボのメンバーもとても影響を受けています。
今回の勉強会でも、失敗談を「さらけだす」ことから良い議論がいくつも生まれました。
議論の内容はとても興味深いものでした。
そんな中、私が印象的だったのは、「さらけだし」て話すメンバーの楽しそうな表情でした。
そう、「さらけだす」ことは楽しいんです。

このような行動指針が境界線として働き、メンバーが活動していくことで、コルクラボというコミュニティが少しずつ拡大、熱狂していく。
コミュニティプロデュースを実践していくことを目的とした、自らのコミュニティを作る過程も実践する。
もしかしたら、受け身の人には何も学べない場かもしれませんが、自ら学ぼうとする人には、多くを学べる場になり得るかもしれません。


最後に、このレポートを書いている私は、編集者志望の人間です。
自ら学ぼうと動くことで、人の依頼や助けをいただけ、一つずつ形にする経験をさせてもらっています。
コルクラボは自由な場ですが、逆に、何も保証はありません。
しかし、気持ちを持って動いている人が見過ごされることはありません。

私も、気持ちを新たに第2期の活動をすることがとても楽しみです。


コルクラボ第二期募集(~6月11日(日)で)
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