見出し画像

メイトリックス大佐の戦術書 その3 強い企業とは他企業の追従を許さない圧倒的な参入障壁を構築できているかで決まる。


ごきげんよう諸君!
投資コマンドー部隊大佐のジョン・メイトリックスだ。
投資コマンドー部隊
「マッチョナブルインベスターズ」へ
ようこそ!

投資や経済に纏わる疑問をマッチョに解決。
投資に必要な物は筋肉。
この日記のコーナーは
あらゆる投資の戦場を駆け巡ってきた
メイトリックス大佐が書き記す戦術書だ。
毎週一回の更新を目指している。 
ぜひ一読してほしい。

これまでメイトリックス大佐の戦術書をまとめた 
リンクはこちらだ。 



さて 
第三回目となる今回のメイトリックス大佐の戦術書。

今回のテーマは企業の参入障壁に着目している。 
銘柄探しのヒントに役立ててもらえたら幸いだ。 
そして、今回の記事に関しては 
起業家を目指す者やフリーランスで働く者にも
参考になる事も書いている。 

参入障壁とは? 

このAI画像は城池が構築された城である。戦時において、敵の侵入を防ぎ、進行を遅らせる為の重要な障壁となる。

 
ビジネスの世界において 
事業を興す起業家の事業内容に対し
出資者や債権者側が
必ず起業家へ尋ねる重要な要素の一つが

この参入障壁の有無である。

参入障壁とは 
その業種業態において 
ライバルとなる同業他社に 
似たようなサービスを真似をされて
自社の集客、売上を奪われない為の 
工夫や試行錯誤の事である。 

この参入障壁の構築は 
その企業の生命線であり 
長い商売を続けていく上で
必須とも言える重大な要素なのだ。

※中には、参入障壁を作らずに
数年、短期間で売り逃げする事を前提に
店舗を構える一撃離脱的なやり方も存在する。

この参入障壁が構築されていない場合
いかにその企業が素晴らしいビジネスアイデアと
サービス内容を展開していても
大手の資金力などで真似されてしまえば 
ほぼ、勝つ事は不可能である。 

そこで、簡単に真似されてしまわない様に
そのビジネスモデルを参入障壁によって守り続けなくてはならない。


事業における代表的な参入障壁



株式投資を行う者が
銘柄探しにおいて
特に長期で保有したいと考えた場合

その企業の参入障壁となっている
要素はどこにあるのか?
を意識して財務指標を見る事で
また違った印象を持つだろう。

総売上やキャッシュが例年上昇している
という企業の一つの成果に対し 
「この企業は売上安定しているから買いだな」
という結論で終わるよりも

「なぜその企業はライバル企業が多いにもかかわらず
安定して毎年利益を出し続ける事ができるのだろう?」

と、その要因を疑い、探る方が
より深く、財務の仕組みを理解できるだろう。
そして
参入障壁の正体を見つける事が
その疑問の解決に結びつくはずだ。 


代表的な参入障壁とは 

■事業規模 の広さ 
(フランチャイズ等展開している店舗の数で優位である事)

■市場占有率  
(とある期間でのその業界の商品の売上に対する比率)

■ 構造的な 競争優位  
(財閥の様に素材や食材の調達から製造、販売、流通の一切を
他企業へ委託せずに一つの企業で解決できている)

■無形資産(ブランド)の有無
(消費者がその商品を使う事や店舗に通う事そのものに価値がある)

■他企業への乗り換えコスト、手間暇が発生する。
(車、キーボード、スマホなど、
すでにデザインや配置が決まっていて
ユーザーが慣れ親しんでいる商品に対して
新しいデザインを提供する場合、消費者はそれを回避しやすい)

同業他社を比較し、 
上記のこれら参入障壁が高いほど 
そのビジネスは強いと言える。 


特に、財閥やコンツェルンなどは
生産活動の上で利用する
材料調達の一次産業 (農業、伐採、畜産など)
材料を加工する二次産業(工場など) 
加工した物を購入し
商品を製造して販売する三次産業(飲食店、小売店等) 
これらを一つの事業で統合し
展開する事ができる企業は
非常に強い。

なぜならば、通常は専門
外の業務を
外注委託するが 
その際にコストが発生する。 
財閥やコンツェルンはそれらを自社で賄える為
委託料が発生しない。
一次~三次までの産業を
低コストで実現できるため 
負債額を大きく減らす事ができ 
結果的に競争において有利に立てるからだ。 


この図はスマイルカーブと呼び、左から右の順番でプロセスが進む。
事業のにおける収益性の高さは図の様に笑った口の様なカーブを描く。
これらを一つの企業によって構築している企業は
全ての付加価値を作り上げる為、非常に強い。

同じビジネスにおいて
同じポテンシャルを持っている場合は
同業他者との比較をする際に
企業のスタミナ、体力に着目する事が重要だ。

その動力源ともなるのが資金であり
資金繰りがうまい方が有利である事は
想像に難くない。

各企業が近いクオリティの商品を作る場合
それにかかる手間暇やコストが多いほど 
徐々に製造スピードや販売価格に
差ができてしまう。

長期で安定した企業を見つける際には
これら参入障壁を知る事が大切だ。 


弱者の戦術


上記の説明は大企業同士の競争に
焦点をあてたものであるが 

強者へ弱者が挑む戦術も存在する。 

弱者の戦術を知りたい者は
ランチェスターの生存戦略を検索すると
その内容をうかがえる。

余談ではあるが
私自身もこのランチェスターの生存戦略を読み漁り 
自身が行うビジネスや企画事において 
遺憾なくその理論を展開してきた。 


ここで定義するビジネスにおける弱者とは
その業態における企業の
製品の占有率がおよそ25%を下回る企業に対して 
弱者と定義し、それ以上を強者と呼ぶ。


ビジネスにおける戦いとは 
力関係が同等である事と
力関係に差がある非対称である事を
理解して、分けて考えるとわかりやすい。

そして、弱者側は強者側の様に
資本力、ノウハウ、マンパワーで勝負する事はできない。 

弱者側が求められる要素とは 
強者が持つ力を無力化できる事が 
生存の要となる。

弱者が作る参入障壁

とは 
その実、複雑ではないのだ。
その答えとは

その商品を作るまでの過程に
いくつかの非常に面倒な手間ひまを加える事。

たったこれだけで
生存率を高める事ができる。

これを株式の銘柄を探す際に
どう参考に活かすのか?という事だが
小型株、バリュー株を見つけて
株を購入する際に着目すべき事として

小規模、中規模の企業が作り上げる
製品や商品の内容に
面倒な手間ひまを付加しているかどうか?


これを見つけられたら
その企業の事業に対する信頼も増すだろう。

銘柄選定の際に役立ててほしい。

今日の所は以上だ。
読んでくれてありがとう!
また会おう諸君。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?