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「セブン、本部主導で値引き推奨 食品ロス削減へ方針転換」に注目!

セブンイレブン、本部主導で値引き推奨 食品ロス削減へ方針転換 【イブニングスクープ】 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

セブン―イレブン・ジャパンは5月、売れ残った商品の値引きを始めます。商品の販売期限をシステムで店に知らせ、仕様を統一した値引きシールも用意し本部が主導して値引きを推奨します。食品ロスを減らすほか、物価高で強まる選別消費に対応します。コンビニエンスストア最大手のセブンの廃棄方針転換は社会的な要請が強まる食品ロス削減が広がる契機になります。

おにぎりやサンドイッチ、弁当など約300品を対象に、廃棄する数時間前に20、30、50、100円の4種類の「エコだ値」と名付けた値下げシールを貼るように本部が推奨します。各店が値引きを手書きするタイプも用意します。セブンが強みとする「単品管理」のシステムで廃棄期限が近づいている商品の情報を都度、本部から伝えます。様々な手立てを使って推奨しますが、値引きは最終的には加盟店の判断になります。

2023年に直営とフランチャイズチェーン(FC)の約220店で実験したところ、店舗の廃棄額は1割程度減り、店舗の1日当たり売上高は増えました。現在、廃棄する商品の原価の15%は本部負担のため、値引きで廃棄が減れば本部の収益を底上げすることになります。

セブンは売れ残った食品を見切り販売する自社ガイドラインを策定し、加盟店の判断で自由に値引きできます。ただ本部推奨の形はとっておらず、恒常的に値引きする店は現状、全体の約3割にとどまります。

公正取引委員会が2020年、本部による加盟店の値引き制限が独占禁止法違反に当たる可能性があるとの見解を示し、売れ残り品の値引きはコンビニ各社も実施しています。ただ加盟店に委ね本部推奨の形はとっていません。ローソンは5月、人工知能(AI)を使った発注システムを刷新し、値引き時期や金額を店に提案する機能を新たに加えます。食品ロスを減らす動きが強まりつつあります。

環境省などによると、本来食べられるのに捨てられた国内の食品ロスは前年度比横ばいの523万トン(2021年度)でした。そのうちスーパーやコンビニなどの食品小売業からのロスは62万トンを占めます。セブンの分はロス全体の数%程度とみられます。

食品ロスの発生量を国民1人当たりで見ると、1日約114グラム(ごはん茶わん1杯分)に相当します。おにぎりなどを廃棄せずにすめば中長期的な影響は大きいです。政府は食品ロスを2030年度までに2000年度の980万トンに比べて半減させる目標を掲げています。

ロス削減を巡ってセブンは、食品の消費期限延長にも取り組んでいます。チルド弁当で期限を約1日から約2日半に延ばしました。総菜などの一部商品でも同様の取り組みを進めます。親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)は食品などの廃棄量をグループで2030年に2013年度比半減させる計画です。

なお、このような食品ロスを減らす取り組みは地方でも行われており、名古屋市は2024年度中にも小売り各社に対し、製造日から賞味期限までの期間の3分の2を過ぎた食品を販売しない商慣習「3分の1ルール」の緩和を促すことを決めました。

この「3分の1ルール」とは製造日から賞味期限までの期間を3分の1ずつに区切り、納品や販売の目安を定めることを言います。賞味期限が3カ月の場合、1カ月を過ぎるとメーカーは卸売業者や小売店に納品できません。2カ月を過ぎると小売店は商品を店頭から撤去し、廃棄したり卸売業者に返品したりします。こうした商慣習は食品ロスが減らない原因とされています。

賞味期限の3分の1を過ぎてもメーカーからの納品を受け付けられれば納品期限に余裕が生まれ、人手不足が深刻な物流企業の負担も和らぐとみています。

なお、東京都でも3分の1ルールを見直す動きが出ており、2023年度から賞味期限間近の商品などをフードバンクに寄付する場合に助成金を支給しています。

また、味の素も「フードロスラ」という巨大怪獣を使ったフードロス撃退PRも話題になりました。

このような取り組みが今後定着していけばいいなと思いました。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。